遺伝だとあきらめないで!外反母趾の原因と予防法

2019-03-13

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はじめに

足の母趾のつけ根が膨らんで変形する外反母趾は女性に多く、ひどくなると痛みで靴が履けなかったり歩けなかったりと強い炎症を起こして日常生活に大きな支障をきたすことがあります。
家族に外反母趾の方がいると兄妹や子どもも発症することが多く遺伝要素もありますが、足の機能や環境を改善することで症状を軽減したり予防したりすることができます。
そこで今回は、外反母趾について原因や治療および予防法を詳しく解説していきます。

外反母趾とは?

足には5本の趾がありますが皮膚上から見える趾のつけ根と違い、さらに足関節(足首)に近い部分から5本それぞれの骨に分かれています。
足の甲のあたりに位置する5本の骨を中足骨といい、皮膚上で見える趾のつけ根から趾先に向かって基節骨、中節骨、末節骨と続いています。
持って生まれた骨格やその後の環境によって母趾の中足骨と基節骨が「くの字」になり、母趾のつけ根が飛び出したように見える状態を「外反母趾」と言います。
関節がまっすぐでなく曲がった状態になるので歩くことで炎症を起こしたり、飛び出した部分が靴に当たることで炎症を起こしやすくなってしまいます。

外反母趾の原因

外反母趾の主な原因をご紹介します。

■窮屈な靴による外力
つま先が細くなった靴を頻繁に履いていると、母趾は常に外反する(趾先が示趾(人差し指)の方に向かう)ように圧迫されることになります。
さらにハイヒールになると傾斜がついてつま先に体重がかかりやすくなるのでさらに外反しやすくなってしまいます。

■母趾が示趾よりも長い
足部の骨格は人によって異なり、母趾が一番長い方や母趾よりも示趾が長い方がおられます。
歩いたり走ったりするときには一番長くなっている趾に最も圧がかかることになるので、母趾が示趾よりも長い方は外反母趾になりやすくなる傾向があります。

■偏平足
足部の内側には「土踏まず」と呼ばれる縦のアーチがあり、そのアーチが少なく足の裏が下がっている状態を「偏平足」と言います。
その他にも、足部には横にも多少の丸みがあり横のアーチを構成しています。
アーチが少ないと足部がつぶれて足趾が横に拡がることになるので、母趾の中足骨がより内側に向いた状態になり、それを戻すように基節骨が外側を向き外反母趾が出来上がります。
また足部に丸みがあることで足にかかる衝撃を吸収することができますが、足部のアーチが少ないと衝撃吸収の機能が低下してしまいます。
足部での衝撃吸収が上手くできないと指先にかかる衝撃が強くなるため、余計に外反母趾が強まります。

このような母趾と示趾の関係や偏平足など骨格の問題は遺伝傾向があるので、外反母趾にも遺伝傾向がある原因となります。

■足部の筋力低下
足部には足趾を動かす筋肉やアーチを保持するための筋肉があります。
それらの筋肉が必要に応じて働くことで衝撃吸収や地面を蹴る働きをしていますが、座ってばかりの生活などで習慣的に歩行距離が少ないと足部の筋力低下を起こしやすくなり、足部機能が低下して外反母趾になりやすくなってしまいます。

肥満
足部の筋力やアーチの状態がよく足部機能が高かったとしても、体重過多になってしまうと足部にかかる重さが増えてしまいます。
アーチがつぶれやすく筋力も追いつかなくなってしまうため、外反母趾になりやすくなってしまいます。

外反母趾の治療法

外反母趾の治療法は大きく分けて手術療法と手術をすることなく痛みを改善していく保存療法に分けられます。

■手術療法
外科的手術によって外反母趾の骨格自体を矯正する方法です。
中足骨を切り、軸を修正するという方法を行います。
レントゲン上で外反角度が非常に強く、痛みなどを中心とした日常生活への支障が大きい上にその他の保存療法を行っても改善が見られない場合に選択されます。

■薬物療法
外反母趾で最も問題となるのは、母趾の内側の痛みです。
靴などが当たって圧迫されることで痛みがあることもあれば、安静にしていても強い痛みを伴うことがあります。
痛みの原因は多くが患部の炎症なので、痛みを抑えるために消炎鎮痛剤を使用することがあります。

■テーピングやサポーター
外反母趾を矯正するために、母趾を内側に引っ張るようなサポーターやテーピング、母趾と示趾の間にクッションを入れるような器具があります。
このように外反を矯正することで炎症が落ち着いたり、多少外反が抑制されることもあります。

■ハイヒールを履かない
ハイヒールを履くと外反が助長される上に、患部への圧迫がかかり余計に炎症を引き起こしてしまう可能性があります。
外反母趾の要素がある方は、痛みの有無にかかわらずできるだけハイヒールを履かないようにすることがおすすめです。

外反母趾の予防法

ご家族に外反母趾の方がおられても、足部の機能や環境を整えることで予防することができますので、その予防法をご紹介します。
予防だけでなく、軽度の外反母趾では症状の改善にもつながることがあります。

■足趾の運動
足趾はあまり意識して動かすことがないため、動きの悪い方が非常に多いです。
外反母趾予防のためには、特に母趾を横に開く動きが重要です。
母趾と示趾を離して横に開く動きを中心に、グーチョキパーなど意識的に足趾を動かすようにしましょう。

■タオルギャザー
足部のアーチは元々の骨格による要素もありますが、半分は足部の筋肉によって左右されていますので、足部のトレーニングによって偏平足をある程度改善することができます。
濡らしたフェイスタオルを床に置いて片方の端に足趾がかかるように足を置き、足趾の屈伸を繰り返しながらタオルを引き寄せていく運動を行いましょう。
足部のアーチを作るように意識しながら行うとより効果的です。

■カーフレイズ
足趾運動やタオルギャザーを活かしながら、より実践的に筋力を鍛える運動を行います。
骨盤の幅に両足を開いて立ち、つま先が進行方向になるようにまっすぐし、ゆっくりとつま先立ちと下ろす動きを繰り返します。
つま先立ちによって患部に痛みを伴うときは無理をしないようにしましょう。

■足に合った靴でしっかり歩く
外反母趾の原因として歩行量の減少による足部機能の低下があります。
足に合ったスニーカーなどの靴でしっかりと歩き、足部の機能を保つことが外反母趾の予防につながります。

おわりに

今回は外反母趾について原因や治療法、予防法をご紹介しました。
外反母趾が強く期間が長くなってから改善することは難しいので、早い段階で軽度のうちに対処し、快適に日常生活が送れるようにご自分の足を注意して観察してみてください。

■プロフィール

監修:いきいき100歳応援中(理学療法士)
専門:整形外科疾患、介護予防分野

自己紹介
二児の母でもある理学療法士。整形外科疾患、介護予防分野を専門とし、病院勤務の傍ら健康や医療に関する記事を執筆している。

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