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睡眠不足は肥満や事故の原因に!睡眠不足の影響や解消法とは

2019-02-14

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日本人は世界と比較しても睡眠不足といわれています。睡眠不足は、ただ眠いことが問題なのではなく、肥満や高血圧、事故などを引き起こすことがわかっています。
今回は睡眠不足の原因や体に与える影響、解消法などについてわかりやすくまとめます。

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日本人は睡眠不足

日本人は、今までのさまざまなデータから睡眠不足であることがわかっています。
例えば、経済協力開発機構(OECD)が2009年に実施した調査によると、欧米諸国などを含む18か国の中で日本の平均睡眠時間は最低水準であることが明らかになりました。ポラール・エレクトロ・ジャパン株式会社は、約600万のデータを解析し、主要28か国の中で日本人の睡眠時間は男性6時間30分、女性6時間40分と最短であり、睡眠の質も低かったことを報告しています。

また、厚生労働省が2015年に実施した国民健康・栄養調査によると1日の平均睡眠時間が6時間未満の人の割合が増えていて、具体的には男性で36.1%、女性では42.1%であることがわかっています。

日本人は仕事、家事、育児などに追われ、睡眠不足の人が増えていることが明らかになっているわけですが、健康への影響を考えるとこれは大きな問題です。

睡眠不足の原因とは

睡眠不足の主な原因は、喫煙、飲酒、偏った食生活、運動不足、スマートフォンやパソコンなどの電子機器の使用、ストレス、不安、長時間労働などが挙げられます。
現代の多くの人が使用しているスマートフォンから発せられるブルーライトは体内リズムを乱し、睡眠に悪影響を与えることがわかっています。

一方で、規則正しい生活は、体内リズムを整え、睡眠の質を高めます。質の良い睡眠をとることができれば、成長ホルモンやコルチゾール、メラトニンなどのホルモン分泌が調整され、体を健康に保てます。

最初に挙げた原因以外で、睡眠時無呼吸症候群やうつ病などの病気がある場合にも睡眠不足になることがあります。
現代において増えているといわれる睡眠時無呼吸症候群は、日中に強い眠気が起きることがあり、時に大きな事故につながります。電車やバスの衝突事故が、睡眠不足による過失によって起きる危険性もあります。うつ病では、なかなか寝付けない、途中で起きてしまう、朝早くに起きてしまう、などの症状により睡眠不足になることがあります。
病気が原因の場合には、早めに医療機関を受診し、治療する必要があります。
原因が、毎日の生活習慣であっても病気であっても睡眠不足は脳や心など体のさまざまな部分に悪影響を与えることがわかっています。

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睡眠不足が体に与える影響

睡眠不足が体に与える影響はとても大きいことがわかっているので、睡眠不足だと感じている人は要注意です。以下に、睡眠不足が体に与える影響について代表的なものを挙げます。

1.免疫力が低下する
私たちの体は細菌やウイルスなどの異物が体内に入ってきたときに、免疫がはたらいて、それらを排除しようと闘います。免疫が正常にはたらけば、感染症にかかりにくいことがわかっています。寝ている間に免疫に関わる物質が産生されるので、睡眠不足になると免疫力が低下する可能性があります。

2.体重が増加する
睡眠不足では、代謝が低下して体重が増加しやすいことがわかっています。睡眠不足によって、食欲に関わるグレリンとレプチンというホルモンの分泌が乱れるからと考えられています。また、睡眠不足の状態になると脂肪や炭水化物を食べたくなる傾向になるといわれています。

3.血圧が上昇する
睡眠不足によってストレスが増し、コルチゾールなどのストレスに関わるホルモンが分泌されると血圧が上昇する可能性があります。血圧が高いと動脈硬化が進み、脳出血や脳梗塞、心筋梗塞など命に関わるような病気を引き起こす可能性があります。

