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大根の栄養は?消化を助ける食べ方と効果

2018-11-02

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生でも加熱しても美味しく食べられる大根は、日本で欠かせない野菜です。古くから食べられてきたため、食べ方のバリエーションも豊富。栄養だけでなく、消化を助ける酵素も含まれています。
今回は、大根について詳しくご紹介しましょう。

大根の基本情報

厚生労働省が2015年8月に発表した「日本人における野菜の摂取量ランキング」によると、摂取量の多い野菜の第1位は大根でした。
1年中栽培されている大根は、煮物・サラダ・和え物・薬味など幅広い料理に使われている欠かせない野菜です。日本では古くから食べられていて、古事記にも記録されています。原産地は諸説あり、地中海沿岸・華南高地・中央アジアなどさまざまです。古くは、古代エジプトで食べられていたといわれています。

日本で栽培されている品種は、春ダイコン・夏ダイコン・冬ダイコンの大きく3つに分けられます。その中では、冬から春にかけて出回る冬ダイコンが、甘くてみずみずしい特徴があり人気です。品種はさまざまで、カブのような丸い形の大根もありますよ。主な品種は以下の通りです。

●青首大根:大根全体の9割以上の生産量で、葉のつけ根部分が青い
●三浦大根:神奈川県の三浦半島で作られている品種で中央部分が太い
●聖護院大根:京都の伝統野菜で、カブのような丸い形
●守口大根:細くて長い大根で主に漬物に利用

選び方と保存方法

白くて皮に張りのある、みずみずしいものを選びます。ひげ根の出ていた部分が深いもの、首の黒ずみがひどいものは避けます。葉が付いているものは、切り口がみずみずしいものが新鮮です。葉は鮮度が落ちやすいため、購入後すぐに切り落とすと良いでしょう。

根の部分は、乾燥しないように新聞紙やポリ袋に包み、冷暗所や冷蔵庫に保存します。大根は水分が多いため、輪切りなどにして冷凍すると、水分が膨張して細胞が壊れ、解凍するとスカスカした状態になりやすいです。
大きなままだと食感が変化するため、冷凍する場合は、大根おろしにするのがおすすめです。

大根に含まれる栄養

大根は、根と葉の部分で含まれている栄養成分の量が異なります。
根は際立った栄養素は少ないのですが、ビタミンCや鉄が含まれ、根の部分には、βカロテン・ビタミンC・鉄・カルシウムなどが多く含まれています。
1つの野菜では珍しいことに、大根の根の部分は淡色野菜、葉の部分は緑黄色野菜に分類されます。根の部分には緑黄色野菜の基準となるβカロテンは含まれていませんが、葉の部分は100g中3900μgです。大根の栄養を余すことなく摂取するには、葉の部分も活用しましょう。主な栄養成分の働きをご紹介します。

■ビタミンC
水に溶けやすい水溶性ビタミンで、熱や空気に触れると壊れやすい特徴があります。細胞同士をつなぎあわせるコラーゲンの生成に欠かせないビタミンで、皮膚や粘膜の健康を保ちます。鉄の吸収を助ける働きをするため、ビタミンCと鉄を含む葉を食べると、栄養の吸収が良くなりますよ。

■βカロテン
油に溶けやすい脂溶性のビタミンで、緑黄色野菜に多く含まれています。体の中に入ると、ビタミンAに変わり、皮膚の粘膜を健康に保つ働きをします。また、抗酸化作用の効果が期待されています。

■鉄
赤血球の材料となるミネラルで、ヘモグロビンの成分として欠かせません。赤血球に含まれている以外に、肝臓などに蓄えられています。鉄は、レバー・魚介類・大豆・緑黄色野菜などに含まれています。動物性食品に含まれるヘム鉄と、植物性食品に含まれる非ヘム鉄に分けられます。ヘム鉄の体への吸収は良いのですが、非ヘム鉄はビタミンCや動物性タンパク質と一緒に摂ると吸収率がアップすることが知られています。

■カルシウム
骨や歯などを作る材料になるほかに、神経や筋肉の働きに関わっている栄養素です。血中のカルシウム濃度は一定に保たれていて、食事から摂取したカルシウムが足りないと、骨に蓄えられているカルシウムを壊して保つ働きをしています。体に吸収できるカルシウム量は限られているため、カルシウムを含む食品を毎日摂ると良いでしょう。

消化吸収を助ける酵素と辛味成分

主な栄養成分があまり含まれていない大根の根ですが、消化を助ける酵素が含まれています。
焼き餅やうどんに大根おろしを添えたり、唐揚げや天ぷらに組み合わせたりするのは、薬味としての味わいのほかに消化を助ける働きがあるからです。大根おろしは食べるだけでなく、タコやカキの下処理にも使われています。柔らかく仕上がり、汚れが大根おろしに吸着されます。大根に含まれている主な消化酵素は以下の通りです。

●アミラーゼ:デンプン分解酵素
●プロテアーゼ:タンパク分解酵素
●リパーゼ:脂肪分解酵素

消化を助ける酵素が含まれているほかに、大根の辛味成分には抗酸化作用があると期待されています。
大根の辛味はイソチオシアネートと呼ばれ、切るなど細胞を壊すことで生成されます。辛味成分は部位によって含まれている量が異なります。根に近いほど辛味が強く、葉に近い部分と比べると約10倍もの差があります。甘く上品に仕上げたい煮物には葉に近い部分を、大根おろしには根に近い部分を利用することがほとんどです。
イソチオシアネートは揮発しやすいため、辛味成分の効果を効率よく摂りたいのなら、食べる直前におろしましょう。

まとめ

大根は根の部分だけでなく葉も利用できます。根と葉では含まれている栄養成分が異なるため、丸ごと利用すると、幅広い栄養を摂ることができますよ。
根には消化を助ける酵素や、抗酸化作用があるといわれているイソチオシアネートが含まれています。さまざまな料理に利用できる大根を美味しくいただきましょう。

監修:はせがわじゅん
子どものころから食への探求心が強く、管理栄養士の道へ。
食にまつわる歴史や、豆知識を調べることが趣味です。素材の味を活かした料理や、簡単で手軽にできるレシピが得意。

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