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肝臓の数値が悪いと言われたら!主な原因4つと対処法

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健康診断や人間ドッグでは、肝臓の機能を調べる検査項目が入っていることが多いです。
肝臓は沈黙の臓器とよばれていて、症状が出た時には治療法がなく命に関わる可能性もあります。自分に肝臓病なんて関係ないと思っている人も多いかもしれませんが、身近なアルコールや肥満でも肝臓の機能は低下することがあります。

今回は肝臓が悪くなる原因や対処法についてわかりやすくまとめます。

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肝臓の機能を知る検査項目とは

1.AST(GOT)・ALT(GPT)
ASTもALTも肝臓の細胞内にある酵素で、肝臓が障害されると血液中に出てきます。肝臓の障害が大きいと、数値はより高くなります。健康診断や人間ドッグなどで、肝臓の機能のスクリーニング検査として行われることが多いです。

2.アルブミン
肝臓の機能のひとつに、タンパク質の生成があります。アルブミンは肝臓で産生されるタンパク質で、肝臓の機能が低下すると共にアルブミンの数値も低下します。つまり、肝臓の障害が大きいほど数値はより低くなります。

3.γGPT
γGPTも、肝臓に存在する酵素ですが特にアルコールや脂肪肝で上昇することが知られています。肝臓の障害が大きいほど、より高くなります。

4.総ビリルビン
肝臓では消化に関わる胆汁が産生されます。肝臓の機能が低下し、胆汁の排泄障害などがあると血液中の総ビリルビンの数値が上昇します。肝臓の障害が大きいほど、より高くなります。

5.腹部超音波検査
腹部超音波検査では、肝臓の状態が概ね把握できます。例えば脂肪肝、肝臓内の腫瘍、肝硬変などの診断が可能です。外来でも実施できる検査なので、健康診断や人間ドッグの検査項目に含まれていることも多いです。

肝臓が悪くなる主な原因4つ

肝臓は沈黙の臓器とよばれていて、少し悪いくらいでは自覚症状が出ません。そのため、気付いた時にはとても進行していて手が付けられない状態になっている可能性もあるので注意が必要です。肝臓が悪くなる主な原因としては以下の4つが挙げられます。

1.ウィルス感染
肝臓に障害を起こす可能性のあるウィルスには、A型肝炎ウィルス、B型肝炎ウィルス、C型肝炎ウィルス、E型肝炎ウィルス、サイトメガロウィルス、EBウィルスなどが挙げられます。
A型肝炎ウィルスには生ガキや水を介して感染することがあり、E型肝炎ウィルスには加熱不十分な豚肉やイノシシの肉などを介して感染する可能性があります。
また、昔の日本では、予防接種時の注射針の使い回しや輸血によってB型肝炎ウィルスやC型肝炎ウィルスに感染する可能性がありました。B型・C型肝炎ウィルスは他に、母子感染や性行為などでも感染することがあります。B型やC型肝炎ウィルスに感染すると肝臓に炎症が起こり、肝硬変や肝臓がんに進行する可能性もあります。感染していても気付かないことも多いため、医療機関で検査をする必要があります。

2.アルコール
アルコールは、肝臓で解毒されます。そのため、アルコールを大量に飲んだり、毎日のようにアルコールを飲むと肝臓が休む時がなくなり、障害されることがあります。どれくらいのアルコール量で肝臓に障害が出るかは体質もあるので個人差がありますが、飲み過ぎには注意しましょう。

3.肥満
食生活の欧米化や運動不足などによって、日本人も肥満の人が増えています。肥満は、心臓病や腎臓病、糖尿病、高血圧などの原因になるだけでなく、肝臓の障害も引き起こします。肥満を放置していると肝臓に脂肪がつき、進行すると肝硬変や肝臓がんを発症する恐れもあります。肝硬変や肝臓がんに進行すると命の危険もあるので注意が必要です。

4.薬剤
ほとんどの薬剤は肝臓や腎臓などで代謝されます。体質によって薬剤の副作用の出方は違うので、医療機関で処方された薬だけでなく、市販薬やサプリメント、漢方薬でも副作用が出てしまう人がいます。
新しく薬を服用した後に、いつもと違う症状が出た場合には速やかに服用を中止し、医療機関や薬剤師に相談するようにしてください。ただし、医師からの処方箋の場合には自己判断で中止しない方がよい薬もあるため、まず問い合わせるようにしましょう。

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肝臓を健康に保つ対策4つ

肝臓は、少し機能が低下している状態であれば修復機能があるので戻ることがあります。病院や健診で、肝臓の数値が悪いと言われたら諦めずに対策をすることで肝臓を健康な状態に保てるかもしれません。また、肝臓の数値が正常な人も、今後悪くならないように以下のような対策をするとよいです。

1.定期的に検査をする
肝臓は沈黙の臓器とよばれていて、障害が起こっていても症状が出ないことが多いです。血液検査や超音波検査などで肝臓の障害がないかどうか定期的に検査しておくことも大切です。肝炎ウィルスに感染しているかどうかも、血液検査で知ることができます。

2.アルコールは控える
適度のアルコールはよいといわれていますが、大量の飲酒や毎日の飲酒は肝臓にとって負担になります。アルコールを飲み過ぎていると感じている人は、控えるようにして肝臓を休める休肝日を作るようにしましょう。

3.適正な体重を保つ
肥満は、糖尿病、高血圧、心臓病、腎臓病、肝臓病など万病の元です。肥満を放置していると肝臓に脂肪がついて、障害が進行する可能性があるので標準体重を保つように心がけましょう。標準体重は、22×身長(m)×身長(m)で計算できます。
適正な体重を維持するためには、毎日の食事や適度な運動が大切です。外食やコンビニ食、ファーストフードなどが多い人は、カロリーを多く摂り過ぎてしまう可能性が高いため、野菜や魚を多く摂ることを意識してみてください。適度な運動というと、走ったり、ジムに通ったりということを考える人も多いかもしれません。毎日続けることが大切なので、1駅分歩く、なるべく階段を使うようにする、などできることから始めてみてください。

4.不要な薬は服用しない
市販薬やサプリメントなど自分の判断で服用すると思わぬ副作用が出る可能性もあります。不要な薬を服用しなければ、肝臓だけでなく、体に負担をかけないで済むかもしれません。もし、副作用が出た時には早めに医療機関や薬剤師に相談してください。

まとめ

肝臓は沈黙の臓器なので、障害されていても症状はほとんどありません。肥満やアルコールなど身近な原因によっても肝臓は機能が低下してしまう可能性があります。
軽度の障害であれば肝臓は元に戻ることもあるので、健康的な生活習慣を意識して、定期的に検査を受けるように心がけたいものです。

監修:大塚真紀(医師・医学博士)
学歴:東京大学大学院医学系研究科卒。
専門:内科、腎臓、透析の専門医。

自己紹介

現在は育児の傍ら、医師という職業を生かし、医療系記事の執筆・監修、最新医学論文の翻訳、医療コラムの作成に従事。

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