睡眠

寝ても寝ても眠い!過眠症の症状と対策

2019-07-09

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はじめに

夜十分寝ているはずなのに日中にも眠気が強い、授業や会議で居眠りをしてしまうという方がおられます。
このようなことが度々あると、周りからやる気がないと思われ社会生活に支障をきたすだけでなく、運転中の居眠りなど命にも関わる重大な事故にもつながりかねません。
ただの眠気と思うとなかなか気づきにくいかもしれませんが、こういった症状は「過眠症」と言われ、場合によっては専門的な治療が必要な病気でもあります。
今回は、過眠症についてその原因や症状の特徴、治療法についてご紹介します。

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過眠症の症状と種類

まずは過眠症の原因ごとの症状と特徴についてご紹介します。

■ナルコレプシー

ナルコレプシーは10〜20代に発症することの多い「居眠り病」とも言われる疾患で、日中の我慢できないほどの眠気が主な症状です。
睡眠不足であるかどうかや疲労がたまっているかどうかなどに関わらず一日に何度も強い眠気に襲われ、その状態が何か月も続きます。
また、強い眠気のほかに興奮したときなどに急に脱力する症状や、入眠時に鮮明なおそろしい夢を見たり金縛りにあうなどの幻覚症状を伴うことが多々あります。
原因ははっきりとしていませんが、遺伝的要素が大きく関与すること、生活リズムの乱れが発病につながりやすくなることが分かっています。

■反復性過眠症

反復性過眠症は10代の男性に多い症状で、睡眠時間が異常に長くなる「傾眠期」とそうでない普通の状態が繰り返されるものです。
傾眠期になるとひどい場合には食事など必要最低限の時間以外常に寝ているような状態になり、起こしてもなかなかすっきりと目覚めることがありませんが、傾眠期を過ぎるといたって普通の睡眠時間に戻ります。
これも原因ははっきりしていませんが、ストレスなどなんらかのできごとをきっかけに睡眠中枢と覚醒中枢のバランスが崩れて傾眠期が訪れてしまうと考えられています。
反復性過眠症は、徐々に改善し30〜40代になると自然に治癒すると言われています。

■特発性過眠症

特発性過眠症は幼少期からよく眠ることが特徴であり、10代になったころに授業中の居眠りや強い眠気などで問題になることがほとんどです。
ナルコレプシーのような眠気以外の症状はあまりなく、ナルコレプシーが短時間の睡眠で一時はすっきりするのに対し、特発性過眠症は短時間の睡眠では眠気が残ることも特徴です。

■睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸は睡眠中に呼吸が10秒以上止まることをいい、1回の睡眠中に30回以上、または1時間の間に5回以上無呼吸状態になるようであれば睡眠時無呼吸症候群ということになります。
30代以上の男性に多く、特に肥満の方やアルコール摂取または喫煙の多い方、高血圧や高脂血症、糖尿病などの生活習慣病を有する方に多く見られます。
夜間に熟睡できていないために昼間に眠くなってしまいます。

■うつ病

うつ病の症状としては過眠よりも不眠の方が多い印象ですが、過眠になる方もおられます。
特に冬になると気分が落ち込みやすい「冬季うつ病」の症状には過眠が多くみられます。

過眠症のチェック方法は?

過眠症かどうかを自分でチェックするリストがありますので、気になっている方は試してみてください。

1. 座って読書をしているときに眠たくなることがある。
2. テレビを見ているときに眠たくなることがある。
3. 大勢の人がいる場所(会議や映画館など)や、じっと座っているときに眠たくなることがある。
4. 他人が運転する車に休憩なく1時間程度乗っているときに眠たくなることがある。
5. 午後、横になって休憩しているときに眠たくなることがある。
6. 座って人と話しているときに眠たくなることがある。
7. 昼食後、静かに座っているときに眠たくなることがある。
8. 運転中に2、3分の停車で眠たくなることがある。

この8項目の質問に対し、
めったにない  0点 ときどきある  1点 よくある  2点 大抵いつも  3点

で採点し11点以上あるようであれば、過眠症が疑われます。

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過眠症を改善するためには?

過眠症には専門的な治療もありますが、生活習慣を整えることも大切な治療になりますので、ここで注意したい生活習慣についてご紹介します。

■生活リズムを整える

夜ある程度決まった時間に就寝し、決まった時間に起床する習慣をつけることで体内リズムが整いやすくなります。
体内リズムが整うことで寝ようとした時間に眠くなり入眠がスムーズにできたり、深く眠れることにつながるので、夜間睡眠が十分にとれ、昼間の眠気を軽減させます。

■朝の日光を浴びる

日光を浴びると、メラトニンという睡眠を促すホルモンを減少させる効果があります。
朝起床してから数時間の間に日光を浴びることで日中の眠気減少につながるので、朝起きたらカーテンを開けて日の光が入る部屋で過ごすように心がけましょう。

■夜は静かな暗い部屋で寝る

夜間にしっかり熟睡して心や身体の休息をとることが日中の眠気予防につながります。
夜就寝するときには静かな暗い部屋で眠るようにすると深く良質な睡眠が確保しやすくなります。

■適度な運動をする
日中の適度な運動を習慣づけることは、自律神経を整えて夜間に良質な睡眠がとれることにつながります。
また、運動により血流が改善することや適度な疲労をもたらすことで夜間の深い眠りが促されます。
逆に就寝2〜3時間以内に激しい運動を行うと、脳内にアドレナリンが分泌され、興奮して入眠しにくくなってしまうことがありますので、注意しましょう。

過眠症の治療方法は?

前にご紹介したような生活習慣の改善を行っても症状が改善しないときには、専門家に相談し治療をする必要があります。
過眠症の主な治療法は薬物療法になります。
睡眠時無呼吸症候群やうつ病といった器質的な問題がある場合はそれに対する治療が先になりますが、それ以外の本態性の過眠症に対しては、夜間に睡眠を安定させる薬や日中に精神を賦活させるような薬を使いながら眠気をコントロールするのが一般的です。
いずれにしても、短期的な治療で絶大な効果がでる疾患ではありませんので、長期的な目でみながら根気強く治療することが必要です。

おわりに

今回は、日中に強い眠気を感じて日常生活に支障をきたす「過眠症」についてその症状や疾患、治療法についてご説明しました。
まだまだ疾患として知られていないものが多く、やる気がないとか失礼だと思われがちですが、このような症状で困っている方がおられることを知っていただければと思います。
またご自身が過眠症ではないかと思われる場合は、今回ご紹介した生活習慣の改善を行い、それでも症状が見られる場合は専門の病院を受診し、しっかりと治療を受けられることをおすすめします。

■プロフィール

監修:いきいき100歳応援中(理学療法士)
専門:整形外科疾患、介護予防分野

自己紹介
二児の母でもある理学療法士。整形外科疾患、介護予防分野を専門とし、病院勤務の傍ら健康や医療に関する記事を執筆している。

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