どうしたらいいの!?ぎっくり腰の治療と予防法

2019-04-18

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はじめに

立ち上がる瞬間や物を持ち上げる瞬間に腰に激痛を伴い、その後動くことが困難になるような状態を一般的に「ぎっくり腰」と言います。
いつもと同じ行動にもかかわらず急に起こることもあり予測が難しく、また大切にぎっくり腰になって動けなくなってしまい困り果ててしまうこともあります。
そこで今回はぎっくり腰とはどのような状態をいうのか、またなってしまったらどのように治療すればよいのか、そしてどうすれば予防することができるのかということについて詳しくご説明します。

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ぎっくり腰とは?

ぎっくり腰は正式には「急性腰痛症」と言い、急に腰に強い痛みを伴うものの総称です。
立ち上がりや腰をかがめた瞬間といった動作だけがきっかけではなく、特別腰に負担をかけた覚えはないのに朝起きたら痛みが強く動けないということもあります。
腰部の構造は腰椎と呼ばれる背骨の骨があり、腰椎の間に椎間板、そして背骨の周りには靭帯や筋肉があります。
急性腰痛症の場合、腰椎本体、関節、椎間板、靭帯、筋肉など痛みを発している部位はいろいろありますが、いずれも強い炎症を起こしています。
そして、急性腰痛症から完治するのか、それとも慢性的な腰痛症につながっていくのか、一旦は治癒しながらも再発を繰り返すのかは治療法やその後の予防の仕方によって異なります。
ですから、時間が経てば治るだろうと思わずきちんと治療を行うことが大切です。

ぎっくり腰の治療法は?

ぎっくり腰になってしまったらどうすればよいのかその治療法をご説明します。

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安静

ぎっくり腰になったばかりの時点では痛みの原因は「炎症」です。
炎症が起きている部位を動かすとさらに炎症が強くなってしまい、いつまでたっても痛みが軽減しません。
特に発症から2~3日の間は痛みがでる姿勢や動作はできる限り控え、安静にするようにしましょう。
また、患部を安静にするためにコルセットを使用すると痛みを感じにくい場合もあり有効です。

アイシング

安静にするとともに炎症を早期に軽減させる方法として最適なのが「アイシング」です。
腰が覆えるくらい大きめの氷嚢で直接患部を冷やします。
発症後数日は、15~20分ほど冷やして一旦離しては皮膚の表面の温度が元に戻ったら再び冷やすことを繰り返します。
アイスノンを直接皮膚にあてると凍傷になるおそれがありますので、氷嚢を使用することがおすすめです。
また一般的に痛み止めと呼ばれる飲み薬も冷シップも「消炎鎮痛剤」で炎症を軽減させますので、アイシングと同時に行うことでさらなる治癒を促進します。

ここでご紹介した「安静」と「アイシング」は発症後数日~1週間以内の急性期に対する治療法になります。
1週間が経過して徐々に症状が落ち着いてきたら、この後に述べるぎっくり腰の予防法を実践することで治癒と再発予防を促すことができます。

ぎっくり腰を予防するためには?

ぎっくり腰を予防するため、再発させないための方法をご紹介します。

柔軟性を高める

腰椎周囲の柔軟性が低下していると、何の気なしに前かがみ姿勢になったり遠くのものを取ろうとして手を伸ばしたときなどにうまく腰が伸びずぎっくり腰を発症してしまいます。
また、日常生活内にはしゃがむことや身体を捻ることなど様々な動作があり、身体全体で動きを分散しながらバランスよく行うことが大切ですが、股関節を中心に下半身の柔軟性が低下していると腰にかかる負担が大きくなってぎっくり腰の原因となってしまいます。
よって、ぎっくり腰を予防するためには腰自体の柔軟性に加え、身体全体の柔軟性を高めることが必要です。

体幹部の筋力強化

脊柱(背骨)は、似た形の小さな骨が積み木状に重なっている構造であるため、手足の関節に比べて不安定な状態です。
それをしっかりと固定しているのが体幹部の筋肉であり、主に腹筋群と背筋群になります。
腰を曲げたり伸ばしたりする際や重たいものを持ち上げる際に、体幹部の筋力がしっかりしていると腰椎をしっかりと支えることができますが、筋力が弱いとぎっくり腰を発症してしまいます。
ぎっくり腰を予防するためには、身体の前面の腹筋群と後面の背筋群がバランスよくそれぞれ筋力がしっかりとした状態であることが重要です。

腰に負担のない動作習慣

どんなに柔軟性が高く、筋力もしっかりしていても腰に負担のかかりやすい動作の習慣がある方はぎっくり腰を防ぐことが難しくなります。
例えば、前かがみになる動作では背骨が曲がるとともに骨盤は前に倒れて股関節は曲がる必要がありますが、骨盤を動かす習慣のない方は背骨ばかりで前かがみになろうとしてしまいます。
さらに、重たいものを持ち上げる動作では背骨は伸ばしたままの状態で股関節、膝関節、足関節を曲げることで重心を落とし、持ち上げるときも背骨はまっすぐのまま下半身を伸ばすという動作であれば本来大きなパワーを発揮することのできる下半身の筋力をしっかり使うことができ、腰にはさほど負担はかかりません。
しかし、下半身は伸ばしたままで腰を丸めて物を持ち、また腰を伸ばすことで持ち上げるということになれば腰にはかなりの負担がかかります。
このように同じ動作でも全身の使い方によって腰に対する負担のかかり方が全く変わってくるので、腰に負担のかかりにくい動作を習慣づけることはぎっくり腰予防のために大変重要です。

