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本来の曼珠沙華は彼岸花ではなく白い天界の伝説の花

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曼珠沙華(マンジュシャゲ)は、彼岸花の別名のひとつです。
曼珠沙華」は、サンスクリット語(梵語)の「赤い」を意味する「manjusaka(マンジュシャカ)」の音にあわせて漢字を当てたものです。

古来より、曼珠沙華は墓地や田んぼの畦などに植えられていて、艶やかで美しい花が群生する姿は美しく見応えがありますが、「死人花」「地獄花」などの異名が数多くある忌み花として、触ってはいけないもの、鑑賞するようなものではないとされてきていました。

昨今、海外での人気もあり、因習も失われてきて、その美しさそのものを愛でるようになって、自宅の庭に植える人も増えてきています。

曼珠沙華」の名前の由来と忌み花とされた理由を振り返るとともに、曼珠沙華の群生が見られる名所をご紹介していきましょう。

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曼珠沙華は白い天界の伝説の花からいつしか赤い花に

「法華経」の序品第一に「曼陀羅華 摩訶曼陀羅華 曼珠沙華 摩訶曼珠沙華 而散仏上」とあります。
「摩訶」は「大きいこと」を意味しているので、「お釈迦さまが説法中に、曼陀羅華と大きな曼陀羅華、曼珠沙華と大きな曼珠沙華が、天から頭上に降り注いだ」ということを意味しています。

この中の「曼陀羅華」も「曼珠沙華」も伝説の天界の花で、曼陀羅華は美妙な花色の薫り高い花で、見る人に喜びを与えてくれ、曼珠沙華は柔らかな花びらの純白の花で、見たものの悪行を払ってくれるとされています。

曼陀羅華も、曼珠沙華も、仏教発祥の地であるインドでは、白を基調とした花とされていましたが、「manjusaka」が「赤い」を意味することもあってか、中国に伝わってから曼珠沙華は赤い花とされるようになったようです。

大小の曼陀羅華・曼珠沙華なので、四種類の蓮華として「四華(しけ)」と呼んで、慶事の前兆として天から降ってくる華とされています。
そこから転じて、曼陀羅華は白い蓮、曼珠沙華は赤い蓮とされていることもあります。

本来は、曼珠沙華も曼陀羅華も天界の伝説の花の名前ですが、曼珠沙華彼岸花の別名として、赤い繊細な花びらの美しい秋の花をさし、曼陀羅華は朝鮮朝顔の別名として、白い大きな朝顔に似た夏の花の名前をさして用いられてきました。

曼珠沙華は有毒な忌み花でも救荒作物

曼珠沙華には、全草にかなり強い毒性を持っていますが、水にしっかり晒すことで、毒を抜いて食用にできることも知られています。

曼珠沙華は中国から日本に持ち込まれた植物で、日本国内で栽培されている曼珠沙華には種ができないため、球根を分球させて植え付けていくことで増やしていきます。
曼珠沙華の強い毒性を利用して、墓地や田んぼを動物にあらされないようにするために、墓地や田んぼの周りに植えられていきました。

曼珠沙華を、飢饉のときに食べる蓄えである救荒作物として、大切な田畑や墓地を動物から守るものとして、大切に守り育てると同時に、有毒植物に近づくことがないようにという戒めから、忌み花とされてきました。

曼珠沙華を忌み花としながらも、天からお釈迦様の上に振ってきた花の名前でも呼んでいることに、先人の深い知恵と思慮・配慮が隠されているように思います。

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曼珠沙華(彼岸花)の群生地で赤く染まる秋を満喫する

曼珠沙華彼岸花)の赤い美しい繊細な花は、もはや忌み嫌われるものではなくなり、現在はその美しさを鑑賞する人が増えています。

かつては全国どこでも彼岸花の群生が見られたことから、秋の風物詩として、彼岸花の群生地を復活させて、守っていく取り組みが、各地で行われるようになってきました。

彼岸花の群生が見られるところも増え始めていますが、何百万本もの彼岸花が群生している姿には、言葉にならない美しさがあります。

巾着田曼珠沙華公園

埼玉県日高市の巾着田には、長い年月をかけて植えられてきた曼珠沙華が500万本にもなり、日本最大級の曼珠沙華の群生地として、毎年多くの人で賑わっています。
清流の傍らや林の中を赤い絨毯を敷き詰めたかのように曼珠沙華が咲き誇る姿の前に、ただただ圧倒されます。

巾着田曼珠沙華公園
埼玉県日高市高麗本郷125-2

ひだか巾着田オフィシャルサイト
http://www.kinchakuda.com/

西武鉄道曼珠沙華特設ページ
https://www.seiburailway.jp/railways/manju/

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矢勝川堤

「ごんぎつね」に代表される童話作家「新美南吉」生誕の地である半田市の、矢勝川堤沿いは、彼岸花が岸辺を真っ赤に染めて咲き誇ります。
常福院の裏手にある高田橋から弘法橋までの矢勝川堤全長2kmに300万本の彼岸花が植えられています。
「ごんぎつね」の中に登場する彼岸花の咲き乱れる風景を再現するために、1990年に地域住民とともに彼岸花の球根を植栽されたものです。

矢勝川堤
〒475-0001
愛知県半田市岩滑西町1-10-1

愛知県公式観光ガイド「半田市矢勝川(彼岸花)」
https://www.aichi-now.jp/spots/detail/209/

権現堂堤

紫陽花だけでなく四季折々の花を楽しむために、平成12年に植栽され、市民ボランティアによって維持管理されて来た曼珠沙華350万本が、土手一面に真っ赤に咲き誇ります。

手間ひまかけて育てられていますが、入場料は現在まで無料になっています。
ゆったりとした時間を美しい曼珠沙華の花とともにじっくりと楽しめます。

権現堂堤
〒340-0103
埼玉県幸手市内国府間887-3

幸手市観光協会曼珠沙華まつりイベント情報
http://www.satte-k.com/event/manjyusyage/index.html

辻ヒガンバナ群生地

広島県の馬洗川に沿うように、約2kmに渡って彼岸花曼珠沙華)が真っ赤に咲き誇ります。
橋のたもとに彼岸花群生地がわかるように看板が建てられています。
中国地方随一と言われる彼岸花曼珠沙華)の群生地です。
町内に他にもいくつも彼岸花の群生しているところが見られます。

辻ヒガンバナ群生地
〒729-4224
広島県三次市吉舎町辻

広島観光ナビ 辻ヒガンバナ群生地
https://www.hiroshima-kankou.com/spot/5540

監修:きなりのすもも
16年前に趣味でバラ栽培をはじめたのをきっかけに、花木、観葉植物多肉植物、ハーブなど常時100種を超える植物を育て、弱った見切り苗や幼苗のリカバリー、一年草扱いされている多年草の多年栽培などに取り組んでいます。

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