ガーデニング

かわいいけれど増えすぎて困るシロツメクサの魅力を探る

2019-04-18

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シロツメクサは、道端や公園など、どこにでも生えているかわいらしい草花です。
シロツメクサは細い茎をのばして、その先端に三つ葉の葉をつける、白い小さな花が花手毬のように集まったかわいらしい花を咲かせます。

シロツメクサの英名は「White clover(ホワイトクローバー)」ですが、単に「クローバー」と呼ぶ時もあります。

日本中どこででもみられるから、日本原産の植物のように感じられますが、シロツメクサはヨーロッパや北アフリカを原産地とする多年草です。

シロツメクサがどういう経緯で日本に入ってきたのか、どういう性質を持っているのかも踏まえながら、四葉のクローバーについても今一度じっくり考えてみましょう。

シロツメクサがはじめに入ってきたのはオランダから

1846年(江戸時代後期)、オランダから献上されたガラス製品の充填剤に、乾燥したシロツメクサが用いられていました。
このシロツメクサが、日本に最初に持ち込まれたシロツメクサでした。
ついていた種から発芽したともいわれていますが、この段階ではまだ普及していませんでした。

「白い花のついた詰め物の草」なので、「シロツメクサ」です。
最初にオランダから入ってきたので、「オランダゲンゲ」「オランダウマゴヤシ」の別名もつけられています。

シロツメクサは明治時代以降全国に広まった

明治時代以降、シロツメクサは牧草・緑化用植物として輸入され、芝生よりも扱いやすく、かわいらしいのに増えやすいことから、グランドカバーとしても普及し、どんどん広まっていきました。
シロツメクサは牧草として、日本だけでなく、世界中に広まっています。

シロツメクサの繁殖力が非常に強いことから、他の植物では育ちにくいようなところの緑化のために、積極的に導入されました。
シロツメクサは耐寒性も強く、日当たりのよいところならどこでもよく育つため、瞬く間に北海道から沖縄まで、日本中に広まり、定着しました。

シロツメクサの花の蜜はミツバチ専用

シロツメクサの花茎は10〜30cmにまっすぐ伸び、先端に小さな花が10〜80個寄り集まって球状の花を咲かせます。
下から順に開花していくので4〜9月の長期にわたって開花を続けます。

一つの花は8〜12mmの長さの蝶のような形をしていて、花は3mmくらいの花柄で花茎にくっついています。
シロツメクサの花は、一つの茎の先端に小さな花が均等にぐるりと丸くついて球状になるっているので、「総状花序」といいます。

シロツメクサの一つの花のおしべとめしべは花びらに挟まれて見えなくなっていて、下側の花びらに虫が後ろ足をかけて押し下げることで、ようやく花びらが開いて見えるようになります。
ミツバチよりも小さな虫では非力で蜜を吸うことができないので、シロツメクサはミツバチに的を絞った咲き方になっているといえます。

下から順に蜜を吸ってもらって下から順に受粉する

シロツメクサは受粉すると外から順に花が垂れていきますが、受粉はミツバチによる他家受粉です。
ミツバチがシロツメクサの蜜を吸うためには、下に花びらを押し下げる必要があり、下の方の花から順に蜜を吸わないと蜜を全部吸うことができないため、ミツバチは下から順に蜜を吸っていきます。

シロツメクサの花は、下の方から順に開花していくので、下から順に受粉してもらう必要があり、下から順に蜜を吸ってもらうことで順に受粉もできていきます。
受粉したシロツメクサの小さな花は、順に下向きに垂れてきて、やがて実になり、中に2〜6粒の種ができます。

シロツメクサは本来三つ葉なので四葉のクローバーは幸運の印

シロツメクサは茎が地表を這って長く伸びていき、あちこちランダムに根を伸ばし、茎の節から花茎や葉茎を地上に伸ばしていきます。
シロツメクサの葉茎は6〜20cm伸びて、茎の先端に葉が三枚並んで開きます。
葉にはライン状の白斑が入り、縁は細かくギザギザになっています。
葉には裏にも表にも毛はありません。

人に踏まれたりすると、成長点に傷がつき、奇形種として四葉のクローバーが生まれます。
4枚だけでなく、5枚6枚のものもあり、18枚まで確認されています。
四葉のクローバーは奇形種なので数が多くないため、幸運の印とされています。
押し花にして、持っていると幸運になれるといわれます。

四葉ばかりが生まれる園芸品種も

クローバーの園芸品種に、四葉が多く生まれる「ハッピークローバー」も生み出されています。
ハッピークローバーの葉の中には従来の三つ葉ももちろんありますが、五つ葉、六つ葉も見られます。
園芸店などでも購入できますが、非常に繁殖力が強いので、増えすぎて困ることもあります。

従来のシロツメクサが庭に生えた時も、なかなか撤去がしきれません。
根から抜かないとどんどん増えてしまいます。
ハッピークローバーを栽培してみる場合も、増えすぎてしまうことが多いので、鉢植えで育てて広がりすぎないよう管理するようにしましょう。

農薬などの影響で大量に枚数の多いクローバーが生まれることも

幼いころ、手押し車に農薬を乗せて運搬途中、うっかり農薬をシロツメクサの茂みのそばで落としてしまった方がいました。
すぐに大部分を取り除いたそうですが、しばらくして、農薬がかかってしまったシロツメクサからは10枚以上の葉をつけたものが多数伸びてきました。
その茂みのシロツメクサには、四葉のクローバーが珍しくもなんともないほど、一本の茎に何枚もの葉が付いたものが大量生産されてしまいました。

「成長点に傷がつき枚数が多くなる」という点に関しては、踏まれる以上に農薬の影響の大きさがうかがえました。
40年以上前のことなので、農薬が何だったのかはっきりとはしませんが、植物に与える農薬の影響の大きさは、決して小さくないことがうかがえます。

監修:きなりのすもも
16年前に趣味でバラ栽培をはじめたのをきっかけに、花木、観葉植物、多肉植物、ハーブなど常時100種を超える植物を育て、弱った見切り苗や幼苗のリカバリー、一年草扱いされている多年草の多年栽培などに取り組んでいます。

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