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ビーチリゾートで楽しむ水中写真 海の中でもスマートフォンでインスタ映え

2019-03-12

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サンゴ礁の浅瀬を泳ぐマンタ (ミクロネシア連邦ヤップ島)


ビーチリゾートを訪れたら、やっぱり、色とりどりの熱帯魚が泳ぐサンゴ礁の海の中をのぞいて見たくなりますよね。体験ダイビングなら誰でも参加でき、ボートを利用して水深10数メートルまでガイドしてくれるコースもあり、ウミガメや、ときにはマンタに出会えるチャンスも。そんなとき水中カメラがあれば素晴らしいとは思いませんか。しかも、スマートフォンのカメラが使えたらすぐにSNSにアップできて楽しさ倍増です。日々性能が向上しているスマートフォン、最近のものは防水性能も高まり安心して防水ケースに入れて水中カメラとして利用できるようになりました。その使い方を見ていきましょう。

スマホなら低予算で水中写真撮影を楽しめる

ほんの深度数メートルの所でウミガに出会うことも(パラオ)


「水中カメラってとても高価」「操作が難しそう」と思われがちですが、その悩みを一気に解決できるのがスマートフォンです。ビーチリゾートを訪れたら、トロピカルフラワーが彩る庭、ココナツドリンク、新鮮なシーフードと、思わずスマーフォンのシャッターを押してしまいます。そんな感覚を海の中に持ち込むだけで綺麗な水中写真が簡単に撮影できます。もちろんスマートフォンを海水から守る防水ケースは必要ですが、数千円から購入でき、低予算で水中写真撮影を楽しめるのが魅力です。
 スマートフォンの新機種が発表されるたびに、それに合わせた新しいハウジングが発表されています。それだけに旧機種用の防水ケースはより安価に購入できます。使わずに残っているひと世代前のスマートフォンにフィットするケースが見つかったらラッキーですね。

用途に合わせとケースをチョイス

防水ケースはバッグタイプとハードケースタイプの二種類があります。バッグタイプはスマートフォンのメーカーや機種に幅広く対応すること、500円から2000円と安価なことが利点です。ただ、水圧が直接スマートフォンにかかるので、ハードケースタイプに比べて、操作性や水深に関して不利です。コンパクトなのでプールやシュノーケリング、砂浜などでの防塵用途にはオススメです。

オススメはハードケースタイプ、40m防水以上

ハードケースタイプ。水深100m防水


  体験ダイビングでは、水深12mまでの潜水が一般的ですが、防水ケースを購入するなら40m防水以上のものをお勧めします。本格的なダイビングをはじめたら、20m-30mは普通に潜るようになります。その時に、シャッターを切れずに悔しい思いをするのは嫌ですよね。防水機器に表示されているIPX値は、防水・防塵性能がどの程度であるかを示すもので、水中での操作性とは関係なく、その値だけで判断するのは禁物です。

ハウジング選びのポイントは、防水性能、使い勝手、拡張性

ハードケースタイプは本格的な水中カメラ用の防水カメラケース(ハウジング)と同じ材質やパーツで作られているものが多く、防水性が高く、操作性に優れています。価格は5000円〜60000円。20m〜100mと防水能力にもバリエーションがあります。カメラ・ハウジング選びのポイントは、防水性能、使い勝手、拡張性です。

操作ボタンも本格的。ハウジング内部下部に貼り付けた紙切れ(赤字)はお菓子用の乾燥剤


  ハードケースタイプは、カメラメーカーが販売しているハウジングに使用されているものと同様のプシュボタンが付いているので、操作性に優れています。シャッターが確実に切れるのはもちろん、水中で電源のオン・オフ、ズーム、自撮りカメラへの切り替えできるもあります。

拡張性もケース選びのポイント

フル装備した「スマホ水中カメラ」


 水中撮影に慣れてくると、取り回しの良いグリップや水中ライトを取り付けたくなるものです。そうした付属品も販売しているか購入時に確かめると良いでしょう。もしそのメーカーが販売していなくても、ハウジングにネジ穴があれば、カメラメーカーや水中機器メーカーの機材が利用できます。最低、ハウジングの上部と底の両方にネジ穴のあるものを選びましょう。

ハウジングを購入したら、まず点検

防水の要Oリング。傷がないか点検しよう


ハウジングを購入したら、まず水漏れしないかの点検です。裏ブタを開け、ゴムの防水パッキン(Oリング)の点検から始めます。キズがないか、ホコリや髪の毛などが付着していないか確かめましょう。問題がなければ付属のシリコン・グリースをOリングの表面に少量塗り伸ばします。グリースは、Oリングの滑りを良くするためなので、全体的に濡れた感じになればOKです。本体や裏蓋にも傷や付着物がないか確かめたらスマートフォンを入れずに閉じ、お風呂などに沈めて水漏れしていないか確認します。

