栄養素

牛乳に近いカルシウム量。小松菜の栄養と効果

2018-12-19

関連キーワード

ホウレン草に似た姿の小松菜は、江戸時代の将軍にも気に入られていた野菜です。旬を迎える冬の時期になると、甘味が増し美味しくなります。
関東で盛んに作られており、雑煮の具としても欠かせません。お浸しや炒め物などさまざまな料理に合う小松菜には、どのような栄養が含まれているのでしょうか。

今回は、小松菜についてご紹介します。

スポンサー

小松菜の基本情報

小松菜は、アブラナ科アブラナ属の野菜です。同じアブラナ科のキャベツは葉が巻いて玉になりますが、小松菜は玉になりません。このような玉にならないアブラナ科アブラナ属の野菜は、ツケナと呼ばれています。ツケナには小松菜のほかに、野沢菜やのらぼう菜などがあります。ツケナの原産地は中央アジアからヨーロッパで、中国で発達しました。日本では東京江戸川区の小松川で盛んに作られていたことから、小松菜と呼ばれるようになったといわれています。

栽培期間が短くどの季節でも育ちますが、美味しくなる旬の時期は冬です。寒さや霜にあたることで葉が肉厚になり、甘味も増します。この特徴から、冬菜や雪菜と呼ばれることもあります。小松菜はホウレン草と異なりアクが少ないため、下茹でなしで調理でき、なおかつ茹でてもカサが減りにくいのが特徴です。関東ではお正月の雑煮の具として欠かせません。

小松菜の選び方と保存方法

スーパーでは冷蔵庫に並んでいる小松菜。購入するときには葉がしおれておらず、緑が鮮やかなものを選びましょう。また葉に厚みがあり、茎が太すぎないものが良品です。

鮮度が落ちやすい小松菜は、2~3日で葉がしおれてしまいます。濡らした新聞紙で包んでから袋に入れると乾燥を防ぐことができるため、しおれにくくなりますよ。包んだあとは野菜室に立てた状態で保存しましょう。野菜は畑で育っている姿と同じような状態で保存すると長持ちするといわれています。

さらに長持ちさせたい場合は、冷凍保存がおすすめです。通常よりも固めに茹でてから水をよく切り、食べやすい大きさに切ります。そのあとチャック付き保存袋へ入れて冷凍しましょう。使うときには冷凍のまま加熱します。

スポンサー

小松菜に含まれる栄養成分

小松菜はホウレン草と同じ緑黄色野菜であり、ビタミンやミネラルが豊富に含まれています。とくにカルシウムが多く含まれている葉物野菜としてもよく知られています。100g当たりで比べると、牛乳のカルシウムよりも小松菜のほうが多く含まれているのです。小松菜に含まれている栄養素を詳しく見ていきましょう。

■βカロテン
ニンジン、ホウレン草など緑黄色野菜に多く含まれている栄養成分です。βカロテンは体の中でビタミンAに変換される成分として、プロビタミンAとも呼ばれています。ビタミンAは、皮膚や粘膜の健康を保つ働きや、目の細胞に働きかける役割もあります。βカロテンとしては、現在でもさまざまな研究がされており、抗酸化作用などがあると報告されています。油に溶けやすい性質のある脂溶性ビタミンで、油と一緒に食べると吸収が良くなります。

■葉酸
体の細胞を作るときに関わる核酸の材料となるビタミンです。ビタミンB12とともに血液を作る働きがあり、不足すると巨赤芽球性貧血といわれる貧血症状が現れます。また、妊娠中に積極的に摂りたい栄養素としてもよく知られています。妊娠する前から十分な葉酸を摂取することで胎児の神経管閉塞障害のリスクを減らすことが分かっています。葉酸は小松菜以外にもさまざまな食品に含まれており、レバー、枝豆、ホウレン草、ブロッコリーなどにも豊富です。

■ビタミンC
コラーゲンを作る材料となるビタミンです。コラーゲンは細胞と細胞をつなぐ働きをしているため、ビタミンCを摂取することで皮膚や粘膜の健康を保つ働きをします。また抗酸化作用や鉄の吸収を良くしたりします。水に溶けやすい水溶性ビタミンで、茹でたり水にさらしたりする時間が長くなるほど損失しやすくなります。小松菜は鉄とビタミンCを含む野菜であるため、両方を効率よく摂取する調理法がおすすめです。

■カルシウム
骨や歯を作る栄養成分としてよく知られていますが、体の中では出血を止め、神経や筋肉の働きに関わるなど重要な働きをしています。血液のカルシウム濃度は一定に保たれており、血中濃度が低くなると骨からカルシウムを溶かして一定に保つのです。食べ物から吸収されたカルシウムは小腸から吸収されたあと血液中に入り、摂取量が多ければ骨に蓄えられます。牛乳などの乳製品、小魚、海藻、大豆などに多く含まれており、野菜類では小松菜に多く含まれています。

■鉄
赤血球を形作るヘモグロビンの成分です。鉄と酸素が結びつくことで、体中に酸素を運ぶ働きをしています。鉄を多く含む食品には、レバーや魚などの動物性食品と緑黄色野菜や海藻などの植物性食品があります。動物性食品に含まれる鉄は「ヘム鉄」と呼ばれ体の中で吸収されやすく、植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」は吸収されにくい特徴があります。非ヘム鉄の吸収率をアップするには、ビタミンCと一緒に摂ると良いとされてます。

栄養を効率良く摂る食べ方

脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンを含む小松菜は、油と組み合わせる調理法とともに、水に触れる時間を短くするとどちらのビタミンも効率良く摂れます。サッと茹でた小松菜に醤油、ゴマ油を加えて和えた「小松菜のナムル」は、ビタミンを効率良く取れるのでおすすめです。また、油揚げと小松菜を味噌汁の具にすると、油揚げの油で脂溶性ビタミンの吸収が良くなり、汁に溶けた水溶性ビタミンも摂ることができます。加熱してカサを減らすと、たっぷりと食べられるのも小松菜の魅力です。

カルシウムはビタミンD、ビタミンCと一緒に摂ると吸収率がアップします。ビタミンDが多く含まれている食品にはキノコや魚があり、ビタミンCが多く含まれる食品は柑橘系の果物があります。小松菜と一緒に組み合わせて、カルシウムを効率良く摂取するのがおすすめです。

まとめ

冬に旬を迎える小松菜は、ホウレン草に比べてアクが少ない野菜です。小松菜は多くの種類のビタミンやミネラルを含み、とくにカルシウムが多く含まれています。
小松菜の栄養を効率良く摂るには油と組み合わせ、水に触れる時間を少なくするのがコツです。さまざまな食材と組み合わせて小松菜を味わってみましょう。

監修:はせがわじゅん
子どものころから食への探求心が強く、管理栄養士の道へ。食にまつわる歴史や、豆知識を調べることが趣味です。素材の味を活かした料理や、簡単で手軽にできるレシピが得意。

    ▲ページトップ