股関節の骨折と原因・予防方法とは

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はじめに

高齢者になれば、若い時と比べて骨がもろくなってしまいます。そのため、高齢者が転倒など比較的軽い外力で骨折してしまいます。

転倒してしまうと股関節の骨が骨折しやすくなります。

股関節の骨折において最も頻度が高い骨折が「大腿骨頸部骨折」となります。

大腿骨頸部骨折は手術を必要とすることも多くみられ、発症をきっかけにベッド上での生活が長くなり、結果的に寝たきりになってしまう方も多くいるなど、大きな社会問題となっており、今度も高齢化が進むため骨折をおこしてしまう人数が増えると予測されます。

今回の記事は股関節の骨折の理解と原因・予防方法に詳しく解説します。

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大腿骨頚部骨折とは

股関節の骨の一番上の部分は丸い形をしており骨頭(こっとう)と呼ばれており、骨頭のすぐ下の細くなった部分を頚部(けいぶ)と呼びます。頚部を外側に辿っていくと太くてでっぱった部分につながります。この太く出っ張った部分のことを転子部(てんしぶ)と呼びます。

大腿骨頸部のところを骨折すれば「大腿骨頸部」、大腿骨転子部のところを骨折すれば「大腿骨転子部骨折」と呼びます。

2つの骨折に関してはよく似ているものの骨折する場所によって区別されています。

大腿骨頸部骨折の症状と治療

大腿骨頸部骨折の症状としては、転倒や転落してしまった後に股関節の付け根に痛みが出現し、立つことや歩くことができなくなり、足を動かすと強く痛がります。

ただし、骨が完全に折れずにヒビが入った時であればつかまり立ちや伝い歩き程度であれば行えることがあるので骨折していることが気付かない場合があるため注意が必要となります。

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大腿骨頚部骨折の原因

大腿骨頚部骨折をおこりやすくなってしまう主な原因は骨粗鬆症と転倒の2つです。

骨粗鬆症とは高齢の女性に多く発症し、骨の中身がスカスカになってしまい、骨の強さが弱くなってしまう病気です。

骨粗鬆症になり骨の強さが弱くなると、少しの外力を受けた衝撃で骨折をしてしまうことがあります。

更に大腿骨頚部骨折を生じてしまう原因の第1位は立った高さからの転倒が原因で骨折を生じてしまいます。

これら2つのことから考えると骨粗鬆症のために骨の強さが弱くなっているため、歩行中の転倒など、小さな外力が生じただけでも大腿骨頚部骨折が生じてしまうケースが多々あります。

若い人でも交通事故や高い所からの転落などが原因で大腿骨頚部骨折を生じてしまう場合がありますが、生じる可能性は高齢者に比べると非常に低くなります。

骨折をしないための予防策

骨折を予防するためには以下の2点が重要となります。

1. 骨のスカスカになるのを最小限に食い止めて骨強度を保つ
2. 転倒してしまうことに対して予防策を立てる

以下に詳しい内容を解説します。

1. 骨のスカスカになるのを最小限に食い止めて骨強度を保つ
骨の中身がスカスカになってしまう原因は、家族歴、閉経、運動不足、カルシウム摂取不足、ストレス、塩分摂取過多、アルコール多飲、喫煙、高カフェイン摂取などさまざまな理由があります。

上記のような要因をみてみると改善することが難しいこともありますが、多くの内容は改善することができます。

加齢に伴う骨のスカスカになってしまうのは運動と食生活の生活習慣を改善することによってかなり抑えることができます。

まず、運動から解説します。

運動を行うことにより、骨に衝撃が加わります。骨のスカスカ度は、骨に強い負担と衝撃が加わると強くなります。

そのため、加齢に伴う骨のスカスカの低下を抑えるためには、水泳などのような負担がかからない運動を行うより、散歩、体操、太極拳のように負荷がかかる運動が有効となります。

続いて食事について解説します。

食事の中で重要な栄養はカルシウムとなります。

カルシウムは骨の強度を保つには重要な栄養となります。

60歳以上のカルシウム所要量は男女ともに1日600mgとなっているため、カルシウムの多い食品である牛乳、乳製品、小魚類、大豆製品、海藻類などを食べるようにします。

また、それ以外でもカルシウムの吸収を高めるビタミンDやマグネシウムを取ることも重要になります。

カルシウム、ビタミンD、マグネシウムを取るとともに骨にとってマイナスになるリン、ナトリウム、アルコールの多飲などを控えることも重要となります。

2.転倒してしまうことに対して予防策を立てる

高齢者が転倒してしまう多くの原因は「歩行によるつまずき」によって発生します。

そのため、転倒を予防するためには、歩行に必要な筋肉やバランス能力の向上が重要となります。

ここでは転倒を予防するための体操を2種類紹介します。

1.すり足改善体操

1.つま先をゆっくり上げ、前脛骨筋(すねの筋肉)に力がかかることを意識します。
2.つま先をゆっくり下ろします。
3.この一連の動作を20〜30回行います。

2.足の開け閉め体操

1.椅子に浅く腰掛け、両足を閉じます。
2.椅子に腰を掛けたまま、反動を付けずに両足を左右にゆっくり開きます。
3.左右に開いた両足をゆっくり閉じます。
4.この一連の動作を10回行います。

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まとめ

今回は、さまざまな股関節の骨折の中で「大腿骨頸部骨折」を中心に解説しました。

大腿骨頚部骨折とは転倒などの影響で外力が加わり、股関節の骨が骨折してしまう状態のことをいいます。

大腿骨頸部骨折の症状としては、転倒や転落してしまった後に股関節の付け根に痛みが出現し、立つことや歩くことができなくなり、足を動かすと強く痛がります。ただし、骨が完全に折れずにヒビが入った程度であればつかまり立ちや伝い歩きを行うことができる場合もあるため注意が必要になります。

特に高齢者に関しては骨がスカスカになり脆くなっているため少しの外力を受けた衝撃で骨折をしてしまうことがあります。

骨折をしないための予防策としては以下の2点が重要となります。

1.骨のスカスカになるのを最小限に食い止めて骨強度を保つ
2.転倒してしまうことに対して予防策を立てる

骨のスカスカを抑えるためにはカルシウム、ビタミンD、マグネシウムを取るとともに骨にとってマイナスになるリン、ナトリウム、アルコールの多飲などを控えることが重要です。

また、骨折を予防するためには、筋肉やバランス能力の向上が重要となるため、ここで紹介した体操をしっかり行い、骨を丈夫にすることが重要になります。

【経歴】
野田 政誉士
(理学療法士、介護支援専門員、福祉住環境コーディネーター2級)
約10年前に理学療法士の資格を取得し、病院に勤務。急性期・回復期・生活期までの病期を経験するものの主に回復期リハビリテーション病棟にて臨床業務を実施。
現在は管理職として勤務しており、臨床業務だけではなく管理業務の両方を行っており、病棟の知識だけではなくの知識だけではなく、在宅への介入やマネジメント業務にも力を入れている。

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