今日からできる!猫背姿勢の治し方

2018-10-08

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はじめに

姿勢を治したい思っている方はとても多いのではないでしょうか?
そんな方の大半が「猫背姿勢」と言われる背中が丸まった姿勢で、実際に猫背姿勢を修正すると見た目だけでなく健康によい効果がたくさんあります。

そこで今回は、猫背姿勢を治すメリットとその方法をご紹介します。

猫背姿勢と正しい姿勢とは?

「猫背姿勢」が背中の丸まった姿勢であることは誰でも知っていると思いますが、実際に正しいとされる姿勢に対して猫背姿勢の身体の構造はどうなっているのでしょうか?

本来、人間の背骨を横から見るとなだらかなS字カーブを描いており、頸椎は前弯(前に凸)、胸椎は後弯(後ろに凸)、腰椎は前弯となっています。
そして耳の穴、肩の中央、大腿骨大転子(股関節の外側で触れられる骨)、くるぶしが一直線に並んでいます。
しかし、猫背姿勢の場合は胸椎の後弯が強くなり、それに伴って左右の肩甲骨が外転位(外に離れた位置)になってしまいます。
猫背姿勢を修正する際には、胸椎の後弯増強と肩甲骨の外転の二つをまずは修正する必要があります。

猫背姿勢を治すメリットは?

猫背姿勢を修正することは見た目だけでなく、健康にもよい効果がたくさんありますのでご紹介します。

肩こり腰痛の軽減
肩こり腰痛に悩む方はとても多くおられるかと思いますが、猫背姿勢が原因となっている場合があります。
猫背姿勢になって肩甲骨が外転位になると肩こりに大きく関与している肩甲挙筋や僧帽筋が常に伸張された状態になります。
これらの筋肉の伸び縮みが本来より少なくなることでその周囲の血流が悪くなってしまい、筋肉のコリやだるさにつながります。
また、猫背姿勢になると腰も丸まってしまいがちなので腰の筋肉にも同じように負担がかかり、腰痛の原因にもなります。
よって、猫背姿勢を治すことで肩こり腰痛が改善することがあります。

■体幹筋力の改善
「体幹」とは胴体部分のことであり、腹筋や背筋といった私たちの身体を支えるたくさんの筋肉がついています。
猫背姿勢は体幹の力が抜けて一時的には楽な姿勢ですが、体幹の筋力が使われないため筋力が低下してしまいます。
体幹の筋力が低下すると重たいものを持ち上げにくいだけでなく、同じ姿勢を維持することが難しくなったり、腰痛にもなりやすくなってしまいます。
猫背姿勢を修正し、正しい姿勢を意識することで姿勢保持に必要な体幹の筋力が鍛えられます。

■呼吸機能の改善
胸骨や肋骨で覆われている胸郭は、息を吸うとともに拡がり、吐くときに元に戻るという動きを繰り返しています。
猫背姿勢になると胸郭が通常よりも拡がりにくくなってしまいます。
呼吸器疾患を持っておられる方や高齢者など呼吸に苦がある方はもちろん、健康な方も猫背姿勢を修正して胸郭が拡がりやすくなることで肺に酸素が入りやすくなり、楽に呼吸ができるようになります。

■スポーツパフォーマンス改善
スポーツ競技では、手足を強く速く動かすことや相手に当たっても負けない強い体幹が求められます。
猫背姿勢を修正することで、腹筋や背筋に力が入りやすくなり手足の基盤となる体幹の安定性が改善します。
当たり負けしなくなるだけでなく手足の筋肉にも力が入りやすくなり、パフォーマンスの向上につながります。
特に、野球などの投動作が重要なスポーツにおいては、肩甲骨の位置が修正されることで肩関節の可動域が拡がり腕も振りやすくなるので、姿勢の修正がパフォーマンス向上に直結します。

■背中の部分痩せ
猫背姿勢で肩甲骨の動きが少ないと、背中の筋肉の動きが少なくなるため背中に脂肪がつきやすくなります。
猫背姿勢を修正し肩甲骨をしっかり動かすことで背中の脂肪も燃焼され、肩甲骨のラインがしっかりとでたきれいな背中を目指すことができます。

猫背姿勢の治し方

猫背姿勢を治すために必要なエクササイズをご紹介します。

骨盤起こし
猫背姿勢の方は骨盤が後傾して腰も丸まっている方が多いようです。
骨盤背骨の土台になっているので、骨盤の傾きが適した状態にないと胸腰椎も正しい弯曲になりません。
このエクササイズでは骨盤の起こし方を練習します。