4.認知機能に障害が起きる
睡眠不足によって、認知症の発症リスクが上昇することがわかっています。詳細なメカニズムは全て明らかになっているとはいえませんが、寝ている間に脳は記憶の整理などを行うといわれており、脳の神経細胞が睡眠不足によって悪影響を受ける可能性が指摘されています。

5.ストレスが増す
睡眠をとることによって体が休まり、リラックスできます。睡眠不足では、体を十分に休めることができないのでストレスが増すといわれています。

6.気分が変動する
睡眠不足だとイライラしたり、怒りっぽくなったりすることが多いのではないでしょうか。睡眠不足によって気分が変動することはよく知られていますが、うつ病などの病気の発症に関わることもあるので要注意です。

7.事故が増える
睡眠不足によって、判断能力や反射神経が鈍くなるため事故が増える可能性があります。電車やバス、車の運転に関する事故だけでなく、職場で機械を扱う場合にも事故を起こす危険があります。

8.心臓病や腎臓病、糖尿病などのリスクが上昇する
寝ている間に、体のあらゆる組織が修復され、体温や糖代謝に関わるようなホルモンの分泌が調整されるといわれています。そのため、睡眠不足により心臓病や腎臓病、糖尿病などの慢性疾患の発症リスクが上昇することがわかっています。

睡眠不足の解消法

明らかに睡眠時間が足りていないだけでなく、睡眠をとっているつもりでも質の良い睡眠がとれていなければ睡眠不足と同じ状態になります。睡眠不足の解消法をいくつか紹介するので、自分に合った方法を試してみてください。

1.週末に寝る時間を少し増やす
毎日決まった時間に起きることは体内リズムを整えるために大切だといわれています。平日になかなか十分な睡眠時間を確保できない人は、週末に少し早めに、いつもより2-3時間前に寝てみるとよいかもしれません。

2.昼寝をする
昼食後に眠いと感じたことがある人は多いのではないでしょうか。特に睡眠不足の人は、眠気を強く感じることもあるかもしれません。
そのような場合には、昼寝をとると頭がすっきりすることがあります。12時から15時の間に20分間の昼寝をすると集中力が増し、仕事の効率も上昇することがわかっています。企業の中には、昼寝の効果を重要視し、社員のために昼寝用の部屋を設けたり、社員に昼寝を推奨したりしている所もあります。
ただし、昼寝をするだけでは毎日の睡眠不足を解消するのは難しいので、平日や週末に少し早めに寝るようにしてみてください。

3.電子機器の使用を控える
スマートフォンやパソコンなどから発せられるブルーライトは、体内リズムを乱し、睡眠の妨げになることがわかっています。電子機器の使用は就寝2時間前までにした方がよいです。

4.カフェインや喫煙、飲酒を控える
カフェインやニコチン、アルコールは、睡眠の質を下げる可能性があります。カフェインの摂取は就寝4時間前までにした方がよいといわれています。

5.規則正しい食生活、適度な運動を心がける
規則正しい食生活や適度な運動は、体内リズムを整えて質の良い睡眠がとれるようになります。特に朝食をとり、寝る前にたくさん食べないことが大切です。

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まとめ

日本人は睡眠不足の人が増えており、睡眠の質に問題があると感じている人も多いことがわかっています。
睡眠不足は、眠気が起きるだけでなく、肥満や糖尿病、事故を引き起こすことがあるので要注意です。日中にぼおっとしてしまうことが多い人や電車などで気付いたら寝てしまう人、寝ても疲れがとれていないと感じる人などは、睡眠不足の兆候があります。
週末に寝る時間を少し増やすことや、毎日の生活習慣を見直すことによって睡眠不足を解消して健康を維持したいものです。

監修:大塚真紀(医師・医学博士)
学歴:東京大学大学院医学系研究科卒。
専門:内科、腎臓、透析の専門医。

自己紹介

現在は育児の傍ら、医師という職業を生かし、医療系記事の執筆・監修、最新医学論文の翻訳、医療コラムの作成に従事。

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