ガーデニング

開運のシンボル「万年青」をもっと身近に!

2019-04-28

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万年青(オモト)は、日本独自の美意識と感性で品種改良を重ねてきた園芸植物です。
いつも青々とした常緑の葉が特長で、多年草で葉を落とさないことから縁起がよいとされ親しまれてきました。最近では、明るい日陰を好む性質を利用して、シェードガーデンに植えて楽しむ方も増えてきています。

今回は、そんな万年青の伝統的な葉芸から新しい魅力まで幅広くお伝えしますね。

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万年青の特徴とは?

万年青は、日本原産の多年草で、順応性が高く、丈夫で初心者にも育てやすい園芸品種です。宮城県を北限に本州、四国、九州に自生しています。冬に赤い実をつける常緑の観葉植物で、縁起のよいお正月の飾り物や引越しの贈り物として人気があります。

育てる場所
日当たりと風通しの良い戸外で育てましょう。夏は直射日光に当たらないような、明るい日陰か少し遮光した場所を好みます。
庭植えの場合、夏は半日陰になる落葉樹の下などの場所が適しています。
鉢植えの場合、夏は半日陰に移動させ、冬は軒下などに置きます。

水やり 土の表面が乾いてから、鉢底から流れ出るまで水を与えます。冬は成長が止まるので控えめに3~6日に1回やります。梅雨から夏はやや控えめにします。

用土(鉢植え)
水はけと水もちを兼ね備えた用土を使います。できれば、粒の崩れにくい日向土、富士砂、川砂など大・中・小の粒をそろえ、鉢底から大粒1:中粒8:小粒1の割合で用います。
中粒に微量の珪酸塩白土を(5%ほど)混ぜると根腐れ予防になりますよ。万年青用または洋ラン用の培養土を用いると便利です。

植え付け・植え替え
春3~4月か秋9~10月のお彼岸の頃が適期です。地植えの場合は、水はけがよく、午前中だけ日が当たるような場所に植え付けてください。苗よりも少し大きい穴を掘り、腐葉土を混ぜ込んでから植え付けをはじめてください。
鉢植えの場合は、1~2年に1回は植え替えが必要です。3年以上植え替えないと根詰りを起こし、葉色が悪くなったり葉先が傷んだりします。通常は一回り大きな鉢に植えますが、コンパクトに育てたい場合はそのままの鉢でも大丈夫です。
根を傷つけないようていねいに株を掘りあげ、水洗い後に傷んだ箇所を切り取ります。鉢に根を広げながら植え付け、水をはったバケツに鉢ごとつけて吸水させます。

肥料
与えすぎはNGです。株が傷んで枯れる原因になります。
肥料は少量ずつ長期にわたって施すのがポイントになります。たとえば、2月中旬に有機質の固形肥料小粒を2個、4月初めに3個、9月下旬に2個、といった具合に施します。
薄めた液体肥料でも有効で、4~6月と9~10月の間に年2回ほど施します。真夏は株が傷むので肥料は施しません。

病害虫
春と秋に赤星病が発生することがあります。また害虫は、春と秋にカイガラムシ、春から秋にスリップスなどが発生することがあります。見つけ次第除去してください。春から夏にかけてオルトランなどの殺虫剤を散布して予防しても効果的です。

増やし方
種からも育てられますが、通常は株分けで増やします。適期は植え替えと同じです。
株姿を乱すような子株が出てきたら株分けをしましょう。子株から根が出ていることを確認してから行ってください。大葉種や中葉種は、株分けしないでそのまま育てた方が、立派な株立ちになりますよ。
また、植え替えの時に根っこを株分けすれば、人工的に繁殖することができます。鉢から苗を取り出したら根元を水洗いし、太い株を両手で分けます。元気な白い根が分割した株にそれぞれ残るようにしてください。植え替え時と同じ手順で植えます。

