関節痛

変形性膝関節症を予防するには!?おすすめのストレッチと筋トレ

2020-01-20

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はじめに

中高年になると多くの方が手足や腰などなんらかの部位に痛みを抱えて生活していますが、その中でも特に多いのが膝関節の痛みです。
歳だからとあきらめている方もおられますが、日頃から必要なケアを行うことでいくらかの膝痛は予防することができます。
そこで今回は、多くの方が悩む変形性膝関節症を発症する主な原因と予防するためのストレッチや筋トレをご紹介します。

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変形性膝関節症とは?

私たちは、毎日膝関節に体重をかけて生活しています。
また歩くだけでなくしゃがみや階段昇降など膝に力を入れたり曲げ伸ばしをして、計り知れないほどの負荷を膝にかけています。
変形性膝関節症は、そのように膝関節に毎日負担をかけ続けることで骨やその周りの軟骨が擦り減って変形してしまう疾患です。
中高年になると多くの方が多少の変形は伴いますが、軽度であれば特別痛みや可動域制限を伴わないことがほとんどです。
しかし変形が進み、太ももの骨(大腿骨)とすねの骨(脛骨)の間の隙間がなくなり骨同士がぶつかってしまうと、強い痛みや可動域制限を伴います。
軽度であれば膝関節周囲の筋力をつけたり関節の動きをよくするようなリハビリを行って改善する場合もありますが、変形がひどく症状が改善しない場合は人工関節を入れる手術を行うこともあります。

変形性膝関節症の原因は?

変形性膝関節症の主な原因をご紹介します。

■柔軟性不足
下半身には下から足関節(足首)、膝関節、股関節という3つの大きな関節があり、歩いたり走ったりするときに地面から受ける衝撃を吸収しています。
しかし、これらの関節の周りの筋肉の柔軟性が不足していると関節の動きが制限され、衝撃吸収機能も低下してしまいます。
関節のスムーズな曲げ伸ばしによって衝撃吸収が上手くできないと関節にかかる圧が大きくなってしまうので、関節が早く擦り減り変形を起こしてしまいます。

■筋力不足
膝関節の周りにはたくさんの筋肉があり関節を支えています。
加齢や運動不足によって筋力が低下すると、関節を支える力が弱くなり関節が擦り減る度合いも強くなり変形が進んでしまいます。
また下半身は足関節、膝関節、股関節が連動して力を発揮することによって歩いたり踏ん張ったりしており、股関節や足関節周囲の筋力が低下することでも膝関節への負担が大きくなってしまいます。
膝関節の変形を予防するためには下半身全体の十分な筋力が必要になります。

■体重過多
膝関節には膝から頭の先までの体重が全てかかっており、体重が重ければ重いほど膝関節に対する圧が増します。
膝関節にかかる圧を関節周囲の筋肉で支えることはもちろん大切ですが、体重過多になると関節の変形も早めることになってしまうので適正な体重であることが変形性膝関節症の予防につながります。

■過負荷
重量物の持ち上げやジャンプなど膝関節に対する負荷の大きい作業や運動を日常的に反復して行う方は、さほど負荷をかけていない方に比べて変形が起きやすくなってしまいます。
実際に、練習や試合で同じような動作を反復して行うことが多いスポーツ選手は、筋力や柔軟性がしっかりしていても年齢を問わず変形が進行している場合があります。

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変形性膝関節症予防のためのストレッチ

下半身の柔軟性を高めるために必要なストレッチをご紹介します。

■ふくらはぎのストレッチ
ふくらはぎの筋肉を柔軟にすることで、足関節の可動域が拡がります。
足関節は地面に最も近い大関節なので、地面からの衝撃を吸収する機能が高まると膝に対する衝撃が抑えられ、変形を防ぐことができます。

1.壁に向かって立ち、肘を伸ばして両手を壁についたら両足を前後に軽く開きます。
2.後ろに引いた方の足のつま先が進行方向を向くようにまっすぐ置き、膝を伸ばしたままで踵が浮いてしまわないぎりぎりのところまで身体を前に倒します。
3.ふくらはぎの筋肉に伸張感を感じながら壁に付いた手に体重をかけて20〜30秒静止します。
4.左右の足を入れ替えて反対の足もストレッチします。

■太もも前面のストレッチ
太もも前面にある大腿四頭筋が硬くなると膝関節が曲がりにくくなります。
しゃがんだり正座が難しくなり、無理に行うと関節に負担をかけてしまうので柔軟性を保つ必要があります。

1.仰向けに寝て片側の足だけ正座をするように曲げます。
2.曲げた方の膝が外に開かないように注意して、太ももの前側に伸張感が感じられたら20〜30秒ほど静止します。
3.左右の足を入れ替えて反対の足もストレッチします。

身体が硬く、仰向けのやり方が難しい場合はうつ伏せに寝て、片側の膝をできる限り曲げて足先を手で持つようにしてください。

■お尻のストレッチ
大臀筋はお尻にある最も大きい筋肉で、柔軟性を高めることで股関節が曲がりやすくなります。
股関節がしっかり動くことで膝関節への負担を軽減し、変形を防ぐことができます。

