景勝地

想像を絶する難所の絶景、九階の滝

2018-11-24

関連キーワード

かなりの難所を乗り越えて初めてみることができるという名勝の九階の滝は秋田県北秋田市にあります。もともとは森吉町でしたが、北秋田郡の鷹巣町、合川町、阿仁町と2005年3月に合併しました。

この森吉町は大阿仁川の中流に位置し、町の70%は標高500m以上の山地で、町の東方を流れる小又川、西部を北上する大阿仁川の沿岸に発達した町で北部は鷹巣盆地に属していました。

ここには「桃洞・佐渡のスギ原生林」があり、県内でも有数のスギ原生林として昭和50年に国の天然記念物に指定されています。また、小又峡は県の名勝・天然記念物に指定されている景勝地です。太平湖、森吉山とともに近年観光地として注目を集めています。

ここの湯の沢温泉はもともとは山間のひなびた温泉でしたが、森吉山登山客や秘境小又峡を訪れる人や釣り人などでにぎわうようになりました。湯の岱から8km、バスで15分ほどのところに太平湖があります。のちに紹介する九階の滝は、この太平湖に注ぐ粒様沢の源流部を形成する様の沢の最深部に位置しています。

湯の沢温泉からは遊覧船で小又峡に行くことができ、また太平湖を通って十和田湖・八幡平への車道があり、歩いて10分ほどの小又川沿いには国民宿舎もあります。

小又峡は阿仁前田駅から太平湖方面のバスで1時間半、ここから遊覧船で小又峡の入り口に着きます。県の名勝・天然記念物にも指定されている景勝地です。
森吉山東麓に源を発した渓流が原始林のなかを蛇行しながら水量を増してこの峡谷に入ります。峡谷は約4km、横滝・曲がり滝・穴滝などの奇観と無数の甌穴を連続させ、さらに三階滝・六階滝と絶景が続き、太平湖に注ぎこみます。近年は車道の整備や遊覧船の就航などで訪れる人も非常に多くなりました。

小又峡の渓流が注ぎこむ太平湖は、発電・洪水調節などの多目的ダムである森吉ダムによってできた人造湖で、コイの良い釣り場となっています。

森吉山は元の森吉・阿仁の両町の境にそびえるアスピーテ型のなだらかな火山で、那須火山帯に属しています。きわめて均整のとれた山容を持ち、緩傾斜であるので、一般の登山に最適とされています。

登山口は数多くありますが、もっともポピュラーなのは阿仁前田駅からバスで約25分、小又川中流の様田口から登るコースです。様田口から頂上まで12km、山頂からは鳥海山・八幡平・八甲田連峰・岩木山・岩手山やさらに西方の男鹿半島までも一望できます。

森吉山は古来、阿仁地区の住民の信仰が厚く、毎年旧四月八日に登山し、帰りにモロビ(オオシラビソ)をとり、親族や知己に配る風習があります。モロビは神前に供えたり、門口に吊り下げたりして邪気除けとします。

森吉山県立自然公園は森吉山を中心に太平湖・小又峡・安の滝・立又渓谷などの景勝地を加えた県立自然公園で、昭和43年10月に指定を受けました。緩やかな傾斜を持つ森吉山の高原一帯は百数十種類に及ぶ高山植物がみごとな群落をみせ、登山者の目を楽しませます。また、山麓は峡谷・渓流に富み、すぐれた自然の変化の美をみせています。

スポンサー

そしてこれらの初心者向けの景勝地ではなく、上級者向けの景勝地として有名になってきているのが九階の滝です。

そもそも九階の滝は観光名所ではありません。むしろ「幻の滝」と言われてきました。最近の観光名所は道路が整備され、車で気軽に行けるところが増えてきており、それが多くの観光客を集める理由にもなっています。しかし九階の滝は整備されていない獣道を慣れていない人ならば片道5~6時間も歩いて行かなければいけません。
山登りに慣れている人ですら4時間ほどはかかるという難所です。しかも途中には崖に滑落しそうなポイントがいくつもあり、おおげさではなく命がけの観光になります。

このあたりには狩りを専業とする「マタギ」と呼ばれる人たちがいます。クマやウサギ、キツネ、タヌキなどの獲物を収入源とするのですが、この山道を歩きなれたマタギたちですら九階の滝は「神の沢」と呼び近づくのを嫌がったといいます。また、実際にたどり着くことも非常に困難で、遭難した人も多くいたようです。

現在はよほどの山登りの上級者かガイド付きでなければ行くことは難しいとされています。本当に最近、途中の山道が少しだけ整備されて登山道のようになっている部分はありますが、ザイルやロープなどの登山道具なしではアタックするのは不可能です。そうしてたどり着けるのがこの九階の滝。落差は100mほどと言われ、長く廊下のように見えます。水量は少なめですが、その分、優しさを感じさせる滝です。長い滑り台のようにも見えるこの滝は岩肌がツルツルで、いかにも人が踏み荒らしていない場所であることがよくわかります。

そしてこの滝の注意点は帰り道にあります。十分ここで休養をとっていかなければ、来た道の難所を戻ることが困難になります。

この九階の滝はまさに見ることのできる人を選ぶ「幻の滝」と言えるでしょう。

スポンサー

    ▲ページトップ