首が痛いのは頚椎椎間板ヘルニアかも!?その症状と治療法

2019-04-22

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はじめに

首の痛みが慢性的に続いている、パソコン作業をしたり重労働をしていると首が痛くなってくる、頭にボールがぶつかってから首の痛みを感じて動かしづらくなったなど首に色々な症状を持っている方がおられると思います。
筋肉のコリだと思っていたり、そのうち治るだろうと思っている症状も実は「頸椎椎間板ヘルニア」かもしれません。
頸椎椎間板ヘルニアは意外とたくさんの方が気づかないうちになっておられ、早めに対処することで軽い症状ですむことも多々ありますが、放置していると症状が強くなり、最悪手術が必要になることもあります。
そこで今回は、頸椎椎間板ヘルニアについてその症状や治療法、自分でできるおすすめのエクササイズをご紹介します。

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頸椎椎間板ヘルニアとは?

背骨は頸椎(首)、胸椎(背中)、腰椎(腰)とたくさんの脊椎が積み木が重なったように並んでいます。
そして、それぞれの脊椎の間には椎間板と呼ばれる水分を含む組織があり、椎体同士のクッションの役割をしています。
身体を曲げたり伸ばしたり捻ったりするときには、この椎間板が柔軟に形を変えることで背骨が滑らかに動きますが、いつも同じ部位に過度の負担がかかったり、加齢により椎間板が変性して身体の動きに対しての対応が難しくなってくると椎間板が変形して背骨の並びから飛び出してしまうことがあります。
これを「椎間板ヘルニア」といい、頸椎部分で起こったものを「頸椎椎間板ヘルニア」といいます。
頸椎椎間板ヘルニアになると椎間板の炎症で首に痛みが生じたり、その周囲にある神経を圧迫して神経症状がでたりすることがあります。

頸椎椎間板ヘルニアの症状

頸椎椎間板ヘルニアの症状をご紹介します。

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首の痛み

頸椎椎間板ヘルニアの症状として首の痛みがあります。
首の痛みだけでは筋肉のコリや他の疾患と区別がつきにくいですが、頸椎椎間板ヘルニアの特徴として、朝よりも夕方から夜にかけての方が痛みが強いこと、横になると症状が軽減するが座位や立位など頭部を支える姿勢をとると痛みが増強すること、首を反らすよりも曲げる(下を向く)方が痛みがでやすいことがあげられます。

肩から手にかけての痺れ

頸椎からは上肢(肩から手先)の運動や感覚を支配する神経が多数でています。
頸椎椎間板ヘルニアで突出した椎間板が頸椎周囲の神経を圧迫してしまうと、肩から手のいずれかの部位に痺れを生じることがあります。
痺れにはじんじんするものや痛みに限りなく近いものありますが、首の痛みがなく手の痺れだけが現れて日常生活に大きな支障をきたすこともあります。

手の脱力感

椎間板が頸椎の神経を圧迫した症状として手の筋力低下や脱力感もあります。
頸椎の運動神経に影響が及んだもので、握力や手首、肘の筋力の低下が多く見られます。

手の感覚麻痺

頸椎椎間板ヘルニアによる感覚の異常として知覚の低下がみられることもあります。
手のひらや手の甲、手指、腕などの感覚が左右で異なり、皮膚に触れても鈍く感じたり全く感じないということがあります。

頸椎椎間板ヘルニアの治療法

一度変形したり突出してしまった椎間板は基本的に元に戻ることはありません。
しかし、変形したときに起こった炎症に対してその部位になるべく負担をかけないようにすることで炎症が落ち着いて痛みが改善したり、神経に対する圧迫のし方が変化して神経症状が軽減することがあります。
そのため、多くの場合最初の治療として保存療法が選択されます。
保存療法とは手術を行わない治療の総称で、主に薬物療法、理学療法、物理療法があります。

薬物療法では、消炎鎮痛剤で痛みを抑制したり、血流をよくする薬で神経の流れを促したりします。
神経痛が強い場合には、神経の近くに神経を一旦麻痺させる神経ブロック注射を施すこともあります。

理学療法は、リハビリ専門職の理学療法士の指導のもと首に負担のかからない姿勢の習得をしたり、首周囲の筋肉の緊張をストレッチやマッサージによって緩和して症状の改善を図ったりします。

