どうすればいいの?首の後ろが痛いときの対処法

2018-11-01

関連キーワード

はじめに

寝違えやむち打ち症など突発的なものや読書やパソコン作業のし過ぎによる慢性的なものなど、首の後ろの痛みを感じたことのある方は多いのではないでしょうか?
原因や対処法が自分で分かってすぐに実行できる場合はよいですが、対処の仕方がわからないと困りますし、間違った対処をすることで症状を悪化させてしまうこともあります。

そこで今回は、首の後ろが痛いとき考えられる原因と対処法についてご紹介していきたいと思います。

スポンサー

首の構造

脊柱は上部から7個の頸椎、12個の胸椎、5個の腰椎、そしてその下部に逆三角形の大きな仙骨、尾骨が続いています。
一般的に「首」と言われる部分は頸椎部分を指しますので、上部は脳とその周りの骨格からなる頭部と繋がり、下部は胸椎と繋がっています。
脊柱は「脊椎」と呼ばれる同じような形状の骨が積み木のように重なっていますが、頸椎は少し特殊な形状をしている部分があります。
第1頸椎はリング状になって「環椎」と言い、第2頸椎は脊椎の上部に歯突起と呼ばれる突起がついており、環椎の中心の穴を貫通して環椎と関節を作れるような構造になっています。
第3頸椎から第7頸椎までは通常の脊椎と同じように似た形状の骨が積み木状に並び、それぞれ上下の脊椎と関節を持ちます。
脊柱の周りにはたくさんの靭帯や筋肉があり、脊柱を支えたり動かしたりするために機能しています。

首の後ろが痛い原因は?

首の後ろが痛くなる原因として主なものをご紹介します。

■頸椎捻挫
頸椎捻挫は交通事故や転倒、スポーツ中の他者との接触など急激な負担が頸部にかかり、関節や靱帯、筋肉などに炎症を起こして痛みを伴っている状態です。
炎症が落ちついていくとともに数日から数週間以内に痛みも落ち着く場合もあれば、関節や靱帯に不可逆的な損傷が加わってしまい、痛みが長引くこともあります。

■軽頸腕症候群
一般的に言う「肩こり」の症状が首から腕のどこかに生じるものです。
重量物持ち上げなどの重労働により筋肉が酷使されたり、長時間同じ姿勢をとるような作業を行うことで筋肉の一部に負担が集中してしまうなど原因はさまざまですが、筋肉の柔軟性が低下してその周囲の血流が悪くなっているという点では同じような状況と言えます。
症状が悪化すると手や肩にしびれなどの異常感覚を伴うこともあります。

■頸椎椎間板ヘルニア
脊柱にはそれぞれの脊椎の間に「椎間板」という組織があります。
椎間板は水分を含む柔軟な組織で脊椎同士の間に挟まれていることによってクッション材の役割をしています。
脊柱にかかる衝撃を吸収したり脊柱全体を滑らかに動かすことに貢献していますが、負担が強くなることによって椎間板が変形してしまい、その周囲を通っている神経を圧迫してしまうことがあります。
頸部の椎間板がそのような状態になることを「頚椎椎間板ヘルニア」といい、頸部の痛みや頸から手にかけてのしびれや感覚麻痺、運動麻痺を起こすことがあります。
下を向くことで椎間板が押し出されて神経が圧迫されやすくなるため、下を向いたときに症状が強まる傾向にあります。

■頸椎症性神経根症
加齢や頸部への過度の負担により椎間板の変形だけでなく、頸椎の骨自体も徐々に変形してくることがあります。
頚椎症性神経根症はそういった変化の中で、頸椎周囲の「神経根(脊髄から枝分かれして上下肢に走行していく神経の枝)」が圧迫されて頸部の痛み、腕や手先のしびれや感覚麻痺、運動麻痺が起こる疾患を言います。
上を向くと頸椎の関節間のスペースが狭まって神経が圧迫されやすくなるため、痛みやしびれがでやすい傾向にあります。

■寝違え
寝るまで全く痛みがなかったのに起床時から突然痛みやそれに伴う頸部の運動制限が生じる状態を「寝違え」と言います。
頸部が無理な肢位になったまま長時間寝てしまうことで関節が炎症を起こしたり、筋肉の血流が悪くなって動きにくくなってしまうことなどが主な原因と考えられますが、基本的には不可逆的な病変はありません。
数時間以内に痛みや運動制限がなくなる場合もありますが、炎症が強いと治るまでに数日以上かかることもあります。

