骨盤矯正するメリットは?その効果と方法

2019-03-14

関連キーワード

はじめに

前から姿勢のゆがみが気になっている、産後骨盤がゆがんだ気がする、腰痛肩こりがなかなか治らないなど姿勢に関した悩み事がある方は多いのではないでしょうか。
また自覚症状はなくても骨盤がゆがんでいるという方はたくさんおられ、骨盤を矯正することで腰痛などの痛みが改善するだけでなく、身体が軽くなったり、体重が落ちたという方がおられます。
そこで今回は骨盤とはどんな構造をしているのか、そして骨盤矯正を行うメリットやご自分でできる骨盤矯正についてご紹介していきます。

骨盤の構造

骨盤は私たちの体のちょうど中心にあり、背骨(脊柱)の下かつ足の骨(大腿骨)の上にある大きな骨の集合体をさします。
ウエストの両側で体表から触れることのできる「腸骨」という大きな蝶形をした骨、椅子に座った時にお尻の下で触れることのできる「坐骨」、陰部やや上方で触れることのできる「恥骨」の3つが一体化して「寛骨」という骨となっているのに加え、背骨の下端にある逆三角形の「仙骨」、その下端にある小さな「尾骨」を合わせて骨盤を構成しています。
仙骨と寛骨の間は靱帯で連結していますが、腰の動きに伴って多少の動きを持ち、「仙腸関節」として機能しています。

仙骨を身体の後ろから見た時に三角形がまっすぐになっていなかったり、左右の腸骨の高さが同じでないと「骨盤がゆがんでいる」ということが多いですが、そのような状態で腰の運動を行うと骨盤が左右非対称な状態で動くことになります。
その結果、左右どちらかの仙腸関節や骨盤周囲の筋肉に負担がかかり、腰痛骨盤周囲痛を引き起こす原因となります。

骨盤矯正とは?

骨盤矯正」とは、骨盤を左右対称かつ身体を効率よく動かすことのできる正しい位置に整えることを言います。
その方法はいくつもありますので、自分が快適かつ効果を感じる方法を継続して行えばよいということになります。

一つ目は、骨盤矯正グッズを使用する方法です。
座るだけで骨盤を正しい位置にしてくれる座椅子や骨盤をよい位置に固定する骨盤矯正ベルトなどがあります。
最初になんらかのグッズを購入する必要はありますが、効果を感じることができて快適に生活できるのであれば継続的な費用はかからず、乗るだけ着けるだけでいいので最も継続しやすい方法とも言えます。

二つ目は、骨盤体操など自分で骨盤を動かしたり骨盤周囲の筋肉に刺激を与える方法です。
正しい手技を得ることができれば費用は全くかからないので経済的ですが、モチベーションの継続と自分自身の身体の変化を感じながら行うことができるかどうかが最大のポイントとなります。
骨盤矯正の方法の中で最も自分自身の筋肉を使って行う方法なので、一度矯正できたらよい状態を維持しやすいというメリットがあります。

三つ目は、整体や治療院などで第三者に施術してもらう方法です。
専門知識のある方が骨盤のゆがみをチェックした上で、必要な施術を行ってくれるので自身の努力は特に必要としませんが、継続的に費用がかかること、他者が骨盤を操作するということで他の方法に比べると自分には合わないなと思う場合もでてきやすいという点もあります。

骨盤矯正のメリット

骨盤矯正を行うことは全身に対して多くのメリットがありますのでご紹介します。

■姿勢改善
骨盤矯正を行うと骨盤の位置が左右対称になり、骨盤の前後の傾きも整います。
そうすることで姿勢全体が左右対称になりやすくなるだけでなく、反り腰や猫背などの不良姿勢も修正され、正しい姿勢にすることができます。

腰痛肩こりの改善
骨盤矯正によって姿勢が修正されると、関節への負担や過剰な筋肉の緊張も緩和するので腰痛肩こりが改善します。

■冷えやむくみ、便秘の改善
骨盤矯正によって骨盤の位置が整うと、周囲の筋肉の緊張や内臓の位置も変化します。
そうすることで血流やリンパの流れなど循環がよくなり冷えやむくみ、便秘、生理痛などの慢性的な症状の改善につながります。

■ダイエット効果
骨盤が矯正されると血流だけでなく骨盤周囲の筋肉の働きもよくなるため、代謝がよくなり太りにくい体質につながります。
また、骨盤周囲が動きやすくなることでお腹周りの脂肪燃焼にもつながり、ウエストダウンやヒップアップの効果も期待できます。

■スポーツパフォーマンス向上
骨盤を矯正することで身体の中心である骨盤の位置が安定し、体幹部全体の安定につながります。
また、骨盤が安定することで手足が動かしやすくなったり筋力も発揮しやすくなり、スポーツ競技におけるパフォーマンス向上につながります。
スポーツ競技に関わらず、日常生活においても重たいものを持ち上げる際に力が入りやすくなったり、しゃがみや前かがみがしやすくなるといった効果があります。

自宅でできる骨盤のゆがみチェックと骨盤矯正

まずは自分の骨盤のゆがみの程度をチェックしてみたい、自分でできる骨盤矯正から試してみたいという方のために、チェック法と簡単な骨盤矯正方法をご紹介します。

■まずは鏡の前で骨盤のゆがみをチェック!
まずは全身が映し出される鏡の前、もしくは窓ガラスなどの前で両足をそろえて立ちます。
お腹の両側に左右の指を引っかけ、ゆっくりと下に滑らせていくと骨盤の骨にあたって止まるところがあります。
そこが「腸骨稜」と呼ばれる部位であり、左右の腸骨稜の高さが決まったら鏡で左右の高さに差がないか確認してみてください。
これで差があるということは、骨盤が左右に傾いているということになります。

