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高齢者の姿勢でよくみられる円背についての理解と円背に対してのストレッチ・運動について

2019-11-27

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はじめに

パソコンやスマホを毎日、長時間操作する人や高齢者の方々は背中が丸まった姿勢(円背)になりやすくなっており、この姿勢を長期間行うことにより、多くのデメリットがみられます。

今回の記事は高齢者の姿勢の変化の原因とそれに伴うデメリットを解説した後に高齢者の姿勢の変化に対する改善方法をお教えします。

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高齢者の姿勢の変化

最近では若い人でもパソコンやスマホを触っている時に猫背になっている人がみられますが、高齢者の猫背は背中の丸まりがより悪くなっているケースが多くみられています。

高齢者の背中や腰が「大きく曲がった状態」のことを円背(えんぱい)と呼ばれており、女性に多くみられています。

このような円背の姿勢になってしまう原因としては以下のような原因がみられます。

1.下半身・体幹の筋力が弱くなっている

円背姿勢は下半身・体幹周辺の筋力が弱くなることが原因である場合がほとんどとなっています。下半身には全筋肉の7割程度の筋肉があり、体のバランスをとったり姿勢を支えるなどさまざまな役割を果たしています。

また、運動不足になるとまず下半身の筋力から弱くなるため、正しい姿勢を保つのが難しくなり円背姿勢になる可能性が高くなります。そのため、普段の生活からしっかり下半身・体幹の筋力を付けておくことが大切になります。

2.脊椎(せきつい)の変形がみられる

円背による猫背は閉経後の女性に特に多くみられているのですが、これは閉経後の女性の骨はもろくなってしまうことが関係しています。

高齢者になるにつれて多くの椎体間の椎間板(ついかんばん)が変性してしまったり、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の影響で多くの椎体(ついたい)が押しつぶされてしまって背骨の骨折がおこなってしまいます(脊柱圧迫骨折(せきちゅうあっぱくこっせつ))

高齢者の円背の方々全員が骨の変形が起こっているわけではありませんが、もし骨が一度変形してしまうと元に戻ることがないため、閉経後の女性は特に円背にならないためにも骨粗しょう症を予防することが重要となります。

3.生活習慣などの日常生活動作に影響される

円背の姿勢になってしまう原因は生活習慣などが大きな影響をうけていることがあります。

昔から農作業されている方々は腰をかがめて長時間作業を行うため、円背などの姿勢が悪くなってしまう割合が高いという報告もあります。

このように、長期間の間、姿勢が悪く状態が続いていた場合は脊柱が変形し、円背の姿勢になってしまいます。

円背になることによるデメリット

円背の姿勢になることにより、さまざまなデメリットがみられてきます。円背になることにより、どのような影響があるのかを解説していきます。

1.体のさまざまな所に痛みが出てしまう

背骨は真っすぐではなくS字のカーブをしています。そのため、背骨の1か所に問題を生じてしまうと背骨の他の部分にも影響がおこってしまいます。

多くの影響のみられる症状としては頸部痛や腰痛、肩こりなどの症状が現れてしまいます。

2.胸部・腹部への影響がみられる

円背は背中が常に丸まっているために、腹部・胸部の圧迫されそれに伴い内臓も圧迫されてしまいます。

その影響により内臓が圧迫され食欲が減退したり、便秘・食欲低下などがみられてしまいます。

また、呼吸機能にも影響が出てしまい、胸郭(肋骨など)の動きも制限されてしまうため呼吸機能の低下も行ってしまいます。

3.転びやすくなる

背骨などの体幹の動きが制限されるとバランス感覚が低下し、転倒のリスクが増すとも言われています。

もし、転倒してしまうと最悪の場合は骨折してしまい、寝たきりの大きな要因となってしまうため注意が必要です。

4.下肢関節への悪影響

円背姿勢が続いてしまうと関節にかかる負担が強くなり、足の変形性関節症の発生や進行がおこってしまう危険性があります。

このように、円背は見た目だけではなく、様々な問題を引き起こす原因のひとつとなります。

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円背に対するストレッチと運動

円背の人は次のようにさまざまな動きが制限されます。

1. 背中を伸ばす動き
2. 肩甲骨の動き
3. 骨盤の動き

このように円背になると多くの影響がみられます。そのため、これらの動きに対してストレッチを中心に行うことが重要になります。

1. 背中を伸ばすストレッチ

両手を床につけておしりを後ろに引くようにして四つ這いの姿勢をとります。その後、少しずつお尻を後ろに引いていき、腕が耳に付くくらいまで伸ばしたら、その姿勢で10秒程度姿勢を保つようにします。

このストレッチを行うことにより、背中から肩までが伸ばされます。

2.肩甲骨ストレッチ

円背の姿勢では左右の肩甲骨がお互いの距離が近づきすぎている傾向が多くみられます。そのため、肩甲骨をお互い引き離すようにストレッチを行っていきます。

実際のストレッチの一例は、椅子などに腰をかけて胸の前で両手を組むようにします。その後、組んだ両手を斜め下方向に伸ばして、おへそを引き込みながら背中を丸めます。

その際、左右の肩甲骨を引き離すようなイメージで、そのまま10秒程度姿勢を保つようにします。

3.骨盤の運動

骨盤などの腰の動きは姿勢に大きな影響を与えており、円背になると腰にも影響が出てしまいます。

円背の姿勢では多くの人は、骨盤が後ろへ傾き強くなっています。そのため、骨盤を前方へ傾ける運動を行うことが円背には有効となります。

実際の運動としましては、椅子に浅く座り、骨盤を前に倒れやすくするようにお尻の後ろ半分にタオルを挟みます。この姿勢から骨盤を意識的に前方へおこすような運動を10回程度行うようにします。

運動開始当初は骨盤が動いている感じがなくても、継続して行うことにより少しずつ骨盤の動きが出てくるようになります。

まとめ

高齢者になると以下の原因で背中が丸まった円背になってしまう場合があります。

1.下半身・体幹の筋力が弱くなっている
2.脊椎(せきつい)の変形がみられる
3.生活習慣などの日常生活動作に影響される

これらが理由で円背姿勢になってしまう場合が多くみられます。

円背姿勢になってしまうとさまざまな以下のようなデメリットがみられます。

1.体のさまざまな所に痛みが出てしまう
2.胸部・腹部への影響がみられる
3.転びやすくなる

姿勢が変わることで多くの影響が出てしまいます。

円背の人は以下のような動きが制限してしまう特徴が多くみられます。

1.背中を伸ばす動き
2.肩甲骨の動き
3.骨盤の動き

これらの制限に対してストレッチや運動を行うことにより動きの制限が少なくなり、円背の姿勢改善につながります。

【経歴】
野田 政誉士
(理学療法士、介護支援専門員、福祉住環境コーディネーター2級)
約10年前に理学療法士の資格を取得し、病院に勤務。急性期・回復期・生活期までの病期を経験するものの主に回復期リハビリテーション病棟にて臨床業務を実施。
現在は管理職として勤務しており、臨床業務だけではなく管理業務の両方を行っており、病棟の知識だけではなくの知識だけではなく、在宅への介入やマネジメント業務にも力を入れている。

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