スポンサー

首の後ろが痛いときの対処法

首の後ろが痛いとき、どの対処法をするのがよいのか症状の違いなどの判断材料も含めてご紹介します。

■冷やす
痛みを緩和させる方法として、痛みのある場所を氷嚢などで直接冷やす「アイシング」があります。
頸椎捻挫や急性期のヘルニアなど炎症が痛みの主な原因となっている場合にはアイシングを行うことで炎症が早く落ち着いていきます。
寝違えの場合は、炎症が原因の場合と血流不全によって組織がかたまってしまっている場合があり判断が難しいこともありますが、炎症が強い場合にはアイシングによって痛みが改善します。
じっとしていてもズキズキしたり、脈を打つような痛みは炎症が原因の場合が多いのでアイシングを試してみるとよいでしょう。
アイシングには痛みの受容器を麻痺させる効果もあるため、炎症以外の痛みでも効果がある場合もあります。

■温める
頸肩腕症候群をはじめとした慢性的な頸部の痛みは、血流を促し周囲の組織を柔らかくすることで軽減することが多いので、患部を温めることがおすすめです。
寝違えの中で筋肉の血流不全により動かしにくくなってしまっている場合も温めると症状が改善してきます。
蒸しタオルなどで患部を温めるほか、お風呂に浸かってゆっくり全身を温めるのもよいでしょう。
ただし、炎症が痛みの原因となっている場合には温めることによって痛みが悪化する可能性もありますので、注意して行って下さい。

■湿布を貼る
湿布は炎症や痛みを鎮静させる薬を皮膚から直接浸透させるもので、比較的多くの痛みに対して効果を発揮します。
ただし、筋肉のコリや血流不全による痛みに対してはあまり効果がありません。
また、湿布を貼った時にひんやりとする感じからアイシングと同じような効果を期待している方もおられるかもしれませんが、実際に冷やす効果はなく消炎鎮痛剤としての効果だけですので、炎症が強いときには湿布だけでなくアイシングを行うことも大切です。
皮膚のかぶれなどで湿布が苦手な方は、湿布の代わりに鎮痛剤の内服薬を使用することも効果的です。

■ストレッチ
頸肩腕症候群や血流不全が原因の寝違えに対しては、筋肉をゆっくり伸張するストレッチも効果的です。
筋肉を直接伸張することで血流が促されて痛みが軽減したり、少しずつ可動域も拡がっていきます。
ただし、痛みが強いときに無理にストレッチを行うとその痛みによって余計に筋肉が緊張してしまったり、炎症を増悪させてしまうこともありますので、あくまでも気持ちいい程度でストレッチできる場合に行うようにしてください。

■マッサージ
痛みのある部位をマッサージすることも痛みを軽減させるための対処法の一つです。
誰でも痛みのある部位をさすったり押さえたりしたくなりますが、皮膚の表面をさする程度のマッサージは痛みを緩和させることができます。
また、それよりも少し強く筋肉をもみほぐすようなマッサージを行うことは周囲の血流を促したり筋肉の動きを良くする効果がありますので、頸肩腕症候群や血流不全が原因の寝違えに対して有効です。
ただし、マッサージも強さによっては炎症を増悪させてしまうことがありますので、程度には十分な注意が必要です。

おわりに

今回は頸部の後ろの痛みについて、考えられる主な原因と対処法をご紹介しました。
ご自分の症状の原因や対処法が明らかになった場合は是非試していただければと思いますが、はっきり分からない場合やご自身に合うと思う対処法を続けてみても症状が改善しない場合には、早めに整形外科などを受診してみてください。


■プロフィール

監修:いきいき100歳応援中(理学療法士)
専門:整形外科疾患、介護予防分野

自己紹介
二児の母でもある理学療法士。整形外科疾患、介護予防分野を専門とし、
病院勤務の傍ら健康や医療に関する記事を執筆している。

『趣味時間』とは? 他とは一味違う旅情報と大人の趣味ネタが満載のWEBマガジン!

『趣味時間』は、大人の趣味を楽しむためのライフスタイルマガジンです。大人が気になるさまざまなジャンルの趣味・知識の情報を、楽しみながら吸収できる読み物スタイルでご提供しています。既に読みつくせないほどの記事をご用意しているほか、日々新しい情報が更新されていますので、ちょっとした空き時間を有意義に過ごすのに最適なWEBマガジンなのです。

    ▲ページトップ