ハウジングにスマホを入れたら準備OK

ホコリや髪の毛が付着していないか注意を。スマホの充電状態の確認も


Oリングをグリスアップして、完全充電したスマートフォンをセットします。小さな吸湿剤(シリカゲル)を入れておくとハウジング内の曇り防止に役立ちます。準備ができたら念の為、試し撮りをします。ダイビングポイントまでの移動時は、カメラにタオルをかけて遮光し、日陰に置くよう気をつけましょう。日向に置くと防水ケース内部の温度が高くなり、潜水した時、冷たい海水との温度差でレンズが曇ってしまうことがあります。

ジックリと観察、そしてバシバシ撮りまくろう

サンゴ礁の隙間から顔をのぞかせるウツボ。IPhone7で撮影

とても小さなミナミギンポ。トリミングで拡大。IPhone7で撮影


   スマホ写真に限らず、素敵な写真を撮るコツは、数多く撮ることです。水中でユラユラ浮かびながら、素早く動き回る魚を捉えることは、いくら高性能なスマートフォンのカメラでも至難の技です。初めは、ウミウシなど動きの遅い被写体がベスト。それでも、触覚を伸ばしたり、引っ込めたりと、じっくりと観察していると様々な姿を目せてくれます。被写体からの距離を変えたり、上から、横から、下からと、アングルをいろいろ変えてみたりと、数多く撮ってみましょう。警戒心の強いクマノミも、しばらくジッと観察していると落ち着き、とても可愛い表情を見せてくれます。そうなれば、こっちのものバシバシ数多く撮りまくってください。中にお気に入りの一枚が見つかるはずです。

クマノミのカップル。こちらを向くまで我慢。IPhone7で撮影

水中ライトで鮮やか色合いをゲット

水中ムービーライトで鮮やかな色合いを再現する


海中は青い世界と言われますが、その原因は、海水が太陽光線に含まれる波長の長い成分から吸収していくためです。たった水深2mで赤色が弱くなります。水中写真の撮影で明るい所でもストロボやライトを使うのは、鮮やかな被写体の色を再現するためです。水中ライトも近年廉価のものが登場しています。1000ルーメンもある明るいムービーライトが1万円程度から手に入るようになりました。光線が広がるタイプのライトを選ぶと写真の周辺まで明るく撮れるので効果的です。注意したいのは、いくら明るい照明を使っても、被写体から離れると水の層が厚くなり赤色が減衰します。できるだけ近寄って撮影するのが、良い色を出すコツです。

サメが追いかけているパイロットフィシュは鮮やかな黄色が出ているが、少し離れたダイバーは色合いが乏しい

スマホカメラ、プロも驚く動画性能。構図を選んでキャプチャーしよう

マンタ接近。IPhone7で撮影した動画からキャプチャーしたもの


どうしてもピンボケになって困っている方に、失敗しないスマホ写真の裏ワザを一つご紹介しましょう。スマホカメラ、特にiPhoneの動画性能は映像作家も高く評価しています。動画では連続して被写体を追いかけています。その中からベストな瞬間をキャプチャーすれば、構図もピントも満足のいく1枚が出来上がります。画質もウェブ掲載写真なら十分ではないでしょうか。

動画撮影は短く、数多く撮るのがオススメ

動画を編集するにも、静止画写真としてキャプチャーするにも、短く、数多く撮影しておくと便利です。飽きのこない動画の長さは15秒〜30秒程度。ワンショットの長さは数秒と言われています。TVのCMもだいたいそんな作りになっています。撮影時もワンショット10秒程度とし、こまめに様々なアングルやポジションで撮影すると変化に富んだ作品につながります。

ちょっとしたお手入れで、グット長持ち

ダイビングを終えてショップに戻ってきたら、水中カメラを水槽に放り込んでおしまいというダイバーをよく見かけます。水槽につけておくだけでは塩は抜けず、後で固まって、浸水の原因になります。真水で海水を流したら、よく拭き取り、スマホを取り出してから、もう一度蓋を閉め、真水の中でプシュボタンを数回押して、プシュボタンの中に溜まった海水を洗い流します。ちょっとしたお手入れが機材の長持ちにつながります。

ビーチリゾートは、プールに海に、地上同様インスタ映えするスポットが一杯です。防水ケースでドレスアップしたスマートフォンで、素敵な水中シーンを披露しませんか。

(文・写真:水中写真家・大谷徳幸)

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