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左足のしびれは大丈夫?しびれの原因と対処法

2019-03-15

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はじめに

「しびれ」とは皮膚の異常な感覚です。
ビリビリするようなしびれもあれば、皮膚を触ったりつねったりしても感覚が鈍く感じるというようなしびれもあります。
正座をして足がビリビリとしびれてしまったことは誰でも一度は経験があると思いますが、通常は数分もすれば感覚が戻ってきます。
一方、正座など考えられる原因もなく長期にわたって足のしびれが続く場合、何かしら身体の不調を考えなければなりません。
そこで今回は、左足がしびれる原因や対処法についてご紹介します。

しびれはなぜ起きる?

まずは、「しびれ」という症状がなぜ起きるのかご説明します。

■神経の圧迫
人間の神経は脳から始まり、脊髄として首から腰にかけて下降し手や足に枝分かれしていきます。
神経がそのどこかで圧迫されてしまうと、そこから先の神経伝達が遮断されてしまうため、圧迫された部位よりも末梢のしびれや運動麻痺が生じることがあります。

■脳の障害
脳は全身の神経のおおもとになる部位です。
脳の細胞の一部が何らかの疾患で障害されると手足など末梢神経にも異常をきたします。
基本的に左脳は右半身を司り、右脳は左半身を司ることになっているので、しびれがでている側の反対側の脳の障害が考えられます。

■血行不良
全身には手足の末端まで血管が張り巡らされており、血液が流れることで身体のすみずみまで酸素と栄養が送られます。
血液を全身に送り出す心臓や血液を運ぶ血管に障害があると、血流が悪くなります。
血流が悪くなると酸素や栄養が不足するため、その部位の神経にも異常をきたすことがあります。
その結果しびれや細胞の壊死を引き起こすことがあります。

左足のしびれの原因となる疾患は?

左足のしびれの原因となる主な疾患をご紹介します。

■腰部疾患
腰部の疾患には、腰痛と同時に足のしびれを生じるものがあります。
「腰椎椎間板ヘルニア」は、腰への過度な負担や腰を支える体幹筋力の低下などで腰椎の間にありクッションの役割をする椎間板が押しつぶされてしまう状態をいいます。
椎間板が押しつぶされて変形すると腰部の神経を圧迫してしまうことがあります。
「腰部脊柱管狭窄症」は加齢や腰への過度な負担によるもので、脊柱管という脊髄の通り道が腰椎の変形や靭帯の肥厚などで狭くなり神経が圧迫されるものです。
「腰椎すべり症」は十代の若者に多く発症し、スポーツ競技の過度な練習により腰を反らしたり捻ることが多いと腰椎の一部が疲労骨折を起こし(腰椎分離症)、そこから腰椎の一部が前方にずれて神経を圧迫してしまうというものです。
いずれも腰椎の左側にでた神経に異常がある場合、左足がしびれるということになり、しびれとともにその部位の筋力低下や反射の消失が起こることがあります。
また、ヘルニアや脊柱管狭窄症は頸椎でも起こりうるもので、頸椎で神経が圧迫された場合には、それ以下の神経が全て圧迫されることになり両側もしくは片側の手足が同時にしびれることがあります。

■坐骨神経痛
坐骨神経は腰部からでて、臀部、大腿後面と続く神経です。
坐骨神経の走行に沿った部位でしびれや痛みがでるものを「坐骨神経痛」といいます。
前に述べた腰部疾患で坐骨神経が障害される場合にも腰部疾患由来の坐骨神経痛ということになりますが、臀部にある梨状筋や大腿後面のハムストリングスが硬くなって坐骨神経の通り道を狭窄してしまうことでも坐骨神経痛を生じることがあります。
左足にしびれがある場合、左側の坐骨神経のどこかが障害されているということになります。

■脳血管障害
脳内の血管が詰まってしまう脳梗塞や脳内の血管が破れて出血する脳出血といった脳血管疾患では、脳の一部の細胞が壊死してしまい、手足にしびれや運動麻痺を起こすことがあります。
左脳は右半身を、右脳は左半身を司っているので、左足にしびれがある場合には右脳に障害があるということになります。
また脳由来のしびれの特徴として足だけでなく手にも症状がでることが多いということがあります。

■閉塞性動脈硬化症
加齢や不規則な生活習慣を続けることで動脈硬化が進むと、血管が細くなり血流が悪くなってきます。
それが足の動脈で起こると足に送られる酸素が不足して、しびれや痛みを生じます。
特に、歩き続けていると徐々に足の痛みやしびれで歩けなくなる「間欠性跛行」が特徴的な症状で、一度座るなどしてしばらく休憩すると症状が緩和されます。
間欠性跛行については腰部脊柱管狭窄症でも同じような症状が生じるため、きちんと見分けて治療をする必要があります。

