出産後にもおすすめ!女性のための骨盤体操

2019-04-23

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はじめに

骨盤は私たちの身体の中心にある大切な骨です。
骨盤がゆがむと腰痛や肩こり、股関節痛などの症状や姿勢の左右非対称を引き起こしたりしてしまいます。
特に女性は出産前後に骨盤が緩むことでそのあともずっと骨盤が緩いままになってしまったり、ゆがんだままになってしまうことが多くありますが、出産後になるべく早い段階で骨盤の状態を整えておくと出産前のように快適に日常生活を送ることができます。
今回は、骨盤の緩みやゆがみに悩む女性のためにおすすめの骨盤体操をご紹介します。

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骨盤の構造

骨盤を整える前にまずは骨盤の構造を簡単に知っていただきたいと思います。
一般的に骨盤帯と呼ばれる部分は、腸骨、恥骨、坐骨、仙骨、尾骨で構成されます。
私たちが最も身体の表面で触れやすいのが腸骨で、ウエストからやや下方で触れることのできる左右の大きな骨です。
恥骨はおへそからそのまま下方に下りて行くと陰部の上あたりで触れる前面の骨で、坐骨はいすに座った時にお尻の下に手を入れると触れることのできる左右の骨です。
恥骨、坐骨とも腸骨と連続しており、3つを合わせて寛骨という呼び方もあります。

仙骨は背骨の最も下にある逆三角形の大きな骨で、その下端についている小さなかけらのような骨を尾骨といいます。
仙骨および尾骨は左右の腸骨に挟まれる形になっており、仙骨と腸骨が触れる部分は「仙腸関節」と呼ばれます。
仙腸関節の周りにはたくさんの靱帯があり、しっかりと固定されているため動きはわずかですが腰や骨盤を動かすときに動き、重要な役割をします。

産前産後の骨盤の変化

女性の骨盤は妊娠に伴ってホルモンバランスが変化し、骨盤に大きな変化が現れます。
具体的にどのような変化があるのかご説明します。

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仙腸関節の緩み

妊娠すると、子宮の中の赤ちゃんが大きくなるための準備として女性の体内では身体を緩めるようなホルモンが多く分泌されるようになります。
骨盤周囲の靭帯も緩み、仙腸関節の動きが通常よりも大きくなります。
そのため骨盤が左右に歪みやすくなったり、関節の緩みから腰痛を引き起こしやすくなったりします。
出産後はまた徐々にホルモンのバランスが戻りますが、歪んでしまった骨盤はそのまま固定されていってしまうこともあります。

腹筋や骨盤底筋群の機能低下

赤ちゃんが大きくなることでお腹が張りだしてくると腹筋が引き伸ばされ、収縮しにくくなってきます。
また、骨盤の下側に張り巡らされて子宮などの臓器を下から支えている骨盤底筋群は出産時に傷んでしまうことが多く、出産後も収縮しにくいことが多くあります。
腹筋や骨盤底筋群の機能低下によって骨盤が緩み、歪みやすくなったり不安定になってしまいます。

骨盤の前傾増強

背骨は横からみると「生理的弯曲」と呼ばれる弯曲があります。
頸椎(首)は前傾(前方に凸)、胸椎(背中)は後弯(後方に凸)、腰椎(腰)は前傾というのが一般的な形です。
しかし、妊娠によってお腹の重さが増すと重心が前に引っ張られてしまい、腰椎の前弯が強くなってしまいます。
腰椎の前弯が強くなるとそれに伴って骨盤も前傾方向に引っ張られることになります。
いわゆる反り腰になることで、腰痛の原因にもなります。

おすすめの骨盤体操

妊娠に伴って変化した骨盤を出産後に整えるためにおすすめの骨盤体操をご紹介します。
産褥期(産後約1か月)が過ぎ、医師からある程度の運動の許可がでてから行うようにした方がよいものもありますので確認しながら行ってください。

骨盤ローリング

骨盤を左右に動かします。
骨盤をほぐすことに加え、骨盤の前後傾に左右差がある場合に整えるエクササイズです。

1. 両膝を立てて仰向けに寝ます。
2. 両膝はくっつけておき、左右交互にゆっくり膝を倒してみます。
3. 何度か行って左右で倒しやすさに差がある場合は倒しにくい側が多くなるように繰り返し倒します。
4. 左右の倒しやすさが同じもしくは差が少なくなったら終了します。

倒しにくい側を行うときは倒す側のお尻のやや上方に手のひらを敷いて行うと倒しやすくなるように促すことができます。
腰や手を敷いた部位に痛みがある場合には控えるようにし、手を使わずにゆっくり行ってみてください。

腹式呼吸

腹横筋という深部の腹筋を刺激します。
腰痛ベルトのように腰に巻きつくような走行をした筋肉で、腰や骨盤を安定させる働きがあります。
また、妊娠中は特に腹筋を使う腹式呼吸が難しくなり胸式呼吸に偏りがちなので、腹式呼吸を再学習にもなります。

