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認知症の予備軍は治る?認知症の予防法4つ

2019-10-16

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日本では高齢化の進行と共に、認知症を発症する人が増えています。
認知症は物忘れや認知機能の低下によって、日常生活に問題が起きている状態を指します。最近、認知症の前段階として注目されているのが軽度認知障害です。
軽度認知障害の場合には、放置しているとそのまま認知症へと進行することもありますが、生活習慣の改善などによって改善する可能性もあります。

今回は認知症の概要や予防法について、わかりやすくまとめます。

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認知症の原因は?

ひとことで認知症といっても、さまざまなタイプが存在します。
認知症のほとんどを占めるものは三大認知症とよばれており、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、血管性認知症があります。
アルツハイマー型認知症は認知症のうち50%、レビー小体型認知症は20%、血管性認知症15%を占めます。
その他には、正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫、脳腫瘍、甲状腺機能低下症、栄養障害、薬物、アルコールなどが認知症の原因になります。
認知症を起こすような病気や薬の内服がある場合には、治療や内服薬の中止によって認知機能が改善することがあります。

老化によるもの忘れと認知症の違いとは?

人の名前をすぐに忘れてしまう、物覚えが悪い、同じことを何度も聞いてしまう、などは、認知症でも老化によるもの忘れでも起きる症状です。老化によるもの忘れの場合には、症状の進行は遅く、判断力の低下は伴いません。
ヒントがあれば、思い出すことも可能です。また、自分自身で忘れっぽいことを自覚していて、日常生活に影響がないことも加齢によるもの忘れの特徴です。

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認知症になりやすい人とは?

認知症になる原因については、すでに多くの研究結果が出ています。
例えば、血圧や血糖値が高い、過度の飲酒、運動不足、肥満、野菜や魚より肉を好む、社交性がない、などは認知症になりやすい要因と考えられています。
教育を受けた期間が長い人の方が、より認知症になりにくいということもわかっています。
ただし、今までの研究結果が全ての人にあてはまるわけではありません。大学の教授でも、認知症を発症する人はいます。

軽度認知障害とは?

軽度認知障害とは、認知症の前段階のことで英語ではMild Cognitive Impairment(MCI)と書きます。
日本では、65歳以上の4人に1人が認知症かMCIを発症しています。認知症と診断された時には、すでに症状が進行していることが多く、何も治療ができない場合もあります。
一方でMCIは認知症の予備軍と考えられていますが、生活習慣の改善などによって症状が良くなることもあるため、最近注目されています。
2017年には、国立長寿医療研究センターがMCIの高齢者を対象に4年間にわたって経過を見た研究結果が報告され、MCIの約14%が認知症に進行し、約46%が健康な状態とほぼ同じくらいに改善することがわかりました。
この研究からも、認知症の予備軍であるMCIを早めに発見して診断し、進行を予防することが大事であると明らかになりました。

MCIの特徴は以下のようになります。
1.同年代の人と比べると、物忘れの程度が強い
2.物忘れが多いという自覚を持っている
3.日常生活に支障はない
4.もの忘れはないものの、認知機能の障害(失語・失認・失行など)がある
*失語では、言葉が思い出せない、話を聞いて理解して返事をすることができない、などの症状が見られます。
失認では、物の位置や認知ができなくなります。目や耳に異常がないにも関わらず、机の上にあるコップの形や大きさが認識できません。
毎日お散歩で通り過ぎる建物のこともわからなくなることがあります。失行では、日常生活の動作が苦手になります。

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認知症の予防法

認知症は、肉や甘いものばっかり食べるような食事の偏食はないけれど

1.体重を減らす
肥満は、認知症だけでなく糖尿病や高血圧、メタボリックシンドローム、心臓病の原因になります。身長(m)×身長(m)×22で適正体重を計算できるので、もし多い場合には体重を減らすようにしてみてください。

2.バランスの良い食事
肉や脂っこいもの、甘いものを好んで食べている人は肥満から認知症を発症することもあります。また、ビタミンやミネラルの摂取が少ないと認知症を発症しやすくなります。伝統的な和食は、魚、野菜、豆類、穀物、豆腐などを中心に作られるので、バランスの良い食事として知られています。魚を週に2回食べている人は、月に1回しか魚を食べていない人に比べるとアルツハイマー病を発症しやすいという報告もあります。抗酸化成分を多く含む食べ物は、動脈硬化の進行を抑え、認知症の発症を予防する可能性があります。抗酸化成分は、緑黄色野菜、ザクロ、アーモンド、ナッツ類に多く含まれることがわかっています。

3.適度な運動
軽く息があがるような運動は有酸素運動とよばれますが、認知症だけでなく高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病の改善に有効です。有酸素運動にはジョギングやウォ―キング、エアロビクス、ヨガなどがありますが、無理なく毎日続けられるものを選びましょう。1駅分歩く、移動は階段を使う、などでもよいので自分に合った方法を見つけてみてください。

4.社会活動
今までの報告では、読書、楽器演奏、テニス、ダンスなどは認知症の発症数を下げる効果があるといわれています。(N Engl J Med 2003;348:2508-2516) 社会活動に積極的に参加し、新しい友達ができることは脳への良い刺激になります。

まとめ

認知症は、肥満や食べ過ぎ、高血圧、糖尿病、脂質異常症などが原因で引き起こされます。
認知症の予備軍であるMCIは、進行して認知症になる場合があるものの、予防すれば健康な状態とほぼ同じくらいまで改善することがわかっています。
バランスの良い食事摂取や適度な運動、減量などを試してみて、脳も体も健康でいたいものです。

監修:大塚真紀(医師・医学博士)
学歴:東京大学大学院医学系研究科卒。
専門:内科、腎臓、透析の専門医。

自己紹介
現在は育児の傍ら、医師という職業を生かし、医療系記事の執筆・監修、最新医学論文の翻訳、医療コラムの作成に従事。

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