かかとが痛い原因と対処法

2019-10-16

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はじめに

長時間歩いていると徐々にかかとが痛くなってくる、朝起きて歩き出したときにかかとが痛いなどふとかかとの痛みに気づくことがあります。
高いところから飛び降りたなど明らかな理由がある場合を除き、自分では痛みの原因が分からないことも多いかと思いますが、毎日体重を支えているかかとが痛みを生じるのには様々な理由があります。

そこで今回は、かかとに痛みを生じる原因とその対処法および予防法についてご紹介します。

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かかとの周りの構造

かかとは歩くときに最初に地面について衝撃を吸収する部分で、毎日何千歩も歩くことを考えるととても大きな力が繰り返し加わります。
かかとには「踵骨(しょうこつ)」という比較的大きな骨があり、その周りに「脂肪体」という脂肪組織がたくさんついています。
また、踵骨の後方には膝裏からかかとに向かって走行しているふくらはぎの筋肉「下腿三頭筋」の下端であるアキレス腱が付着しています。
踵骨前方には足の裏を支える役割をする「足底腱膜」という腱組織が踵骨から足趾に向かってくまでのような形状で張り巡らされています。
よって踵骨には、立つことや歩行をするたびに地面からの衝撃に加え、アキレス腱や足底腱膜による張力も加わっています。
私たちがかかとに痛みを感じるとき、踵骨の足底荷重部、アキレス腱付着部、足底腱膜付着部、踵脂肪体などかかとの中でも様々な部位の痛みがあるので、その部位の詳細や原因をはっきりさせ、正しい対処をする必要があります。

かかとが痛い原因は?

かかとに痛みが出る主な原因をご紹介します。

■足首や足の裏が硬い
足首や足の裏の柔軟性が不足していると、地面から受けた衝撃を足首や足の裏の滑らかな動きで吸収することができません。
地面からの衝撃が踵骨やその周りの脂肪体に強くかかってしまいかかとの痛みの原因になります。

■筋力不足
ふくらはぎや足趾の筋肉など足首や足の裏の動きに関与している筋力が弱いと、多量の歩行に耐えられず踵への衝撃を吸収しきれなくなってしまいます。
また、それらの筋肉の端である腱への負担が大きくなり、アキレス腱や足底腱膜の踵骨付着部炎を起こしやすくなってしまいます。

■かかとの脂肪が少ない
中高年やかかとに対する衝撃が加わることの多い方は、踵脂肪体が硬化したり脂肪体自体が萎縮して厚みが薄くなることでクッション性が低下し、かかとの衝撃吸収機能が低下することがあります。
このような状態を「踵部脂肪褥炎」といい、かかとに体重がかかることや歩くことで痛みを伴います。
そのほかにも極度のやせで体脂肪の少ない方はかかとの脂肪も少なくなってしまい、今まで問題にならなかった歩行量でも痛みを感じてしまうことがあります。

■適さない靴を履いている
柔軟性や筋力が十分であっても、歩行量が多かったり立ちっぱなしの時間が長いときにクッション性の低い靴を履いているとかかとに負担がかかって炎症を起こしてしまうことがあります。

■過体重
体重が多すぎるとかかとにかかる圧迫力も増えるので、かかとの痛みを生じやすくなってしまいます。
特に急激な体重増加は大きな負担になるので注意が必要です。

かかとの痛みの対処法と予防法

かかとの痛みに対して自分でできる対処法と普段から取り組んでおきたい予防法をご紹介します。

■消炎処置
すでにかかとに痛みがあり、痛みの原因が炎症と考えられるときは炎症を鎮静化させる処置を行うことが最優先です。
歩きすぎた、飛び降りてかかとを強く打ったなどかかとに負担がかかったことが考えられるときは、氷嚢や氷水を入れたバケツで患部を直接冷やすアイシングでしっかりと冷やすことが効果的です。
慢性的な痛みや日中でかけていてアイシングを行うことが難しい場合は湿布や消炎鎮痛剤の含まれる塗り薬を使用するのも効果的です。
また炎症があるときはかかとに負担をかけ続けるといつまでも炎症が治まらないので、なるべく歩かないようにしたり、歩かざるを得ないときにはクッション性の高い靴を使用したりクッションの代わりになるようなものをかかとにあてておくことがおすすめです。