1.両膝を立てて仰向けに寝ます。
2.3~5秒かけてゆっくり息を吸い、5~10秒かけてゆっくり息を吐き切る呼吸を行います。
3.息を吸うときにお腹を膨らめ、息を吐くときにお腹を引っ込めるようにします。
4.この呼吸を5~10回ほど続けます。

お尻しめ

腹式呼吸とともに行うことで骨盤の下部を支える骨盤底筋を鍛え、骨盤の安定をさらに強固なものにします。
腹式呼吸に慣れてきたら同時に行えるように練習してみてください。

1. 両膝を立てた状態で仰向けに寝ます。
2. 腹式呼吸で行ったやり方と同じように息をゆっくり吐きながら軽く膣、意識しにくい方は肛門をしめるように意識します。
3. 息を吐ききったら息を吸いながらしめる力をゆっくり抜いていきます。

膣をしめる力を入れすぎると同時に腹筋にも力が入り、骨盤が後傾してしまいますので、骨盤が動かない程度の優しい力で行ってください。

ペルビックチルト

骨盤を前後に動かし、傾きをコントロールできるようにする運動です。
本来骨盤は軽度前傾していますが、妊娠中はお腹の重みで前傾が強くなりすぎてしまいがちなので、意識的に骨盤を後傾方向に動かす練習をして、適切な位置にコントロールできるようにしましょう。

1.足の裏が床につき、ある程度硬さのある椅子に座ります。
2.おへそを後ろに下げて仙骨(お尻の割れ目のすぐ上にある骨)を座面につけるように倒せるところまで骨盤を後傾させます。
3.おへそを前に出しながら坐骨をまっすぐ座面に立てるように骨盤を前傾させます。
4.骨盤を前傾及び後傾にゆっくり動かすことを繰り返し行います。

お尻歩き

骨盤を前後左右に動かすことで骨盤をほぐすほか、 骨盤が左右に傾いている場合に整えるエクササイズです。

1. 床に両足を伸ばして座ります。
2. 背筋を伸ばして軽く骨盤を起こすようにし、左右のお尻の下に敷いた手で坐骨を触れられるか確認します。
3. 坐骨が床の上に立っていることを確認できたら手を外し、骨盤を左右に動かすようにしながら交互に左右の坐骨を持ち上げます。
4.慣れてきたらお尻で歩くように前後に動いてみましょう。

左右で坐骨の持ち上げやすさに差がある場合には、持ち上げにくい方の骨盤を上げる回数を少し多めに行うようにしてみてください。
また、身体が硬い方で足を伸ばして座るのが難しい場合には、膝を軽く曲げて行ったり椅子に座った状態で行っても構いません。

腹筋エクササイズ

妊娠中に苦手になりがちな骨盤後傾を入れながら腹筋を収縮させる練習をします。

1.適度に両膝を曲げて床の上に座ります。
2.息を吐きながら腹筋を意識してゆっくりと骨盤を後傾して重心を後ろに下げていきます。
3.できる方は骨盤の後傾だけでなく、背中も少しずつ後ろに下げていき腹筋の収縮を促します。
4.重心を下げては戻す動きをゆっくり繰り返します。

負荷がきつく後ろに倒れそうになってしまう場合は、手で膝を抱えるようにしてサポートしてもかまいません。

ブリッジ

骨盤底筋群とともにお尻の大きな筋肉である大殿筋や腹筋も作用させます。
骨盤を安定させた状態で体重を支える練習になります。

1.両膝を立てて仰向けに寝ます。手はお腹の上に置くか身体の横で床の上におきます。
2.骨盤底筋群を収縮させるつもりで膣または肛門をしめたらゆっくりとお尻を浮かしていき、身体を横から見たときに肩から膝までが一直線になるところまでお尻が上がったら3秒止め、ゆっくりお尻を下ろします。

力が入りにくかったり腰痛を伴う場合は、お尻の上げ方を調整して無理なく少しずつ上げることから始めてください。

おわりに

今回は妊娠および出産に伴って変化する骨盤を整えるための骨盤体操をご紹介しました。
出産後はなにかと忙しく、なかなか自分の身体のケアに時間を作る余裕がないと思いますので、できる時期から、できる体操からで構いません。
出産後数年が経過していても遅すぎるということはありません。
ママが元気で笑顔でいられることが子どもたちの笑顔にもつながりますので、是非できることから少しずつ始めてみてください。

■プロフィール

監修:いきいき100歳応援中(理学療法士)
専門:整形外科疾患、介護予防分野

自己紹介
二児の母でもある理学療法士。整形外科疾患、介護予防分野を専門とし、病院勤務の傍ら健康や医療に関する記事を執筆している。

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