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高齢者必見!転倒予防におすすめのバランストレーニング

2019-11-22

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はじめに

私たちの身体は年齢を重ねるとともに、様々な変化を生じます。
知識の量や経験が増えることで様々な場面に対応できるようになるなどよい面がある一方で、肌や内臓をはじめ身体機能については中高年以降大きく低下してきます。
その一つにバランス機能があります。
バランス機能が低下することで歩行や立ち上がり、方向転換などでふらついたり転倒するリスクが高まります。
高齢者の場合は、転倒が骨折などの大きなケガにつながり、そのまま寝たきりになったり大きく筋力の低下を生じて歩けなくなる可能性があります。
そこで今回は、転倒予防におすすめのバランストレーニングについてご紹介します。

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高齢者の主な転倒原因

高齢者が転倒する主な原因をご紹介します。

■筋力低下
多くの方は年齢とともに四肢体幹の筋力が低下します。
立ち上がりや階段昇降、畑や田んぼなどの不整地で踏ん張る力が足りずに転倒してしまったり、ふとバランスを崩したときに転倒することがあります。

■バランス機能低下
私たちは足の裏からの感覚(足底感覚)や目に映る景色(視覚)、耳の奥で傾きを感じ取る三半規管など様々な感覚器からの情報を常に読み取りながらバランスをとるように調整しています。
年齢とともにその感覚機能が低下するとバランスがとりにくくなり、転倒しやすくなってしまいます。

■膝や腰の痛み
膝や腰など運動器の痛みも転倒の原因となります。
立ち上がりや歩行など力を入れた瞬間にどこかに痛みがあると人間は防御反応として脱力してしまうため、腰が抜けたり膝が崩れるような形でバランスを崩し、転倒につながります。

■認知機能低下
アルツハイマー病など病的な認知機能の低下でなくても、私たちの認知機能は徐々に低下していきます。
認知機能が低下すると段差や傾斜に気づきにくくなったり、バランスを崩したときにも反応が遅れるため、転倒を防ぐことができなくなってしまいます。

■視力・聴力低下
高齢者特有の老眼、白内障、緑内障などに対し、もう歳だからと治療をせずに視力の低下を放置していると、小さな段差や傾斜、障害物に気づけず転倒につながることがあります。
また聴力が低下することに関しても、注意喚起の音が聞こえなかったりすることで転倒のリスクを高めることにつながりますので可能な限り、視力や聴力の矯正や治療は受けるようにしましょう。

■薬の副作用
高齢者の中には複数の内服薬を飲んでいる方がおられますが、その中には眠くなったりぼーっとしやすくなるような副作用を持つ薬があります。
特に高齢者は不眠の方が多いので、睡眠に関する薬を使用してその効果が日中も残っている場合があります。
長期間使用していると薬の副作用に気づかなくなっていることもありますが、今一度確認してその可能性がある場合には、主治医や薬剤師に相談して薬の変更を検討してください。

■転倒しやすい環境因子
お風呂の中や雨の日の道路など床が濡れていると転倒のリスクが高まります。
床の上に物がたくさん置いてある部屋や照明器具が整備されていない薄暗い部屋なども転倒のリスクが高まります。
また屋内外での履きものもとても重要な要素で、室内でスリッパを履くことや屋外で踵が固定されていないようなサンダルを履くことも転倒のリスクになります。
身体機能が同じでもこれらの環境因子に注意し、できる限り環境を整備することで転倒の可能性が下がります。

おすすめのバランストレーニング7選

バランス機能を改善するためにおすすめのトレーニングをご紹介します。

■踵上げ
ふくらはぎの筋肉はしっかりと踏ん張るうえでとても大切な筋肉です。
つま先立ちになることでふくらはぎの筋肉を鍛えるほか、前方に重心が移動したときにバランスをとる練習になります。

1. 両足を骨盤の幅に開いて立ち、つま先がまっすぐ進行方向を向くようにそろえます。
2. ゆっくり踵を上げ、上げきったらゆっくりと下ろします。このとき、足趾は強く曲げないように注意してください。
3. この動作を10〜20回繰り返し行います。

両足での踵上げでは物足りない方は、片足ずつ行うことで負荷を増やすことができます。
片足での踵上げはバランスが取りにくいので、まずは壁や手すりを持った状態から始め、徐々に手を離せるようにすることを目標に行ってみましょう。

■つま先上げ
踵上げで重心を前方に移動したのに対し、つま先上げでは重心を後方に移動させます。
後方重心になったときにバランスをとる練習を行います。

1. 手すりなど安定した持ち手の前に立ち、両足を骨盤の幅に開きます。
2. 重心を徐々に踵のほうに移し、つま先を上げて踵だけで立っている状態になります。
3. いける限り後ろまで重心を下げたらゆっくり重心を元に戻して直立になります。
4. この動作を繰り返し行います。