■糖尿病性末梢神経障害
糖尿病とは、血液内の糖分量(血糖値)をコントロールするインスリンというホルモンの分泌がうまくいかず、血糖値が高くなってしまう疾患です。
遺伝的なものと糖質の摂り過ぎなど生活習慣に由来するものがありますが、症状が悪化すると末梢神経障害をきたすことがあります。
手足の血行が悪くなり、しびれや感覚低下を起こし、ひどくなると壊死を起こすことがあります。

その他にも脳腫瘍、筋委縮性側索硬化症、コンパートメント症候群といった疾患でも足にしびれがでることがあります。

左足のしびれの対処法は?

ここでは自宅でできるしびれの対処法をご紹介します。
原因がはっきりしているものに対して自分で行えるものですが、基本的にはしびれの原因を解明し、その疾患の根本的な治療を行うことが優先になります。
ここでご紹介した対処法を行いながらも必ず病院を受診するようにしてください。

■下半身のストレッチ
筋肉をゆっくりのばすストレッチを行うと、のばした筋肉の周りの血流が促されます。
また、腰部疾患由来のしびれの場合であれば下半身の筋肉が柔軟になると日常生活で腰にかかる負担が減り、坐骨神経痛の場合は臀部や大腿後面の筋肉を柔軟にすることで神経の狭窄が改善するという直接的な効果もあります。

■身体を温める
身体が冷えると全身の血流が悪くなり、しびれが強まる可能性があります。
入浴などで全身を温めるほか、長いパンツを履いたり靴下を履くなど極力足を冷やさないように注意しましょう。

■適度な運動
デスクワークや家に閉じこもってばかりいると運動不足になり、全身の血流が悪くなってしまいます。
腰痛など強い症状があるときの無理は禁物ですが、ウォーキングやラジオ体操、水泳など適度な運動を習慣づけ、血流を促すようにするとしびれの改善に効果的です。

■マッサージ
しびれる部位やそこから中枢に向けてのマッサージもしびれの改善に効果的です。
心地よい程度にゆっくりとマッサージすることで血流が促されるほか、皮膚の感覚が低下している場合にはその部位に優しく触れることで末梢からの刺激が入り、感覚神経を促通する効果も期待できます。

左足のしびれにおすすめのストレッチ

足のしびれを改善するために下半身のストレッチを行うことをご紹介しました。
ここでは、左足のしびれを軽減するための具体的なストレッチ方法をご紹介します。

■ふくらはぎのストレッチ
1.壁など手をつける場所に向かって両手をついて立ち、左足を一歩後ろに引きます。
2.左足はつま先が進行方向を向くようにまっすぐ置き、膝を伸ばした状態で踵が浮いてしまわないぎりぎりのところまで前に身体を倒して壁に体重をかけます。
3.左のふくらはぎの筋肉に伸張感が感じられたら、その肢位で静止します。

■太もも裏のストレッチ
1. 床の上に両足を開脚して座ります。
2. 左の膝は伸ばしたまま、右膝は曲げて左の内ももにつけるようにします。
3. 左足に向けて上半身を倒し、つま先を触るように両手を伸ばします。
4. 左の太ももの裏に伸張感が感じられたら、その肢位で静止します。

■お尻のストレッチ
1. 床の上に仰向けに寝ます。
2. 右足の股関節と膝関節が90度になるように足を浮かして曲げ、左足はあぐらをかくように右足の太ももに引っ掛けます(自分から見える両足が4の字を描くようになります)。
3. 右足の太もも裏を両手で抱え、自分の体に引き付けるように引っ張ります。
4. 左のお尻に伸張感を感じたらその肢位で静止します。

おわりに

今回は、左足のしびれについてその原因と対処法をご紹介しました。
腰部疾患や血流障害によるものであれば、今回の対処法を続けることで改善が見られることも多くありますが、脳由来のものであれば効果がないだけでなく、早急な治療を要する場合があります。
明らかなしびれがあるときは自己判断に任せず、一度病院を受診してしびれの原因をはっきりさせるようにしてください。

■プロフィール

監修:いきいき100歳応援中(理学療法士)
専門:整形外科疾患、介護予防分野

自己紹介
二児の母でもある理学療法士。整形外科疾患、介護予防分野を専門とし、病院勤務の傍ら健康や医療に関する記事を執筆している。

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