次に、先ほど触れた腸骨稜から骨盤の骨に沿って斜め下前方に指を滑らせていくとすとんと骨が落ちるところで骨の突起に触れる部分があり、これを「上前腸骨棘」と言います。
腸骨稜の高さがさほど変わらないのに、上前腸骨棘の高さが大きく左右で異なっている場合には、骨盤の前後傾に左右差があるということになります。
ハードル走や跳躍系の競技などでいつも同じ足で踏み切ってジャンプを繰り返している方や、座った時にいつも同じ側の足を上にして組むことが多い方はこういったゆがみが生じやすくなります。

■ローリング
骨盤の前後傾に左右差がある(上前腸骨棘の高さに左右差がある)場合に整えるエクササイズです。

1. 両膝を立てて仰向けに寝ます。
2. 両膝はくっつけておき、左右交互にゆっくり膝を倒してみます。
3. 何度か行った上で倒しにくい側が多くなるように繰り返し倒します。
4. 左右の倒しやすさが同じもしくは差が少なくなったら終了します。

鏡の前でチェックしたときに上前腸骨棘の高さに差があった場合、上前腸骨棘が高くなっている側に倒すのが難しいということが多いかと思います。
初めて行うときは、先ほどのチェックの結果と合うか確認しながら行ってください。
また、倒しにくい側を行うときは倒す側のお尻のやや上方に手のひらを敷いて行うと倒しやすくなるように促すことができます。
腰や手を敷いた部位に痛みがある場合には控えるようにし、手を使わずにゆっくり行ってください。

■坐骨歩き
骨盤が左右に傾いている(腸骨稜の高さに左右差がある)場合に整えるエクササイズです。

1. 床に両足を伸ばして座ります。
2. 背筋を伸ばして軽く骨盤を起こすようにし、左右のお尻の下に敷いた手で坐骨を触れられるか確認します。
3. 坐骨が床の上に立っていることを確認できたら手を外し、骨盤を左右に動かすようにしながら交互に左右の坐骨を持ち上げます。

鏡の前でチェックしたときに腸骨稜の高さに差があった場合、腸骨稜が下がっていた側の骨盤を上げるのが難しいということが多いかと思います。
初めて行うときは、先ほどのチェックの結果と合うか左右の骨盤の動きを確認しながら行ってください。
チェックの結果と合っていた場合には、上げにくい方の骨盤を上げる回数を少し多めに行うようにしてみてください。
また、身体が硬い方で足を伸ばして座るのが難しい場合には、椅子に座った状態で同じように行っても構いません。

骨盤回し
整えた骨盤の周囲の筋肉を使いながら左右同じように動かす練習をするエクササイズです。

1. 骨盤の幅に足を開いて背筋を伸ばして立ちます。
2. 骨盤をゆっくり大きく円を描くように時計回りに回します。
3. 最初よりも回りやすくなってきたら反時計回りも同じように回します。

初めて行うときは、左右どちらの回し方が回しやすいかを確認し、左右差がある場合には回しにくい方を多めに行うようにしてください。

腹式呼吸
整えた骨盤が再びゆがむことのないように骨盤を固定・安定させる筋肉を刺激するエクササイズです。

1.両膝を立てて仰向けに寝ます。
2.3〜5秒かけてゆっくり息を吸い、5〜10秒かけてゆっくり息を吐き切る呼吸を行います。
3.息を吸うときにお腹を膨らめ、息を吐くときにお腹を引っ込めるようにします。
4.この呼吸を5〜10回ほど続けます。

骨盤底筋エクササイズ
腹式呼吸とともに行うことで骨盤の下部を支える骨盤底筋を鍛え、骨盤の安定をさらに強固なものにします。
腹式呼吸に慣れてきたら同時に行えるように練習してみてください。

1. 両膝を立てた状態で仰向けに寝ます。
2. 腹式呼吸で行ったやり方と同じように息をゆっくり吐きながら軽く肛門または女性であれば膣をしめるように意識します。
3. 息を吐ききったら息を吸いながらしめる力をゆっくり抜いていきます。

肛門または膣をしめる力を入れすぎると同時に腹筋にも力が入り、骨盤が後傾してしまいますので、骨盤が動かない程度の優しい力で行ってください。

おわりに

今回は骨盤矯正についてその効果や方法をご紹介しました。
骨盤の左右差や動きはとても微々たるものなので、自分で感じながら整えていくのは最初は難しく感じるかもしれませんが、やっていくうちに徐々に骨盤の動きや違いを感じられるようになってきます。
まずご自分の身体に目を向けるというためにも是非挑戦してみていただきたいと思います。
そして、腰周囲の重篤な痛みや動かしにくさなど気になる症状がある場合には、無理をせず整形外科などを受診するようにしてください。

■プロフィール

監修:いきいき100歳応援中(理学療法士)
専門:整形外科疾患、介護予防分野

自己紹介
二児の母でもある理学療法士。整形外科疾患、介護予防分野を専門とし、病院勤務の傍ら健康や医療に関する記事を執筆している。

    ▲ページトップ