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中高齢者必見!膝痛の予防におすすめの筋トレとストレッチ

2019-11-23

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はじめに

近年の日本は平均寿命が延び、シニア層が趣味活動でスポーツや旅行などを楽しむ姿がよく見受けられます。
そんな元気なシニア層にとって切っても切り離せないのが「膝の痛み」ではないでしょうか。
中高年は膝の痛みを抱える方が大変多く、ひどくなると歩くこと、外出することが苦痛になり、日常生活を大きく制限してしまうことがあります。
そこで今回は、中高年に多い膝痛について中高年の特徴や予防におすすめのストレッチ、筋トレの具体的な方法をご紹介します。

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中高年の膝関節に起こる変化

ここでは、膝関節の構造と中高年の膝関節に起こる変化についてご説明します。

■膝関節の構造
膝関節は太ももの骨(大腿骨)とすねの骨(脛骨)で構成され、「蝶番関節」という種類に属するとおり、曲げ伸ばしのみの動きを行うことができる関節です。
立ち座りなどで曲げ伸ばしの動きが必要になるとともに、立っているだけで膝から上の体重を受けているので日常生活内で大きな負荷がかかります。

また、大腿骨と脛骨の関節面の前側には「膝蓋骨(お皿の骨)」があり、上端には太もも前面の大きな筋肉である大腿四頭筋が、下端には膝蓋腱と呼ばれる大きな腱がついており、膝蓋腱は脛骨の上端に付着します。
膝蓋骨は膝の曲げ伸ばしに伴って大腿骨の前面を上下に滑るように動いたり、立ち上がりなど踏ん張る瞬間に大腿四頭筋が収縮することで膝蓋骨が大腿骨に押し付けられるような動きをします。
そういったことから通常の関節とは形状が違いますが、膝蓋骨と大腿骨の間でも「膝蓋大腿関節」という関節を持っています。

■中高年の膝関節に起こる変化
何十年も日々膝関節に負荷をかけていると、関節が摩耗してきます。
その結果、大腿骨と脛骨の間でクッション材の役割をしている「半月板」が擦り減って傷つく「半月板損傷」を起こしたり、関節面の骨自体が変形してしまう「変形性膝関節症」を起こします。
中高年になると多少の変形はほとんどの方で見られますが、ひどくなると変形によって痛みを伴ったり、変形が進行して大腿骨と脛骨がぶつかって可動域制限が生じることがあります。
また、年齢を重ねると徐々に筋力が低下したり筋肉を始めとする軟部組織の柔軟性が低下し身体が硬くなってきます。 筋力が低下することで膝関節を支える力も低下するので、前に述べたような変形や損傷が起こりやすくなってしまいます。
軟部組織が硬くなることでちょっとした動作などでも膝周囲の靭帯を損傷したり、肉離れを起こしやすくなってしまいます。
このように筋力が低下身体が硬くなっている中でスポーツなど激しい動きをすると、ケガのリスクも高まります。

膝痛の予防におすすめのストレッチ

膝痛を予防するためには、関節の周りの筋肉を柔軟にすることが効果的です。
ここで膝痛の予防におすすめのストレッチをご紹介します。

■ふくらはぎのストレッチ
ふくらはぎの筋肉を柔軟にすることで、足関節(足首)の可動域が拡大します。
足関節は地面に最も近い大関節なので、足関節を柔軟にして地面からの衝撃を吸収する機能が高まると膝に対する衝撃が抑えられ、摩耗を防ぐことができます。

1.壁など体重を支えられるような場所に向かって立ち、両手を壁についたら両足を前後に軽く開きます。
2.後ろに引いた方の足のつま先が進行方向を向くようにまっすぐ置き、膝を伸ばしたままで踵が浮いてしまわないぎりぎりのところまで身体を前に倒します。
3.ふくらはぎの筋肉に伸張感を感じながら壁に付いた手に体重をかけて20〜30秒静止します。
4.左右の足を入れ替えて反対の足もストレッチを行います。

■太もも前面のストレッチ
太もも前にある大腿四頭筋が硬くなると膝蓋骨の動きが悪くなり膝蓋大腿関節への負荷が大きくなり、膝蓋骨の周囲で炎症を起こす「膝蓋骨周囲炎」のリスクが高くなるので、しっかりと柔軟性を維持する必要があります。

1.仰向けに寝て片側の足だけ正座をするように曲げます。
2.曲げた方の膝が外に開かないように注意して、太ももの前側に伸張感が感じられたら20〜30秒ほど静止してストレッチします。
3.左右の足を反対にして行います。
身体が硬く、仰向けのやり方が難しい場合はうつ伏せに寝て、片側の膝をできる限り曲げて足先を手で持つようにします。

■お尻のストレッチ
大臀筋はお尻にある最も大きい筋肉で、柔軟性を高めることで股関節が曲がりやすくなります。
膝関節の上にある股関節がしっかり動くことで膝への負担も軽減することができます。

