膝の内側が痛い!考えられる原因と対処法

2019-03-17

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はじめに

膝の痛みは老若男女問わず経験したことのある方が多いと思います。
しゃがむと痛い、階段を上がるときに痛いなどそれぞれ痛みがありながらも日常生活に困るほどではないからと病院などに行かず様子を見ていることも多いと思います。
今回は、膝の痛みの中でも多い膝の内側の痛みについて考えられる原因と対処法についてご説明します。
ご自身の痛みと比べながら今の状態を少しでも把握し、対処していただければと思います。

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膝の構造

まずは膝関節の構造についてご説明します。

■骨の構造
膝関節は太ももにある大腿骨とすねにある脛骨をつなぐ関節で、専門用語では「大腿脛骨関節」と言います。
この二つの骨が蝶番のように動くことで膝関節の曲げ伸ばしが行われます。
また膝下には脛骨の外側に腓骨という骨が平行に並んでおり、体表から分かるところでは足首の外くるぶしとして触れることができますが、膝関節の動きにはほとんど関与していません。
そして、膝関節の特徴の一つとして「お皿の骨」と呼ばれ「膝蓋骨」という骨があります。
膝蓋骨は大腿骨の前面に位置し、太もも前面にある大きな筋肉である大腿四頭筋の下端につきます。
膝蓋骨の下端からは大腿四頭筋が腱となって脛骨の上端前面にある脛骨粗面という部位につきます。
膝蓋骨は大腿骨の下端に重なるように存在するため大腿骨と「膝蓋大腿関節」と呼ばれる関節を持ち、膝蓋骨は膝関節の曲げ伸ばしに伴って大腿骨の前面を上下にスライドするように動きます。

■靭帯と半月板
膝関節を構成する大腿骨と脛骨の間には半月板という組織があります。
半月板は膝関節面の内側と外側にそれぞれあり、大腿骨と脛骨が直接あたってすり減らないようにクッションのような役割をしています。
また、膝関節には内側側副靭帯、外側側副靭帯、前十字靭帯、後十字靭帯という大きな4つの靭帯があります。
靭帯は伸縮性の少ない組織で、関節をまたいで二つの骨に付着することで関節が外れず安定するように止めておくバンドのような役割をしています。
内側側副靭帯は膝関節の内側に、外側側副靭帯は膝関節の外側に、前後十字靭帯と後十字靭帯は膝関節の中に大腿骨と脛骨または腓骨をつなぐ形で付着しています。

■膝関節周囲の筋肉
膝関節の周りには膝関節を動かすために必要な筋肉が複数あります。
太もも前面にある大きな筋肉は「大腿四頭筋」といい、立ち上がるなど膝関節を伸ばす際に大きな力を発揮します。
太もも後面にある大きな筋肉は「ハムストリングス(大腿二頭筋)」といい、膝関節を曲げる作用を持ちます。
また膝の裏には「膝窩筋」という小さな筋肉があり、膝関節を曲げることに作用しています。

膝の内側が痛い原因となる主な疾患

膝関節の内側の痛みの原因となる主な疾患についてご紹介します。

■変形性膝関節症
変形性膝関節症は加齢に伴う疾患で、長年歩行や曲げ伸ばしなどで負担をかけ続けた結果徐々に大腿骨や脛骨の関節面がすり減り、骨や軟骨が変形してくるというものです。
変形が進行すると膝関節の痛みを伴ったり、曲げ伸ばしの可動域が制限されてきてしまいます。
変形性膝関節症の主な原因としては、歩きすぎや重労働、過体重などによる膝への過負荷、関節を支える筋力の不足があり、特に筋力の弱い女性がO脚に変形してくると膝の内側にかかる圧が強くなり、内側の痛みを生じることが多くなります。

■半月板損傷
膝の内側と外側にそれぞれある半月板は、膝に体重がかかっている状態で膝を捻ることで損傷しやすくなり、中でも内側半月板を損傷すると膝の内側に痛みを伴うことになります。
半月板損傷の特徴としては、膝の曲げ伸ばしの一定の角度でロッキング(ひっかかって動かなくなるような症状)が起こったり、クリック音(ひっかかりながらその角度を過ぎるような音)を生じたりすることがあり、それに伴って痛みがでることもあります。
曲げ伸ばしに制限がなくても体重をかけると痛いというのも半月板損傷の一つの特徴です。

■靭帯損傷
膝関節にある4つの靭帯はそれぞれ異なるストレスによって損傷します。
内側側副靭帯、前十字靭帯損傷はジャンプ着地や走行中など体重がかかった状態で膝が内側に入るような捻り方をしたときに損傷することが多く、これら二つの靭帯を同時に損傷することもあります。
中でも内側側副靭帯を損傷すると膝の内側に痛みを伴います。
靭帯全体が完全に切れてしまう「完全断裂」と靭帯の一部がほころびるように断裂してしまう「部分断裂」など程度はさまざまですが、損傷時には関節ががくっと外れるような感じや強い痛みを伴います。
損傷の程度が強い場合には、炎症が落ち着いてからも歩行時にがくがくするような不安定性を覚えて日常生活に支障をきたすこともあります。