1. 床の上に仰向けに寝ます。
2. 片方の股関節と膝関節が90度になるように足を浮かして曲げ、反対の足はあぐらをかくように浮かした足の太ももに引っ掛けます(自分から見える両足が4の字を描くようになります)。
3. 90度に曲げた方の足の太もも裏を両手で抱え、自分の体に引き付けるように引っ張ります。
4. 引っ掛けた方のお尻に伸張感を感じたらその肢位で20〜30秒ほど静止します。
5. 左右の足を入れ替えて反対の足もストレッチします。

■太もも後面のストレッチ
太ももの裏にはハムストリングス(大腿二頭筋)という大きな筋肉があります。
ハムストリングスが柔軟になると大臀筋同様股関節の動きが改善し、膝への負担を軽減することができます。

1. 床の上で両足を開脚して座ります。
2. ストレッチする方の膝は伸ばしたまま、反対の足は曲げて伸ばした方の太ももの内側につけるようにします。
3. ストレッチする方の足に向けて上半身を倒し、伸ばした方の足のつま先もしくはすねのあたりを持ちます。
4. 太ももの裏に伸張感が感じられたら、その肢位で20〜30秒ほど静止します。
5. 左右の足を入れ替えて反対の足もストレッチします。

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変形性膝関節症予防のためのトレーニング

膝関節の負担を減らすために必要な筋力トレーニングをご紹介します。

■セッティング
大腿四頭筋の中でも「内側広筋」という太もも前面内側に走行している筋肉を鍛えるトレーニングです。
膝を伸ばしきったり膝を安定させるために大切な役割をする筋肉ですが、筋力低下しやすいのでしっかりと鍛えておく必要があります。

1. 両足を伸ばして床の上に座り、トレーニングを行う方の膝裏に丸めたバスタオルもしくは適度な高さのクッションを入れます。
2. 太もも前面に力を入れて膝を精一杯伸ばし、膝の裏でバスタオルまたはクッションを押しつぶすようにします。このとき、つま先は天井を向くようにしっかりと起こします。
3. 太もも前面に力を入れてタオルを押しつぶしたら、お皿の骨(膝蓋骨)の上方の内側にある内側広筋に力が入って硬くなっていることを自分の指で触れて確認し、3秒保持したら力を抜きます。
4. 2〜3の動きを10回程度繰り返したら左右を入れ替え、反対の膝にも力を入れる練習をします。

■ブリッジ
立ち上がりや歩行にはお尻の最も大きな筋肉である大殿筋がしっかり機能する必要があり、大臀筋がしっかり働くことで膝に対する負担も軽減されます。
ブリッジは大臀筋を簡単に鍛えられるトレーニングです。

1. 両膝を立てて仰向けに寝ます。手はお腹の上に置くか身体の横で床の上におきます。
2. ゆっくりとお尻を浮かしていき、身体を横から見た際に肩から膝までが一直線になるところまでお尻が上がったら3秒止め、ゆっくりお尻を下ろす動作を繰り返し行います。
3. 余裕がある場合はお尻を上げたところで肛門をしめるように意識するとより効果的です。

負荷に余裕がある方は一方の脚を反対の脚の上にかけ、片足でブリッジを行ってみてください。

■スクワット
スクワットは股関節や膝関節周囲をはじめ下半身の筋肉をバランスよく鍛えられます。
さらに、スクワットを正しいフォームで行うことで膝に負担の少ない動き方が身につくためとても大切なトレーニングです。

1.足を骨盤の幅に広げ、両足は平行かややつま先が外向きになるようにします。手は身体の横に自然に置いておくか、頭の後ろもしくは腰の後ろで組みます。
2.背筋をまっすぐに伸ばしたまま重心が前後しないように気をつけてゆっくりと股関節、膝関節を曲げて重心を落とします。
3.膝と股関節が90度程度になる(ハーフスクワット)か太ももが床と平行になる(フルスクワット)ところまで重心が下がったら、ゆっくりと重心を上げ最初の肢位まで戻ることを繰り返し行います。

おわりに

今回は中高年に多い加齢疾患である「変形性膝関節症」についてその原因と予防のためのストレッチや筋トレをご紹介しました。
今回ご紹介したストレッチや筋トレは痛みが出てからリハビリとしても効果がありますが、痛みがでてから始めるよりも痛みが出る前に予防的に行う方が簡単によい状態を維持することができます。
特別な道具を用意しなくても自宅でいつでもできるものばかりですので、是非日常的な身体のケアとして今日から始めていただきたいと思います。

■プロフィール

監修:いきいき100歳応援中(理学療法士)
専門:整形外科疾患、介護予防分野

自己紹介
二児の母でもある理学療法士。整形外科疾患、介護予防分野を専門とし、病院勤務の傍ら健康や医療に関する記事を執筆している。

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