このトレーニングは重心を後ろに下げすぎると後方転倒してしまう恐れがありますので、最初は手すりなどを持って行い、感覚がつかめたら手すりを離してチャレンジしてみてください。

■骨盤回し
バランスを崩したときに自分でバランスをとり、体勢を修正できる範囲を広げるトレーニングです。

1. 両足を骨盤の幅に開いて立ち、腰に手をあてます。
2. フラフープを回す要領で、骨盤を前後左右に円を描くように回します。
3. 少しずつ円を大きくしていき、重心を大きく動かします。
4. 時計回りと反時計回りをどちらも行い、回しにくい方があればそちらをより多く行います。

■足趾グーパー
足趾は地面を蹴って推進力を得る役割を持つとともに、地面をしっかりとつかむことで転倒せずバランスをとる役割もあります。
足趾を手のグーパーと同じように大きく握ったり伸ばして趾の間を拡げたりする練習を行うことで足趾の動きがよくなります。

■タオルギャザー
足趾のグーパーとともに足趾を鍛えるトレーニングです。

1.両足がしっかりと床につく椅子に座り、濡れたフェイスタオルを絞って自分の足の前に縦向きに置きます。
2.置いたタオルの手前端に両足を置き、足趾をグーパーしながらタオルを少しずつ手繰り寄せます。
3.タオルの向こう端が足元にくるまで引っ張りきったら再びタオルを伸ばして敷き、繰り返し手繰り寄せを行います。

タオルギャザーに慣れた方はタオルの向こう端に錘を置いて重くすることで負荷を増やすことができます。
逆に、うまくタオルを引き寄せられない方はまずはタオルなしでグーパーの練習をしたり、手を使って足趾の曲げ伸ばしや開く練習を行ってからタオルギャザーに取り組んでみてください。

■片足立ち
バランストレーニングの中でも実践的な練習の一つです。

1. 両手は腰にあてるもしくは胸の前に組むなどして手でバランスを取れないように拘束します。
2. 直立した状態から左右どちらかの足を10?程度持ち上げ、そのままバランスを取ります。
3. 大きくバランスが崩れたり、立っている方の足の位置がずれたら終了します。
4. バランスが崩れない場合は最高1分間片足立ちを続けます。
5. 左右の足を変えて両足とも同じようにトレーニングを行います。

片足立ちが5秒にも満たない方は、慣れるまで手すりなどを軽く持って行うようにしてみてください。
ただし両手でしっかり握ったり、手の方に体重をかけてしまうとバランストレーニングの効果が半減してしまいますので、体重はしっかり足で支えてバランス修正の補助のみを手で助けるようにしてください。

■足踏み
ここまでは静止状態でのバランストレーニングを行いましたが、足踏みでは身体を動かす中でバランスをとる練習を行います。
通常の歩行よりも足は高めにあげ、腕もしっかり振るように意識しながらその場で足踏みをします。
それでバランスを崩すことがなくなったら、今度は途中で回れ右や左をするようにします。
方向転換でもバランスが保てるようになったら、足踏みをしながら前進したり、バック歩行を行ったりしてみましょう。

バランストレーニングにおける注意点

バランストレーニングを行う上での注意点をご説明します。

■安全第一
バランストレーニングの多くは、それ自体に転倒のリスクがあります。
張り切って無理をすると転倒しかねませんので、まずは自分が確実に可能なレベルから始めるようにしましょう。
また少し危険を感じるトレーニングを行う場合には、壁や手すりなどバランスを崩したときにすぐにつかむことのできる場所で行うなどの配慮をして下さい。

■内容を少しずつレベルアップする
安全第一ではありますが、現状でできるトレーニングだけを行っていてはなかなかバランス機能が改善しません。
トレーニングに慣れてきたら、手すりを持っていたのを離したり、両足を片足に変えるなど少しずつレベルアップしていくようにしましょう。

■トレーニングを継続する
トレーニングは一度や二度行っただけでは、成果が現れません。
毎日行うのが理想的ですが、そうでなくても継続して定期的に行うようにしてください。

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おわりに

今回は高齢者の転倒を予防するためにおすすめのバランストレーニングについてご紹介しました。
バランス、筋力といった要素はトレーニングを行うことで低下を未然に防ぐことができ、いつまでも自分の足で行きたいところに行ける健康な身体を保つことができます。
特にバランスについては、若年者や中年層でも機能が低下している方が多々おられますので、この機会から是非バランス機能向上に取り組んでみていただきたいと思います。

■プロフィール

監修:いきいき100歳応援中(理学療法士)
専門:整形外科疾患、介護予防分野

自己紹介
二児の母でもある理学療法士。整形外科疾患、介護予防分野を専門とし、病院勤務の傍ら健康や医療に関する記事を執筆している。

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