手入れ
夏の直射日光が強すぎると葉焼けを起こして枯れてしまいます。夏は遮光した場所か風通しの良い軒下に移動させましょう。通常2~3年で下のほうの古い葉が枯れてきます。見た目が悪いので枯れた部分は切り取り、すべて枯れたら株元から取り除きます。

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万年青にまつわるエピソード

万年青は冬に赤い実をつける品種があり、お正月の飾り物や引越しの贈り物とてして「開運」と「長寿」のシンボルと言われています。

「引越し万年青」徳川家康の伝説
1590年、徳川家康が江戸城入城に先立ち、3種の万年青を家臣から贈られたエピソードはとても有名です。徳川家が代々栄えますようにと献上された万年青を、家康が大喜びして城に持ち込んだところ、その後大繁栄しました。それから引っ越し祝いとして万年青を送る風習が日本中に広まりました。

「鬼門の方角」
縁起を担いで、引っ越し先に「一番最初に万年青を入れる」という習わしは今も受け継がれています。さらに邪気を祓うため「万年青を鬼門の方角に置く」とよいとされています。

万年青の鑑賞ポイント

品種、園芸種
万年青は、日本において400年も前から交配を繰り返し、品種改良され、愛されてきた古典園芸植物です。見どころは、葉の芸、斑、大きさの3つです。これらが組み合わさり1000種類以上もの品種が排出されてきました。

最大の鑑賞ポイントは、職人芸の粋の結集と言われる「葉の芸」にあります。
つけ根がきれいに重なる「襟組み」、白い筋状の模様が入る「千代田斑」、黄色から緑色のグラデーションが入る「曙斑」、そして葉の大小により葉種があります。

下記に代表的なものをまとめてみました。
品種 特徴
獅子 葉がくるくると巻く
縞獅子 葉がくるくると獅子のように巻き、躍動感がある
雅糸龍(がしりゅう) 表面が隆起する
瑞泉 葉の表面が龍の背のように縦に隆起する。雅糸龍のひとつ
大黒殿 葉のつけ根がきれいに重なり、左右対称の繊細な美しさがある
秋津島 縞柄と葉縁に斑が入る
千代田の松 白い糸状の斑が入る
聖光都の図 葉が大きく雄大な品種
外輪山 葉のつけ根は淡く葉先にいくにしたがい緑色になる

万年青の鉢選び
日本の伝統植物は植える鉢にもこだわって選ぶものですが、万年青も調和を考えながら鉢を選ぶのは楽しいものです。
たとえば、紫の葉色が特徴の「ムラサキオモト」はとても美しく、人気の高い品種です。伝統的な錦鉢と合わせて格調高くアレンジしたり、黒いシンプルな鉢に植えてスタイリッシュに演出したり、あなたのセンス次第で、洋風和風どちらのインテリアにもよく調和しますよ。

花と花言葉
とかく葉に注目してしまいがちな万年青ですが、花も十分鑑賞に値します。ユリ科の万年青は4月から6月にかけて開花します。花言葉は「長寿」。多年草で葉を落とさないことから、長寿を象徴する縁起物として昔から大切にされてきたのです。ツバメオモト(写真下)は、春に白く可愛い花を付けますよ。
いかがでしたか。今回は、日本の古典園芸植物のなかでも特に人気の高い万年青をご紹介しました。
昔から美しい葉を観賞する目的で育成されてきた植物ですので、園芸家たちの情熱や品種改良の技が「芸」として今も高く評価されているのは万年青だけかもしれません。

乾燥も過湿も嫌うので水やりに少々コツが必要ですが、基本的には丈夫で、日当たりのよい戸外から日陰までよく育ちます。ぜひ多彩な品種のなかからお好みの万年青を選んで育ててみてくださいね。

ペンネーム:Yoshidanz
ファームステイしたのをきっかけに農業生活にはまる。イギリスのオーガニックガーデニングを通信教育で勉強しながら、コンポースト造りと家庭菜園に挑戦。現在はニュージーランドの海沿いの丘陵地に土地を購入、ポタジェで有機野菜作りに励んでいる。

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