1. 足の裏がしっかりと床につく硬めの椅子に腰かけます。

2. 坐骨(左右のお尻の下に手を敷いたときに触れる骨)がしっかりと座面に当たるように骨盤を起こします(この状態をニュートラルとします)。

3. おへそを後ろに下げるように骨盤を後傾させたら、再び骨盤を起こし(前傾させ)ながらニュートラルの状態に戻します。

普段の座位姿勢でもなるべく骨盤がニュートラルな状態を保つように心がけてください。

■胸椎伸展エクササイズ
猫背姿勢の方は胸椎の後弯が通常よりも強い状態に慣れているので、胸椎の伸展動作(背筋を伸ばす動作)が苦手であることが多々あります。
このエクササイズでは、胸椎の伸展動作を獲得して強すぎる胸椎の後弯を正しく修正することを目的としています。

1. 足の裏が床につく椅子に腰かけて首の後ろで手を組みます。

2. 骨盤を起こしながら胸骨が天井方向を向くように胸椎を伸展させます。

3. 楽な姿勢と胸椎を伸展させた姿勢を繰り返し行います。

このエクササイズでは、頸椎の伸展を首の後ろで組んだ手でロックし、胸椎伸展の動きを促すことがポイントです。
胸椎伸展の可動域を超えて無理に反らそうとすると、腰椎の伸展が強くなってしまい腰痛の原因になりますので注意しましょう。

■肩甲骨内転エクササイズ
外転した肩甲骨の位置を内転方向に修正するエクササイズです。

1. 足の裏が床につく椅子に腰かけて骨盤をニュートラルの状態まで起こしたら、左右の肩甲骨を内側に寄せ(内転し)て胸を張ります。

2. 背中の内側に緊張を感じたらゆっくりと元の楽な状態に戻し、また肩甲骨を内側に寄せるという動作を繰り返し行います。

肩甲骨の内転にともなって腕を一緒に動かすと、腕を後ろに引くばかりで肩甲骨が動いていない場合もありますので、手は膝の上に乗せるか体側に沿わせるように下ろして肩甲骨の動きを意識しましょう。

■上体開きエクササイズ
猫背姿勢の方は肩甲骨の外転にともなって肩が前に突出してしまうので、胸の前の筋肉(主に大胸筋)を中心に身体の前面の筋肉の伸張性が低下しています。
また、呼吸機能に大きく関与する胸郭も硬くなっています。
このエクササイズでは、大胸筋や腹斜筋など身体の前面の筋肉の伸張性を高めるとともに胸郭の動きを改善します。

1. 横向きでベッドや床の上に寝て、頭から足までが一直線になるようにします。

2. 上になっている方の脚は股関節、膝関節ともに90度になるように曲げておき、両手は肩の高さで自分の身体の前に伸ばし、両手を重ねるようにします。

3. 肘をしっかりと伸ばしたまま、上半身を天井向きに捻ると同時に上になっていた方の手は身体の反対側の床の上に置き、両腕が一直線になるようにします。

4. 上になっている方の胸の前の筋肉や腰~肋骨周りがストレッチされているような感覚を感じながら数秒静止し、また元の横向きの状態に戻るという動きを繰り返します。

動きがよくなってきたら、反対向きに寝て左右ともストレッチするようにしてください。

■タオル引きエクササイズ
猫背を修正するために必要な背部の筋肉を総合的に使った体操です。
アスリートの筋力トレーニングとしてもこの種目は行われるため、ジムなどにある筋トレ器具を使って行うこともできますが、今回は自宅でも行えるようにタオルを使用して行います。

1. 椅子に腰かけたら骨盤をニュートラルの状態まで起こします。

2. フェイスタオルの両端を両手で持ち、バンザイをします。

3. 肩甲骨の内側の筋肉で肩甲骨を下内側に引き寄せるように意識をしながら頭の後ろにタオルを下ろしていきます。

4. バンザイと頭の後ろに下ろす動作を繰り返し行います。

おわりに

今回は、猫背姿勢の治し方とそのメリットについてご紹介しました。
日常的に正しい姿勢を意識することがとても大切ですが、今回ご紹介したエクササイズを取り入れていただくことで姿勢を修正するために必要な可動域や筋力が得られやすくなります。
是非参考にしていただき、美しく健康的な姿勢を手に入れていただければと思います。


■プロフィール

監修:いきいき100歳応援中(理学療法士)
専門:整形外科疾患、介護予防分野

自己紹介
二児の母でもある理学療法士。整形外科疾患、介護予防分野を専門とし、
病院勤務の傍ら健康や医療に関する記事を執筆している。

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