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文豪に愛された伊香保温泉

2018-10-29

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伊香保温泉は群馬県の渋川市にある温泉で、「渋川伊香保温泉」とも呼ばれています。
群馬県には草津温泉と渋川伊香保温泉が二大温泉郷として存在しており、上毛かるたで伊香保温泉は「伊香保温泉日本の名湯」として表現されました。

ここではその渋川伊香保温泉について紹介していきたいと思います。

1、伊香保温泉の歴史

1−1 伊香保温泉が成立するまで

伊香保温泉の歴史は非常に古く、奈良時代に編纂された万葉集のなかの東歌に伊香保のことが歌われているものが存在しています。
現在のような温泉郷として成立したのは戦国時代、安土桃山時代ごろです。
長篠の戦いにおいて織田・徳川連合軍に惨敗を喫した武田軍は負傷兵も多くでました。
そこで武田勝頼が当時上野国にいた真田昌幸に命じて療養場所として伊香保を整備させたのです。
1576年にはこの地域の小暮氏、千明氏、岸氏、大島氏、島田氏、望月(永井)氏、後閑氏の七氏が現在の位置に集落を移して伊香保の石段街を作り上げていきました。
そして湯元から源泉を引き、中央に温泉を配置して左右には区画された屋敷に源泉を分けていくという巨大温泉郷を作り上げたのです。
江戸時代には西国の巡礼に対抗して関東でも巡礼地が定められ、伊香保の水沢寺が?番札所に指定されたことで巡礼者も多く訪れるようになり、伊香保の当時は大人気となりました。
最初は七氏であった引き湯口を持つ家もこのころには十四氏に増えていました。
十四氏の大家には家来筋にあたる門屋がそれぞれあり、大家から土地と洗い場を預けられて湯治人宿を商っていました。
大家と門屋以外の者が店借りと呼ばれて酒店や豆腐店、髪結、油屋、畳屋などを商い、現在のような温泉街を作り上げていきました。

1−2 文豪に愛された伊香保

明治時代になると伊香保は多くの文豪や芸術家に愛される温泉地となります。
特に竹久夢二、徳富蘆花、夏目漱石、萩原朔太郎、野口雨情が有名です。
伊香保にある老舗旅館「千明仁泉亭」は明治の文豪である徳富蘆花は夫婦で伊香保を愛し、「来世で二人が逢うとすれば、場所は伊香保だろう」とまでいって生涯に10回も伊香保を訪れて滞在しました。
彼の代表作「不如帰」はこの地で執筆されました。
海軍少尉川島武男と陸軍中将片岡毅の娘浪子が、愛し合いながらも運命に翻弄される悲劇の物語小説「不如帰」の冒頭でこの千明仁泉亭が登場します。
晩年体調を崩した徳富蘆花は終焉の地として伊香保を訪れ、昭和2年に伊香保で亡くなりました。
現在最期を迎えた別荘は移築されて文学館となっています。

2、現在の伊香保温泉

2−1 温泉街の街並み

傾斜した土地に作られた365段の石段は伊香保温泉のシンボルとなっており、石段には与謝野晶子の詩が記されています。
石段の両側には温泉街らしい温泉旅館、みやげ物屋、遊技場(射的・弓道)、飲食店などが立ち並び、この一帯を石段街と呼んでいます。
石段の下には泉質「硫酸塩泉」の黄金の湯の源泉が流れており、小間口(小満口)と呼ばれる4つの引き湯口から各旅館に引き込まれています。
石段の上には伊香保神社があります。
源泉のそばには「伊香保露天風呂」があり、石段の途中には共同浴場である「石段の湯」があります。

2−2 温泉名物発祥の地

現在温泉地と言えば「温泉まんじゅう」が定番となっていますが、あの茶色で艶のある温泉まんじゅうの発祥の地がこの伊香保温泉と言われているのです。
1910年に「勝月堂」で売り出された「湯の花まんじゅう」が天皇家に献上されたことが評判となって日本中の温泉地に広まっていったと言われています。

2−3 観光地としての伊香保

伊香保は明治時代ごろに多くの有名な外国人が訪れた土地でもあります。
イギリスの公使のサー・アーネスト・サトー、幕府軍軍事顧問のフランス軍将校レシャルム大尉、ハワイ国総領事のロバートウォーカー・アルウィンなどです。
ロバートウォーカー・アルウィンはいたく伊香保を気に入り、伊香保に別荘を持っていました。
明治30年の案内版にはこの別荘が「ハワイ国公使の別荘」として紹介され、現在は町指定の文化財として保存されています。
伊香保の温泉街と物聞山にある上ノ山公園は伊香保ロープウエイで結ばれ、その他にも周囲には自然豊かな榛名山や、水沢うどんで有名な水沢観音などがあります。
また、多くの文豪や芸術家に愛された伊香保らしく、「渋川市美術館」「桑原巨守彫刻美術館」「日本シャンソン館」などの美術館があり、それらが立ち並ぶ芸術の遊歩道「アルテナード」を中心にして芸術関連の施設が数多く存在しています。

2−4 新たな温泉

もともと伊香保の源泉はそのお湯を使用する権利者と権利者と契約している旅館のみしか利用できませんでした。
しかし温泉街に旅館が増加してくると源泉が不足してきたために、1996年に「白銀の湯」が開発されました。
こちらは泉質がメタ珪酸をメインとするもので、「黄金の湯」ほど濃度が濃くはありません。

3、伊香保温泉の管理組合

画像出典:お宿玉樹

伊香保温泉は「一般社団法人 渋川伊香保温泉観光協会」が管理をしています。

一般社団法人 渋川伊香保温泉観光協会
住所:〒377-0102 群馬県渋川市伊香保町541-4
電話:0279-72-3151
公式HP:http://www.ikaho-kankou.com/culture.cfm

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