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腰痛を自分で治すためのストレッチ5選

2019-03-14

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はじめに

急激に起こるぎっくり腰から慢性的な腰痛まで、なんらかの腰痛を経験したことのある方は多いと思います。
すぐに整形外科などの病院を受診して治療を受ける方もおられますが、病院に行くほどではないといった理由や仕事でなかなか病院に行けないといった理由で自宅で様子を見ている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、腰痛についてその種類と原因、自宅でできる腰痛のためのおすすめのストレッチをご紹介します。

腰痛を伴う主な疾患

腰痛には色々な種類がありますので、まずは腰痛を伴う主な疾患をご紹介します。

■急性腰痛
強い腰痛がある時点から急激に発症するものをいいます。
重い物を持ち上げようとしたときや腰をひねった時など明らかな原因がある場合と、朝起きたら突然動けないほどの痛みを感じたなど原因がはっきりわからない場合があります。
腰部の関節、靱帯、椎間板、筋肉など傷めている部位は様々ですが、このように急に痛みがでた場合には患部に炎症があることが多いので、痛みがでる動作や姿勢はなるべく避け、数日間はできるだけ安静にすることが大切です。

■筋筋膜性腰痛
腰周囲の筋肉や筋肉を覆っている筋膜に痛みを生じているものをいいます。
いつも以上に腰に負担をかけて筋肉が炎症を起こしているものや、日々の積み重ねで筋肉が疲労を起こしたり、筋肉が凝って痛みをだしている慢性的なものなどがあります。

■腰椎椎間板ヘルニア
背骨一つひとつの間にはクッションの役割をする「椎間板」という水分を含む組織があります。
重たい物を持ったり、腰の曲げ伸ばしの繰り返しによって背骨に過剰な圧がかかると間にある椎間板がつぶされて押し出されてしまいます。
このような状態を「ヘルニア」といい、ヘルニアを生じている部位の痛みや足の痺れおよび痛みを伴うことがあります。

■腰部脊柱管狭窄症
背骨の後方には神経の束である脊髄の通り道となる「脊柱管」というトンネルが背骨に沿って存在します。
加齢や腰への負担の繰り返しによって脊柱管の周りにある骨が変形したり靭帯が肥厚したりすると、脊柱管が細くなってしまい神経を圧迫してしまうことがあります。
これを「腰部脊柱管狭窄症」といい、腰痛や足の痺れおよび痛みを伴うことがあります。
特に歩行を続けることで徐々に足に痛みがでて歩けなくなる「間欠性跛行」は腰部脊柱管狭窄症の特徴的な症状です。

■腰椎分離症、すべり症
まだ骨が未熟である10代の成長期に腰を反ったり捻ったりすることの多いスポーツ競技の練習を過度に行うことで、脊椎の細くなっている部分(椎弓)が折れて連続性を絶たれてしまうことがあります。
これを「腰椎分離症」といい、多くの場合腰痛を伴います。
また、腰椎分離症の状態からさらに進行すると分離した脊椎(椎体部分)が前方に滑り出して背骨の並びから外れてしまうことがあります。
これを「腰椎すべり症」といい、腰痛だけでなく周りの神経を圧迫して足の痺れや痛みなどに発展してしまうことがあります。

■変形性脊椎症
加齢や過度の腰への負担によって、背骨一つひとつの形が徐々に変形してくることがあります。
これを「変形性脊椎症」といい、変形が進行すると可動域が狭くなったり、動きにともなう腰痛を生じることがあります。

■腰椎圧迫骨折
高齢者が転倒して尻もちをついた際に多く起こる骨折です。
尻もちをつくことで背骨に縦方向の負荷がかかり、背骨のいくつかが上下につぶれてしまいます。
これを「腰椎圧迫骨折」といい、骨密度の低下している高齢者では何の気なしにいすに座った衝撃だけで起こってしまうこともあります。
骨折した部位の痛みとともに周囲の神経にも影響がおよび足の痺れや痛みをともなうこともあります。

腰痛の原因

腰痛には様々な種類がありますが、これからあげるいくつかの原因を予防しておくことで多くの腰痛は予防することができます。

■柔軟性不足
腰痛の原因として身体の柔軟性が不足していることがあげられます。
例えば、前かがみの動作やしゃがむ動作などで下半身の柔軟性が十分であれば、股関節や膝関節、足関節、腰の動きを使ってバランスよく動作をすることになりますが、下半身の柔軟性が不足していると下半身の動きが小さくなり、その分腰を大きく動かさなくてはならなくなります。
そういったバランスの崩れた動きが日々続くことで腰への負担がたまり、腰痛を引き起こすことになります。

■筋力不足
腰痛には筋力も大きく関与してきます。
重たいものを持ち上げたりする際に、下半身の筋力がしっかりしていればそれほど負担にはならないことも、筋力が弱いと腰の筋肉にも負担がかかってくることになります。
また、前かがみや腰を反らすといった動作では自分の上半身の重さを腹筋や背筋といった体幹部の筋肉で支えることになります。
体幹部の筋力が弱かったり、腹筋と背筋の筋力がアンバランスになっているとどちらかに負担がかかり、ふとした動作で腰痛を引き起こすことになります。