1. 床の上に仰向けに寝ます。
2. 片方の股関節と膝関節が90度になるように足を浮かして曲げ、反対の足はあぐらをかくように浮かした足の太ももに引っ掛けます(自分から見える両足が4の字を描くようになります)。
3. 90度に曲げた方の足の太もも裏を両手で抱え、自分の体に引き付けるように引っ張ります。
4. 引っ掛けた方のお尻に伸張感を感じたらその肢位で20〜30秒ほど静止してストレッチします。
5. 左右の足を反対にして行います。

■太もも後面のストレッチ
太ももの裏にはハムストリングス(大腿二頭筋)という大きな筋肉があります。
ハムストリングスが柔軟になると大臀筋同様股関節の動きが改善し、膝への負担を軽減することができます。

1. 床の上で両足を開脚して座ります。
2. ストレッチする方の膝は伸ばしたまま、反対の足は曲げて伸ばした方の太ももの内側につけるようにします。
3. ストレッチする方の足に向けて上半身を倒し、伸ばした方の足のつま先もしくはすねのあたりを持ちます。
4. 太ももの裏に伸張感が感じられたら、その肢位で20〜30秒ほど静止しストレッチします。
5. 左右の足を反対にして行います。

膝痛の予防におすすめの筋トレ

膝関節を守るためには、膝関節周囲の筋力をしっかりと維持する必要があります。
ここで膝痛の予防におすすめの筋トレをご紹介します。

■セッティング
大腿四頭筋の中でも「内側広筋」という太もも前面内側に走行している筋肉を鍛えるトレーニングです。
この筋肉は膝痛や運動不足などで機能が低下しやすく、力が入りにくくなると膝を伸ばし切るのが難しくなったり、つい膝が内側に入って膝を捻りやすくなってしまう筋肉です。
膝痛の予防のためにも日頃から積極的に鍛えておきたい筋肉です。

1. 両足を伸ばして床の上に座り、トレーニングを行う方の膝裏に丸めたバスタオルもしくは適度な高さのクッションを入れます。
2. 太もも前面に力を入れて膝を精一杯伸ばし、膝の裏でバスタオルまたはクッションを押しつぶすようにします。このとき、力を入れている足の踵は膝裏を押しつぶすと同時にやや床から浮くくらいが理想的です。
3. 太もも前面に力を入れてタオルを押しつぶしたら、内側広筋に力が入って硬くなっていることを自分の指で触れて確認し、3秒保持したら一度力を抜きます。
4. 2〜3の動きを10回程度繰り返したら左右を入れ替え、反対の膝にも力を入れる練習をします。

■ブリッジ
立ち上がりや歩行にはお尻の最も大きな筋肉である大殿筋が重要な役割を担っています。
大臀筋がしっかり働くことで膝に対する負担も軽減されます。
ブリッジは大臀筋とともに背筋も鍛えられるトレーニングです。

1. 両膝を立てて仰向けに寝ます。手はお腹の上に置くか身体の横で床の上におきます。
2. ゆっくりとお尻を浮かしていき、身体を横から見た際に肩から膝までが一直線になるところまでお尻が上がったら3秒止め、ゆっくりお尻を下ろす動作を繰り返し行います。
3. 余裕がある場合はお尻を上げたところで肛門をしめるように意識するとより効果的です。

負荷に余裕がある方は一方の脚を反対の脚の上にかけ、片足でブリッジを行ってみてください。

■スクワット
スクワットは下肢の筋力トレーニングとして代表的なトレーニングで、股関節や膝関節周囲の筋肉をバランスよく鍛えられます。
さらに、スクワットを正しいフォームで行うことで膝に負担の少ない動き方が身につくためとても大切なトレーニングです。

1.足を骨盤の幅に広げ、両足は平行かややつま先が外向きになるようにします。手は身体の横に自然に置いておくか、頭の後ろもしくは腰の後ろで組みます。
2.背筋をまっすぐに伸ばしたまま重心が前後しないように気をつけてゆっくりと股関節、膝関節を曲げて重心を落とします。
3.膝と股関節が90度程度になる(ハーフスクワット)か太ももが床と平行になる(フルスクワット)ところまで重心が下がったら、ゆっくりと重心を上げ最初の肢位まで戻ります。

おわりに

今回は、中高年層に多い膝痛について予防のためにおすすめのストレッチや筋トレをご紹介しました。
痛みが出る前からこれらのケアを行っておくことで多くの膝痛を予防することができます。
これらのケアを始めるのが早ければ早いほど膝の変形や半月板の摩耗を減らすことができますので、是非今日から始めていただき、一人でも多くの方に充実した活動的な日々を過ごしていただきたいと思います。

■プロフィール

監修:いきいき100歳応援中(理学療法士)
専門:整形外科疾患、介護予防分野

自己紹介
二児の母でもある理学療法士。整形外科疾患、介護予防分野を専門とし、病院勤務の傍ら健康や医療に関する記事を執筆している。

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