■柔軟性向上
足首や足の裏の柔軟性を高めることで衝撃吸収力の向上につながり、かかとに対する負荷が軽減されるので痛みの有無にかかわらず足首や足の裏を柔らかくしておくことが大切です。
ここで足首や足の裏の柔軟性を高めるケアの方法をご紹介します。

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ゴルフボールマッサージ

足底腱膜やそのほかの足の裏の組織を柔らかくするために足の裏のマッサージを行います。
椅子に座り、両足の裏にゴルフボールを置いてごろごろと転がすことで簡単に足裏のマッサージができます。
ツボ押し用の棒で足の裏を押しても構いませんが、硬い足の裏を全体的にほぐすためにはかなりの労力を要するので、ボールを置いて体重をかけながら転がすのが簡単でおすすめです。
また、テレビなどを見ながら「ながら運動」でできるので継続しやすいこともおすすめの理由の一つです。

ふくらはぎストレッチ

足首の柔軟性を高めるためにはふくらはぎの筋肉が柔軟に伸び縮みする必要があります。
朝起きて活動を始める前やお風呂上り、寝る前などにふくらはぎのストレッチを行う習慣をつけましょう。

1.壁など体重を支えられるような場所に向かって立ち、両手を壁についたら両足を前後に軽く開きます。
2.後ろに引いた方の足のつま先が進行方向を向くようにまっすぐ置き、膝を伸ばした状態で踵が浮いてしまわないぎりぎりのところまで身体を前に倒していきます。
3.ふくらはぎの筋肉に伸張感を感じながら壁に付いた手に体重をかけて20〜30秒静止します。
4.左右の足を入れ替えて、反対のふくらはぎも同様にストレッチします。

■筋力向上
足の裏やふくらはぎの筋力をしっかりとつけることで少々の歩きすぎや運動にも耐えられるようになるため、筋力も大切な要素です。
足趾やふくらはぎの筋肉を鍛えるトレーニングをご紹介します。

タオルギャザー

足趾の筋肉を鍛えるトレーニングです。
両足がしっかりと床につく椅子に座り、濡れたフェイスタオルを絞って自分の足の前に縦向きに置きます。
置いたタオルの手前の端に両足を置き、足趾をグーパーしながらタオルを少しずつ手繰り寄せていきます。
タオルの向こう端が足元にくるまで引っ張りきったら再びタオルを伸ばして敷き、繰り返し手繰り寄せを行います。
タオルギャザーが簡単にできる方はタオルの向こう端に錘を置いて重くすることで負荷を増やすことができます。
逆に、うまくタオルを引き寄せられない方はまずはタオルなしでグーパーの練習をしたり、手を使って足趾の曲げ伸ばしや開く練習を行ってからタオルギャザーに取り組んでみてください。

カーフレイズ

ふくらはぎの筋肉を鍛えるトレーニングです。

1. 両足を骨盤の幅に開いて立ち、つま先がまっすぐ進行方向を向くようにそろえます。
2. ゆっくり踵を上げ、上げきったらゆっくりと下ろします。このとき、足趾は強く曲げないように注意してください。
3. この動作を10〜20回繰り返し行います。

両足のカーフレイズが簡単にできる方は、片足ずつ行うことで負荷を増やすことができます。

■足や歩行量に適した靴を履く
かかとに痛みがあるときは、バレエシューズ(ぺたんこ靴)やハイヒールなどかかとの負担が大きい靴ではなく、クッション性が高くヒールのないスニーカーを履くようにしましょう。
また痛みがない場合も、歩行量が多くなったり立ちっぱなしの時間が長くなることが予想される場合は、かかとに優しいスニーカーを履くことでかかとの痛みの予防につながります。

おわりに

今回は、かかとの痛みについてその原因と対処法および予防法についてご紹介しました。
身体自体の要因に靴や歩行量など外的な要因が加わって負担が増大したときにかかとの痛みを生じることを知っていただき、日頃から身体のケアや負担のかけ方に注意していただくことで多くの痛みを予防することができますので、是非できることから実践していただきたいと思います。

■プロフィール

監修:いきいき100歳応援中(理学療法士)
専門:整形外科疾患、介護予防分野

自己紹介
二児の母でもある理学療法士。整形外科疾患、介護予防分野を専門とし、
病院勤務の傍ら健康や医療に関する記事を執筆している。

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