物理療法は電気治療で神経の興奮や痛みを感じる物質を抑制したり、首の牽引治療で頸椎同士の間を拡げて椎間板への圧迫を軽減する治療を行います。

これらの保存療法を行っても症状が改善せず日常生活への支障が大きい場合には、手術療法に踏み切ることがあります。
手術療法では神経を圧迫している椎間板を除去するものが一般的で、手術後には再発防止や元の可動域や筋力を取り戻すことを目的としてリハビリが必要になります。

頸椎椎間板ヘルニアにおすすめのエクササイズ

理学療法の中には姿勢の修正や首の負担を減らすための動き方の練習がありますが、その中にも含まれ自宅で簡単にできる頸椎椎間板ヘルニアにおすすめのエクササイズをご紹介します。
ただし、症状が強くこのエクササイズ中に症状がでてしまう場合、症状が変化したばかりの急性期にはおすすめできないものもありますので、不安のある場合は整形外科医や理学療法士などに確認してから行うようにしてください。

胸張りエクササイズ

猫背姿勢になっている方は自然に首が前に垂れて常に首への負担がかかってしまいます。
肩甲骨を動かして猫背姿勢を修正することで自然と首もよい位置に修正するエクササイズです。

1. 胸を張りながらゆっくりと左右の肩甲骨を内側に寄せます。
2. 背中の内側に緊張を感じたらゆっくりと元の楽な状態に戻し、また肩甲骨を内側に寄せるという動作を10回程度繰り返し行います。

腕を後ろに引きながら行うと腕の動きばかりになってしまい肩甲骨が動いていない場合もありますので、手は膝の上に乗せるか身体の横につけた状態にして肩甲骨のみの動きを意識しましょう。

胸椎伸展エクササイズ

猫背姿勢の方は胸椎の後弯(背中の丸み)が通常よりも強くなり胸椎の伸展(背筋を伸ばす)可動域が小さくなっていることがあります。
その代償として常に頸椎は伸展傾向となり、首に負担がかかってしまいます。
このエクササイズでは、胸椎の伸展動作を獲得して胸椎の後弯増強を修正することで頸椎の姿勢も修正することを目的としています。

1. 椅子に腰かけて首の後ろで手を組みます。
2. 骨盤を起こしながら胸骨が天井を向くように胸椎を伸展させます。
3. 楽な姿勢と胸椎を伸展させた姿勢を繰り返し行います。

このエクササイズでは、頸椎の伸展(首を反らす動き)を首の後ろで組んだ手でロックし、胸椎伸展の動きを促すことがポイントです。
胸椎伸展の可動域を超えて無理に反らそうとすると、頸椎を動かすことになりますので注意しましょう。

チンイン

前に出過ぎた頭のラインを正しい位置に治すエクササイズです。
この練習を行うことで肩の真上に頭を置いた首に負担の少ない正しい姿勢がとれるようになります。

1. 背もたれのないいすを壁際に置いて深く腰掛け、骨盤を起こして肩甲骨を内側に軽く寄せ、お尻から背中がなるべく壁につくようにします。
2. 顎を少し引きながら後頭部を背部にある壁につけるように後退させて数秒静止しては楽な姿勢に戻すことを繰り返します。

力を入れすぎると顎を引いて頭を下げるよりも下を向くようになってしまいます。
力は軽く入れる程度にし、目線は常に正面を向くようにしてください。
高齢者など頸椎などに変形がある場合は、この動きが不可能な場合もありますので決して無理をしないようにしましょう。

おわりに

今回は頸椎椎間板ヘルニアについてその症状と治療法、自宅でできるおすすめのエクササイズについてご紹介しました。
ほとんどの場合が保存療法の適応になるため、どうやって首の負担を減らして症状を改善させていくかということがとても大切になります。
長年の姿勢や習慣を変えることは難しいことですが、長く付き合っていく身体のために是非参考にしていただければと思います。

■プロフィール

監修:いきいき100歳応援中(理学療法士)
専門:整形外科疾患、介護予防分野

自己紹介
二児の母でもある理学療法士。整形外科疾患、介護予防分野を専門とし、病院勤務の傍ら健康や医療に関する記事を執筆している。

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