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SDGsを意識したコーポレートガバナンスが企業を飛躍させる理由!

2019-04-15

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現在の世界は、企業が利益だけを追求するスタンスは容認しない方向に向いています。
現在の企業は法令遵守はもちろんのこと、社会的意義の確認や活動、持続可能な社会形成をも担うことが求められています。逆を返せば、そのようなことを意識せずに取り組むこともしない企業は、今後淘汰される可能性もあるということです。世界的なゴールであるSDGsを意識したコーポレートガバナンスを作成し、運用することが将来的な企業飛躍になる理由を解説します。

コーポレートガバナンスとは?

コーポレートガバナンスとは「企業統治」と訳される言葉です。企業統治とは、読んで字の如く「企業」を「統治」することですから、一般的には社長をイメージする人が多いのではないでしょうか。もちろん、個人事業主や零細企業ですと、その考えは正解になりますが、一定の規模の株式会社であれば、株主であったり、社外取締役であったりと、多くの利害関係者、すなわち「ステークホルダー」と呼ばれる人たちが企業統治に参画してきます。

企業統治という意味であるコーポレートガバナンスは、企業の不正を見抜き、企業の競争力や中、長期的な経営方針を決める仕組みとしても用いられます。また、企業に投資を行う機関投資家などは、このコーポレートガバナンスの内容を重要視しており、特に近年は国連の提唱するSDGsに則したコーポレートガバナンスを作成しているのか、ということや、株主や投資家といった直接的な利益を提供するステークホルダー以外の利害関係者、つまり社員や地域、そして海外の労働者といった、自社企業に関わる全てのステークホルダーに考慮した企業経営ができているのか、といったことが注目されています。

見かけだけが良いコーポレートガバナンスを作成、公表することで、株主や投資家を呼び込むことは可能です。しかし、短期的な利益のためだけのコーポレートガバナンスに、現在の投資家は振り向こうとはしません。現在、世界で求められている企業は、先述したSDGsに向かう姿勢をみせる企業であり、SDGsの提唱する「持続可能な世界」を実現できるよう、努力している企業なのです。

SDGsは世界的なゴールであり企業も目指さなければならない理由

SDGsは、2015年に国連が定めた、世界が2030年までの達成すべき17のゴールと169のターゲットです。現在、世界中の国や企業、そして個人であっても、このSDGsの提唱する世界を目指し、目標達成に動くことが求められています。

SDGsという言葉は「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」という意味で、世界を持続可能な状態で未来に繋げるために、国連が定めた目標です。現在の世界は、豊さを追求するあまり、多くの犠牲を出していることに、私たち日本人を含め、先進国の人たちは気づいていません。

SDGsの目標の一つに「誰一人として置き去りにしない」というものがあります。この目標の意味は「貧しさに苦しむ人たちを見て見ぬ振りにしない」という意味です。以前、海外で話題になったニュースで、街中に約200円で購入できるモニター付きのTシャツ自販機が現れたが、ほとんどの人がそのTシャツを買わなかった、ということがあります。これには理由があり、その自販機でTシャツを買おうとすると、モニターには、そのTシャツを製造するために、過酷な条件で働く労働者の姿が映し出されるという仕掛けがあったからでした。つまり、先進国で当たり前のように販売されている激安商品というものの裏側には、低賃金、重労働で酷使されている人たちがいるという事実が突きつけられ、人々はそのことにショックを受けてしまったのです。

SDGsでは、このような労働者も含めたステークホルダーへの配慮を企業にも求めています。そして、その動きは一般消費者にも浸透してきているのが現状です。昨今、年を追うごとに、多くの消費者がSDGsに取り組み、持続可能な社会構築に積極的に動いている企業の商品を購入することに意欲を示しています。つまり、ただの安価であるという理由では商品を購入しない、という流れが世界的に顕著になっているということです。

世界は今後、この SDGsをベースとした企業経営を行っている企業に有利な状況になっていくことでしょう。実際にSDGsに則した経営に多くの大手企業が舵を切りはじめています。そして、そのような経営戦略を世間に公表するのがコーポレートガバナンスになります。

将来を見据えたコーポレートガバナンスが企業を強くする

コーポレートガバナンスを作成するにあたり、指標となるのが「コーポレートガバナンスコード」です。このコーポレートガバナンスコードとは、企業がコーポレートガバナンスを実現するにあたっての指標で、2017年に金融庁と東京証券取引所が共同で策定しました。

企業、とりわけ上場企業は、このコーポレートガバナンスコードを原則としたコーポレートガバナンスを作成、実施する必要があります。企業がこの原則に従わなかったからといって、罰則が与えられることはありません。しかし、上場企業に対しては、原則に従わない場合、その理由を説明することが求められています。つまり、罰則はないが、事実上の強制力を行使し、企業にコーポレートガバナンスコードを遵守させるようになっているのです。

コーポレートガバナンスコードでは、企業に中長期的なビジョンを強く求めています。そして、その中長期的な目標の中に、SDGsを意識したサスティナビリティに関連した行動を含めることも強く求めており、短期的な利益だけを求めるのではなく、将来的にも継続的に活動できる、強い企業の誕生を求めています。

現在の企業のコーポレートガバナンスは、単純に企業の不正や企業統治だけを定めたものではありません。より強く、中長期的に利益を出し、持続可能な社会を構築できる存在を作るための仕組みになります。SDGsに則したコーポレートガバナンスを作成することが、今後の企業の生き残りの第一歩となるのは間違い無いでしょう。

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