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歴史ある伝統工芸も豊富な秋田県 大館曲げわっぱ、本荘ごてんまり、川連漆器をご紹介!

2020-01-14

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東北は長い歴史に培われた伝統工芸が今も息づく地方ですが、秋田にはそのことを裏付ける魅力的な伝統工芸品が数多くあります。
ここでは全国的に知名度の高い大館曲げわっぱや、その繊細さが人気の本荘ごてんまりなど、秋田県の伝統工芸について紹介していきたいと思います。

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1300年の歴史を感じさせる「大館曲げわっぱ」

大館曲げわっぱは秋田県大館市の伝統工芸で、経済産業大臣指定の伝統的工芸品でもあります。
古くは1300年ほど前から秋田杉を薄く削り取って円形に加工した容器・曲物(まげもの)が作られており、大館郷土博物館には平安時代に作られたと言われる曲げわっぱが所蔵されています。
本格的に産業として生産されるようになったのは江戸時代で、この地を領有していた佐竹氏が下級武士の副業として曲げわっぱの製作を奨励したことがきっかけです。
秋田県には天然三大美林に数えられる「天然秋田杉」があります。
曲げわっぱには樹齢200〜250年のものが使用され、年輪の幅が細かく節のない柾目と美しい光沢が特徴です。
柾目というのは、木の模様がまっすぐ平行に出ているもので、木の中心部からしか取ることができないため貴重なものとなります。
曲げわっぱはその柾目部分を薄く剥いで熱湯に浸けて柔らかくしたものを時間を空けずに曲げて乾燥させ、桜皮で縫い留めて隙間ができないように底面をはめて完成させます。
天然秋田杉独特の香りの良さと美しい木目が中に入れる食べ物をさらに美味しそうに見せてくれます。

元々は円筒型の曲物で「おひつ」や「弁当箱」として使われていましたが、近年ではコップやジョッキのような飲料用、照明器具のようなインテリアにも活用されるようになりました。
また、天然秋田杉が自然保護の観点から2013年に伐採が禁止されたため、現在は人工的に植林された樹齢100年前後の「秋田杉」が使用されるようになり、最近のものは年輪の幅が少し広めになっていることや、色合いが天然秋田杉より若干赤みがかっているなどの特徴があります。
しかし、秋田杉特有の優しい香りや美しい木目は全く変わらないため、曲げわっぱの原材料として使うには最適とされています。

日本古来の伝統美「本荘ごてんまり」

ごてんまりは元々「手まり」と呼ばれており、古く鎌倉時代の貞応2年(1223年)に手鞠会が開催されていたという記録が残っています。
「ごてんまり」という名称については、御殿女中が仕えている姫のために作った遊び道具が発祥という説があります。

江戸時代には現在の本荘ごてんまりのルーツと言われる「かけまり」が作られるようになっていきます。
かけまりはゼンマイという山菜の先部分についている綿(ゼンマイ綿)を丸めて芯にして、機織りで余った糸などを巻いて作っていたとされています。
その後、綿の栽培が普及して木綿糸が入手しやすくなると、ハマグリ殻を木くずで巻いて、さらに綿を巻いた上から色糸で巻き、美しく仕上げるようになっていきました。
しかしその後、「ゴムまり」が普及すると「かけまり」は衰退していきます。

昭和の時代に入って、かけまりの手法を受け継いでいた豊島スエノさんと、古い菊花模様の手鞠を作る技法の復元に成功した斎藤ユキノさんや児玉八重子さんたちが、昭和36年に開催された秋田国体の記念品として「ごてんまり」を製作することになったのがきっかけとなり、「ごてんまり」は復活を遂げていくことになります。
国体に参加していた他県の人たちが地元にごてんまりを持ち帰ったことで、ごてんまりの知名度は一気に全国的なものへと高まっていきましたが、まだ量産できなかったので大規模な市販は行われませんでした。
しかし、その後は入手が困難なゼンマイ綿を「もみ殻」に変え、周りの刺繍糸を鮮やかな色合いのリリアンにすることで大量生産ができるようになっていきます。
この頃に本荘の人たちが作っていたことから「本荘ごてんまり」という名称になったとされ、古くから伝わるごてんまりの三方に美しい房をつけるなどの改良を経て現在の本荘ごてんまりへと変貌していきました。

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美しさと実用性を併せ持つ「川連漆器」

秋田県を南に進んでいくと「川連漆器」を生んだ湯沢市川連町があります。
川連漆器の誕生は鎌倉時代が始まったばかりの1193年頃、源頼朝の部下でこの地を治めていた小野寺重道という稲庭城主の弟である小野寺道矩が、奥羽山脈の豊富な漆や木材を利用して鎧、刀の鞘などの武具に漆を塗らせる内職をさせたことがきっかけとされています。
江戸時代に入ると本格的に漆器が製作されるようになり、江戸時代後期には藩の保護政策を受けて重箱や椀、御膳などの漆器が大々的に作られ、他の地方にも販売されるようになっていきます。
その後、日常生活に使用される器として関東地方を中心に広がっていく中で1975年には国の伝統的工芸品、1996年には県の伝統的工芸品に指定されています。

製作は「木地作り」「下地作り」「塗り」「加飾」という4つの工程で行われます。
川連漆器で特に重要とされる下地作りには「堅地仕上げ」と言われる技法が使われています。
これは柿渋汁と炭粉を混ぜたものを塗って乾いたら研ぎ、生漆を塗るという作業を数回繰り返すもので、この段階で非常に丈夫な下地が出来上がります。
その後、中塗、上塗を繰り返して「花塗」「呂色塗」のどちらかで仕上げられます。
「花塗」は油分を含んだ朱漆か黒漆を塗って乾燥させるもので、研いだり磨いたりしないのでしっとりとした美しい光沢となります。
一方、「呂色塗」は油分を含まない黒漆を塗り、乾燥後に磨いて艶を出す方法です。

これ以外にも秋田には古い歴史を持つ伝統工芸がいくつもあります。実用的で見た目も美しい伝統工芸品をぜひ実際に見てみましょう。

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