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初夏の風物詩・半夏生。その育て方と鑑賞法をわかりやすく解説!

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初夏にかけて爽やかな印象の「半夏生」は、日本庭園の池周りには欠かせない花です。
白い部分は実は花ではなく葉が色づいたもので、半分お化粧をしたように見えることから「半化粧」や「片白草」とも呼ばれます。
茶室の茶花としても親しまれているため目にした方も多いのではないでしょうか。
今回はそんな半夏生の育て方や鑑賞のポイントについて詳しく解説していきます。

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そもそも半夏生とは?

半夏生は、ドクダミ科ハンゲショウ属の多年草で、草丈が50cm〜1.2m位のやや大型の野草です。
中国、朝鮮半島、台湾、ベトナム、インド、フィリピンなどに分布していて、日本では北海道を除く本州から沖縄にかけて広く自生しています。
湿潤な環境を好み、日当たりの良い湿地などに群生しています。開花とともに花穂のすぐ下の葉っぱの付け根から先端にかけて白い斑が入ります。

半夏生の育て方

適した環境
乾燥を嫌い、日当たりの良い、湿り気の多い土壌を好みます。半日陰でも育ちますが、日当たりが良い方が白い斑が美しく入りますよ。水持ちの良い土壌なら庭植えも可能です。

水やり
半夏生にとって水やりはとても大切で、夏の水枯れは死活問題となり、特に注意が必要です。鉢植えの場合は、大きめの鉢に植え、受け皿に常に水が溜まっている状態を確認してください。庭植えの場合は、土が完全に乾いてしまわないように常に注意が必要です。株元が少し水につかる状態でも育つため、池の周辺に植えつけると水やりの手間が省けます。

肥料
庭植え、鉢植え共に、元肥として緩効性化成肥料を用土に混ぜ込んでおきます。追肥は春に、緩効性化成肥料か固形の油粕を土中に埋め込んで下さい。鉢植えの場合は、その後、緩効性化成肥料を1か月に1回程度施します。

用土
水持ちの良い土壌を好みます。鉢植えの場合は、荒木田土など田んぼの重い土が適しています。庭に地植えする場合は腐葉土を梳きこんでおき、粘土質の土を混ぜて水持ちを良くしましょう。

病害虫
病害虫の発生はほとんどありません。

植え付け・植え替え
植え付け適期は2月〜3月です。鉢植えで根詰まりしているようなら、株分けを兼ねて植え替えを行って下さい。増えすぎた場合は間引いて下さい。

増やし方
株分けで簡単に増やすことが出来ます。適期は、芽を出す前の2月〜3月です。掘り上げた地下茎を切り分けて植え付けて下さい。冬には地上部を枯らせて宿根し、春に再び芽吹きます。環境が合えば地下茎で非常によく増えます。

手入れ
日本の本州以南に自生する植物で、夏の暑さや湿度には強いのですが、寒さにはやや弱い性質をしています。冬には鉢を軒下に移動させるなど工夫が必要です。寒冷地での庭植えの場合、地面が凍らないようワラなどで防寒対策をしっかりと施しましょう。

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半夏生のもう一つの意味

昔は、夏至から数えて11日目(現在では7月2日)を半夏生と呼び、農耕民族である日本人にとって大切な雑節のひとつに数えていました。雑節には他にも、節分や彼岸、八十八夜、土用などがあります。

現在では、半夏生を目安に田植えを行う農家はいなくなりましたが、日本人にとって重要な季節の節目であることに変りはありません。今でも関西では半夏生の日にタコを食べる習わしが残っています。他にも香川はうどん、福井はサバ、奈良ではお餅、など様々な行事食の風習が残っています。

花と花言葉

半夏生の花は、6月下旬から7月にかけて開花のシーズンを迎えます。茎の頂部の葉の付け根から花穂を伸ばし、白い小花を穂状に咲かせます。長さは大体10〜20?で、花には穂だけで花びらはありません。花のように見えるのは、実は半分白く色づいた葉っぱなのです。

花言葉は、「内に秘めた情熱」と「内気」です。

半夏生は、花弁がなく目立たない小花を、遠くからでも目立つように葉を白く変容させます。花に近い葉を白くお化粧して虫を誘う、内気ながらも内に情熱を秘めた風情が、花言葉にピッタリですね。

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葉の変容

半夏生の鑑賞ポイントは、花よりもむしろ葉にあります。しかも花期の頃の「葉色の変容」と「移り変わり」に重きをおく人が多いでしょう。

半夏生の葉は長さ10〜15?程度の卵形をしています。ドクダミ科の植物らしく、葉茎は傷つくとドクダミのような匂いを発します。
まず開花期に、花の下の数枚の葉が白くなり、花弁の役割を果たします。これは「苞葉(ホウヨウ)」と呼ばれるもので、花を目立たせて昆虫を呼び寄せる役割があります。白い斑の面積はまちまちで個体差がありますが、葉が一面白くなることはあまりありません。
葉は花が咲く頃に白くなりますが、花が終わるとまた緑に戻ります。白い部分は葉の表側だけで、葉緑体がありません。花が受粉を終えると白い葉の役目は終わり、葉緑体が作られ葉は徐々に緑色に戻るという仕組みになっているのです。不思議ですね!

半夏生の鑑賞法

京都・両足院の「池泉廻遊式庭園」では、梅?の頃になると半夏?がいきいきと生茂り、絶好の鑑賞スポットになりますよ。
禅寺としても有名なので座禅を組みながら瞑想するのにもとてもよい場所です。
梅雨から夏になるにつれて徐々に?っぽく変化する半夏生と、季節の移ろいを心静かに鑑賞しましょう。

半夏生は古くから茶道の「茶花」として、茶道を嗜む方には馴染みの深い花です。
また、茶室とそれに続く庭園や池と半夏生は切っても切れない関係にあります。初夏に向けて水辺に半夏生の白い斑入りの葉が映えて、幽玄な風情を醸し出します。

京都、勧修寺には美しい庭園と半夏生を配した蓮池があります。
この写真のように、池の水に沈めて半夏生を生育させるアイデアはご家庭でも採り入れることが出来るかもしれませんよ。現在、半夏生の自生地は環境の変化などによって減少傾向にあるそうですが、大きめの鉢を用意すれば、簡単にビオトープを作ることができます。

いかがでしたか。半夏生はもともと日本の湿地帯に群生していた野草だけあって、丈夫で育てやすい植物です。
ひとたび植えられた土壌や環境が気に入れば、太い地下茎を伸ばして、勝手に増殖していきます。地植えにするときは広がり過ぎないよう注意しましょう。6月の終わりから7月にかけて、ぜひご家庭で半夏生を鑑賞しながら季節の移ろいを感じてみてはいかがでしょうか。

ペンネーム:Yoshidanz
ファームステイしたのをきっかけに農業生活にはまる。イギリスのオーガニックガーデニングを通信教育で勉強しながら、コンポースト造りと家庭菜園に挑戦。現在はニュージーランドの海沿いの丘陵地に土地を購入、ポタジェで有機野菜作りに励んでいる。

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