■鵞足炎
膝関節内側のやや下方に「鵞足」と呼ばれる部位があります。
鵞足は、半腱様筋、縫工筋、薄筋という大腿部から膝関節に向かって走行する3つの筋肉全ての付着部になっており、スポーツ競技のやりすぎや膝が内側に入るような動作の繰り返しによって炎症を起こすことがあります。
3つの筋肉の共通の作用である膝を曲げるように力を入れたときや荷重した際に痛みを伴うことが特徴です。
鵞足と内側側副靭帯の付着部が近いことから内側側副靭帯の痛みと間違えられることもあります。

■膝蓋骨周囲炎
膝蓋骨の周りに痛みを感じるときには膝蓋骨周囲炎の可能性が考えられます。
膝蓋骨は膝の曲げ伸ばしに伴って上下に動くうえに、立った状態で膝を曲げ伸ばしするときには膝蓋骨に付着している大腿四頭筋の力が強く働き、その収縮によって膝蓋骨が大腿骨の前面に押し付けられるような圧がかかります。
大腿四頭筋の柔軟性や筋力が低下しているとその圧が強くなってくるので、膝蓋大腿関節に炎症を起こすことがあります。
中でも膝が内側に入るような動きが頻繁に繰り返されると、膝蓋大腿関節の内側ばかりに圧が強くなったり、膝蓋骨の内側にある靭帯が引きのばされるような負担がかかり膝蓋骨の内側に痛みを生じるようになります。

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膝の内側が痛いときの対処法

膝の内側に痛みがある際の正しい対処法をご紹介します。

■消炎処置
痛み始め、転倒や捻挫など明らかな受傷機転があるとき、膝に熱感や腫れがあるときは炎症が強いサインですので、炎症を抑えるような対処が必要になります。
氷をビニル袋などにたっぷり入れて氷嚢を作り、関節全体を覆うように患部に直接当てるアイシングを行います。
15~20分ほど冷やしたら、一度氷を外して皮膚の温度が元に戻るまで休憩し、再び冷やします。
炎症が強いときはこの繰り返しをできるだけたくさん行い、ある程度炎症が落ち着いて痛みも軽減してきたら動いたあと、帰宅時、入浴後などを目安に1日に数回行えば十分です。
アイシングに保冷剤を使う方がおられますが、しっかり患部を包み込みにくいことや低温やけどをする可能性があることから氷でのアイシングをおすすめします。
アイシングの他にも、炎症を抑える方法として湿布や消炎鎮痛剤の内服薬などがあり、それらも併用すると効果的ですが、特に強い炎症があるときはしっかりアイシングを行うことが最も効果的です。

■温める
動きはじめや朝起きてしばらくは痛みがあるけれど、動きながら徐々に慣れてくると痛みがなくなってくるというときは、痛みを伴う組織が硬くなっていることがあります。
そういったときは、冷やすのではなく反対に温めることが効果的になります。
入浴したりサポーターを使用するなどして患部を温めてみると、血流がよくなったり組織の温度があがることで柔軟性が高まり、痛みが軽減されます。
痛みのない範囲でのマッサージも組織を柔らかくすることにつながります。

■強い痛みの出る動きは控える
動いているうちに徐々に慣れて痛みがなくなってくる場合は構いませんが、何度行っても変わらない鋭い痛みがある場合にはその動きは控えておくことが大切です。
傷めている組織に負担のかかる動きを行い続けると、組織の修復が遅れ治りにくくなってしまいます。

■痛みの出ない範囲で適度に動く
強い炎症を起こしているときは、数日から1週間程度絶対安静にしている方がよいこともありますが、急性期を過ぎているにもかかわらず必要以上に安静にし続けていると周囲の組織が硬くなってきて動きにくくなったり、血流が悪くなり組織の修復も遅れてしまいます。
患部は日々治ってきていますので痛みのでない範囲で少しずつ動かし、徐々にその範囲や荷重量を増やせるようにしていくとスムーズな経過を追いやすくなります。

■膝を捻らない
膝関節内側の痛みの有無にかかわらず膝関節を安全に使うために大切なポイントは、膝を捻らないということです。
膝関節の正常な動きは曲げ伸ばしのみであり、捻りが加わると半月板や靭帯、腱といった組織を引き伸ばしたり捻る負荷がかかってしまい、損傷しやすくなります。
膝に痛みがあるときにはいつも以上に捻らないように注意して動くことが大切です。

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おわりに

今回は、膝関節の内側の痛みについて考えられる原因と正しい対処法についてご紹介しました。
ご自身の痛みの原因や部位がどこなのか、現在どのような状況なのかを参考にしていただき対処していただければと思いますが、自己判断では難しい場合や自分での対処では経過が思わしくない場合には早めに整形外科を受診していただきたいと思います。

■プロフィール

監修:いきいき100歳応援中(理学療法士)
専門:整形外科疾患、介護予防分野

自己紹介
二児の母でもある理学療法士。整形外科疾患、介護予防分野を専門とし、病院勤務の傍ら健康や医療に関する記事を執筆している。

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