ぎっくり腰におすすめのストレッチと筋トレ

ここで紹介するストレッチや筋トレは炎症期を過ぎたぎっくり腰の治療にも予防にも効果的です。

膝抱えストレッチ

腰の筋肉を伸ばして柔軟性を高めるための基本的なストレッチです。
ぎっくり腰後のリハビリでは早い段階で行えるストレッチですが、腰に強い痛みがないか確認しながら少しずつ行って下さい。

1. 仰向けに寝て両膝を曲げて両手で抱えるようにします。
2. その段階で腰に伸張感がある場合はそのまま20秒程度静止、それでは伸張感がない場合には頭を床から浮かすようにして静止します。

もも裏ストレッチ

太ももの裏はハムストリングスという大きな筋肉があります。
ハムストリングスが柔軟になると股関節を曲げやすくなるため、腰の負担が軽減します。

1. 床の上に両足を開脚して座ります。
2. ストレッチする方の膝は伸ばしたまま、反対の足は曲げて伸ばした方の太ももの内側につけるようにします。
3. ストレッチする方の足に向けて上半身を倒し、伸ばした方のつま先を触るように両手を伸ばします。
4. 太ももの裏に伸張感が感じられたら、その肢位で20秒程度静止します。

お尻ストレッチ

お尻には複数の筋肉がありますが、お尻にある筋肉の中で最も大きい大臀筋の柔軟性を高めることでハムストリングス同様股関節が曲がりやすくなります。

1. 床の上に仰向けに寝ます。
2. 片方の股関節と膝関節が90度になるように足を浮かして曲げ、反対の足はあぐらをかくように浮かした足の太ももに引っ掛けます(自分から見える両足が4の字を描くようになります)。
3. 90度に曲げた方の足の太もも裏を両手で抱え、自分の体に引き付けるように引っ張ります。
4. 引っ掛けた方のお尻に伸張感を感じたらその肢位で20秒程度静止します。

ドローイン

ドローインでは腹筋群の一番深層にある「腹横筋」という筋肉を鍛えます。
腹横筋は肋骨と同じように体幹部に対して横方向に巻くような走行をしており、腰痛に使用するコルセットと同じような役割をしているため、ぎっくり腰後のリハビリや予防にも絶対欠かせない筋トレです。

1.両膝を立てて仰向けに寝ます。
2.3~5秒かけてゆっくり息を吸い、5~10秒かけてゆっくり息を吐き切る呼吸を行います。
3.息を吸うときにお腹を膨らめ、息を吐くときにお腹を引っ込めるように(ウエストをしぼる感じに)します。
4.この呼吸を5~10回ほど続けます。

このとき呼吸に合わせて骨盤の傾きが変わらないようにし、下腹にあてた手が床と常に平行を保つようにしましょう。

プランク

プランクは体幹部をニュートラル(まっすぐ)な状態に保つことで腹筋群と背筋群をバランスよく働かせるトレーニングです。
力みすぎるとフォームが崩れて意味のないトレーニングになってしまいますので、十分に注意してください。

1. 腕を肩幅に開いた状態で肘を90度に曲げ、左右の肘から手首を平行にした状態で床につきます。
2. 左右の肘から手首までとつま先だけが床につくようにし、腰が反ったりお尻が突き出たりすることなく肩から足首までが一直線になるように浮かします。
3. 呼吸を止めることなく身体を支え、その状態が崩れないように30秒から60秒(慣れるまでは10秒から)維持します。

肩がすくんだり、肩甲骨が背中に浮き出てこないように肩の力は抜いて肘で床を押すことを意識して下さい。
下腹は軽く引っ込めておくようにして下さい。
プランクの姿勢を保持することが筋力的に難しい方は、膝を床につき膝から下を曲げて浮かして行うようにすることから始めてみてください。

おわりに

今回は、ぎっくり腰について治療法と予防法をご紹介しました。

どんなに身体のケアを入念にしていてもその日の体調があまりよくなかったり、普段行わないような動作を行うことでぎっくり腰になってしまう場合はありますが、できる限りなりにくい身体を作り、予防していただきたいと思います。
また、万が一ぎっくり腰になってしまった場合は、今回の治療法を参考にしていただいた上で、症状がひどい場合には一度は整形外科を受診することをおすすめします。

■プロフィール

監修:いきいき100歳応援中(理学療法士)
専門:整形外科疾患、介護予防分野

自己紹介
二児の母でもある理学療法士。整形外科疾患、介護予防分野を専門とし、病院勤務の傍ら健康や医療に関する記事を執筆している。

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