■腰への過度な負担
仕事や趣味で同じような動作を繰り返したり、重たいものを絶えず持ち上げたり運んだりするようなことが繰り返されると腰の筋肉が疲労を起こし、腰痛を起こしやすくなってしまいます。
同じような負担のかかる動作は間をあけて行うことが好ましく、それでもやむを得ず負担がかかるときには、負担のかかる筋肉を毎日しっかりとストレッチすること、腰や下半身の筋力をしっかりとつけておくことなどを心がけてください。

■骨密度の低下
加齢に伴い、私たちの骨密度は徐々に低下していきます。
骨密度が低下すると、変形性脊椎症や腰椎圧迫骨折のリスクが高くなってしまいます。
逆に同じ作業をしたり、尻もちをつくようなことがあっても骨密度が保たれている方は腰痛を発症するリスクが軽減できます。
骨密度を維持するためには、ウォーキングや筋トレといった適度な運動とカルシウムやビタミンを豊富に含む食事を摂取することが大切です。

■不慮の事故
柔軟性、筋力、骨密度などさまざまなことを気をつけていても不慮の事故で腰痛を発症してしまうことがあります。
それでも前に述べた様々な点に気をつけている方のほうが、そうでない方に比べて腰痛の治りも早い傾向にあります。

腰痛におすすめのストレッチ5選

腰痛の原因の一つである柔軟性不足を改善するためには普段から筋肉をゆっくりと伸張するストレッチを行うことがおすすめです。
ここでは、腰痛を治すためにおすすめのストレッチをご紹介します。

■お尻のストレッチ
お尻にある筋肉の中で最も大きい大臀筋の柔軟性を高めることで股関節が曲がりやすくなります。

1. 床の上に仰向けに寝ます。
2. 片方の股関節と膝関節が90度になるように足を浮かして曲げ、反対の足はあぐらをかくように浮かした足の太ももに引っ掛けます(自分から見える両足が4の字を描くようになります)。
3. 90度に曲げた方の足の太もも裏を両手で抱え、自分の体に引き付けるように引っ張ります。
4. 引っ掛けた方のお尻に伸張感を感じたらその肢位で静止します。
5. 左右の足を反対にして行います。

■太もも裏のストレッチ
太ももの裏はハムストリングスという大きな筋肉があります。
ハムストリングスが柔軟になると前かがみの可動域が大きくなります。

1. 床の上で両足を開脚して座ります。
2. ストレッチする方の膝は伸ばしたまま、反対の足は曲げて伸ばした方の太ももの内側につけるようにします。
3. ストレッチする方の足に向けて上半身を倒し、伸ばした方のつま先を触るように両手を伸ばします。
4. 太ももの裏に伸張感が感じられたら、その肢位で静止します。
5. 左右の足を反対にして行います。

■太もも前面のストレッチ
太もも前には大腿四頭筋という大きな筋肉があります。
大腿四頭筋の柔軟性を高めることで反り腰が矯正されたり、身体を反らしやすくなります。

1.仰向けに寝て片側の足だけ正座をするように曲げます。
2.曲げた方の膝が外に開かないように注意して、太ももの前側に伸張感が感じられたら静止します。
3.左右の足を反対にして行います。
身体が硬く、仰向けのやり方が難しい場合はうつ伏せに寝て、片側の膝をできる限り曲げて足先を手で持つようにします。

■足のつけ根のストレッチ
足のつけ根(股関節の前側)には腸腰筋という筋肉があります。
腸腰筋の柔軟性を高めることで反り腰が矯正されたり、身体を反らしやすくなります。

1.足を前後に開いて立ち、後ろの足は膝とつま先が床につくように、前の足は膝を適度に曲げて足の裏のみが床につくように腰を落とします。
2.前になった膝に両手をつき、上半身は前に倒れないように床と垂直を維持しながらゆっくりと重心を前に移動します。
3.後ろになった足のつけ根に伸張感が感じられたら、その肢位で静止します。
4.左右の足を反対にして行います。

■腰のストレッチ
背部全体に広がる広背筋背骨の両側に沿う脊柱起立筋などのストレッチです。
筋肉由来の腰痛では、硬くなっている腰の筋肉を直接伸ばすことができます。

1.膝を伸ばして仰向けに寝ます。
2.右足を曲げながら左足の向こう側に足を持って行き、ゆっくりと腰を捻ります。
3.左手で右膝の外側を軽く押さえて、腰に伸張感が感じられたらその姿勢で静止します。
4.左右の足を反対にして行います。

おわりに

今回は、腰痛について腰痛を伴う代表的な疾患と原因、そして腰痛を治すために自分で行うことのできるストレッチをご紹介しました。
腰痛を治すためには、自分の身体や生活スタイルの特徴から腰痛の原因を明らかにすることが大切です。
今回の内容を参考にしていただいたうえで、腰に優しい身体や環境づくりに役立てていただけたらと思います。

■プロフィール

監修:いきいき100歳応援中(理学療法士)
専門:整形外科疾患、介護予防分野

自己紹介
二児の母でもある理学療法士。整形外科疾患、介護予防分野を専門とし、病院勤務の傍ら健康や医療に関する記事を執筆している。

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