関節痛

足首が痛いのはなぜ?原因と対処法

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はじめに

足首(足関節)は大きい関節の中で最も地面に近い関節です。
膝や股関節に比べて痛みを訴える方は少ないですが、歩いているとき、立ち上がるときなどに足首に痛みを感じるとそれをかばおうとするため、膝や股関節にも痛みを及ぼすことがあるので注意が必要です。
今回は、足首の痛む原因や早期に痛みを治すための対処法をご紹介します。

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足首の構造

足首から足の先までを指す「足部」には小さな骨がたくさんあります。
足首(足関節)は、すねの長い骨である「脛骨」と足部の中では比較的大きい骨である「距骨」で構成されています。
脛骨の下端が足首の内外側方向にアーチを描く形状になっており、そのアーチに対して距骨がはまるように動くことで足首を反らしたり伸ばしたりすることができます。
また、脛骨と距骨で構成する関節には内外側方向に多少の遊びがあるため、内外反といって内外に足首を捻るような動きも多少はできるようになっています。
ただし、足首の内側と外側には靭帯があり、捻挫したときに足関節が脱臼しないようにするバンドのような役割をしています。

距骨の先には「舟状骨」、「立方骨」、「内側楔状骨」、「中間楔状骨」、「外側楔状骨」という小さい石ころ状の骨が続き、その先に5本の足趾それぞれの中足骨、基節骨、中節骨、末節骨が熊手状に並んでいます。
距骨の下方には「踵骨」という大きな骨があり、文字通り踵に位置します。

足首が痛む原因は?

足首が痛む原因として主なものをご紹介します。

■足首の柔軟性低下
歩くときやジャンプして着地するとき、足首が滑らかに曲げ伸ばしされることで足首は地面から受ける衝撃をうまく吸収しています。
足首が硬いとその衝撃吸収が十分にできないため、足首やその上の膝、股関節に負担がかかり、痛みを生じやすくなります。

■足首周りの筋力低下
足首の周りにはたくさんの種類の筋肉が付着しており、関節を動かしたり守ったりすることに働いていますが、周りの筋力が低下しているとそれらの機能がうまく果たせないので関節の負担が大きくなってしまいます。
また、筋機能が低下しているとたくさん歩くなど負担をかけたときに疲労から筋肉自体の炎症や痛みを引き起こしてしまうこともあります。

■偏平足
私たちの足の裏には立っていても地面についていない「土踏まず」と呼ばれる部分があり、その部分を中心にアーチが構成されています。
そのアーチがつぶれたりまた戻ったりすることで足にかかる衝撃の吸収を助けたり、歩行や走行の推進力となります。
そのアーチが少なく、地面に足の裏全体がついているような状態を「偏平足」といい、足が疲れやすかったり痛みやすかったりします。

■過負荷
柔軟性や筋力、足の構造などがどんなに理想的な状態であっても、普段歩かない距離を一度に歩いたり、高所から飛んで着地するようなことを行うと足首やその周囲の筋肉、靭帯などの組織に炎症を起こしたり過労から痛みを伴うことがあります。

■変形性足関節症
痛みがあるのを我慢して歩く、足首の柔軟性不足や筋力不足の状態で長年歩く、重たいものを持って歩くことが多いなど長期間の蓄積によって足首周囲の骨が変形し、動かすと痛い、体重をかけると痛いといったような症状が出てくることがあります。

■靴が合っていない
サイズの合っていない靴やヒールの高い靴、クッション性の低い靴など自分の足や用途に合っていない靴を履くと足首にかかわらず足部周囲に痛みが出やすくなります。

足首の痛みの対処法は?

足首の痛みを感じる時の対処法をご紹介します。

■消炎鎮痛
痛みを感じ始めてすぐ、もしくは数日から数週間は、関節、筋肉、靭帯など足首の何らかの組織が炎症を起こしていることがほとんどですので、炎症を抑制するような対処が効果的です。
まずは痛みを感じる動作を極力控えるようにしましょう。
足首に痛みがある場合、歩くと痛みがあることが多いと思いますが、全く歩かないわけにはいかないと思いますので、そんなときは不必要に出歩かないようにしたり、ゆっくり歩くようにするなど工夫することで負担を減らして炎症を抑制することができます。
次にアイシング(冷却)をしましょう。
患部に熱感や腫れがある場合はもちろん、そうでない場合も痛みがあるときにはアイシングを行いましょう。
氷嚢を患部に直接あてて15〜20分程度冷やします。
明らかに痛みが強くなった要因があった日は一日に何度も、慢性的になっているような場合は特にたくさん歩いたあとや痛みを強く感じるときに行うのがおすすめです。
また、痛みや腫れが強い場合や痛みが続く場合には消炎鎮痛剤の含まれる湿布を使用することも効果的です。
特に炎症が強い場合に効果的ですので、必要を感じた場合は使用してみましょう。
ただし、柔軟性不足や筋力不足によって生じている痛みの場合は、湿布やアイシングは効果がありません。
負担を減らして消炎処置を続けたにも関わらず1週間以上症状が変わらない場合は、他に原因があることが考えられます。

■足首の柔軟性改善
足首が硬いことで足首に負担がかかっている場合は、足首の柔軟性を改善することが第一です。
変形性足関節症などの場合、骨自体の異常は治すことができませんが、足首の柔軟性を高めることで痛みを緩和できることもあります。
このあと足首の柔軟性を改善するために効果的なストレッチをご紹介します。

■足首周囲の筋力強化
足首周囲の筋力が不足していることによって足首に痛みをきたしている場合には、足首周囲の筋力を強化する必要があります。
変形性足関節症などの場合、骨自体の異常は治すことができませんが、足首周囲の筋力を強化することで痛みを緩和できることもあります。
このあと足首周囲の筋力を強化するために効果的なトレーニングをご紹介します。

■足部機能の改善
「偏平足」は個人の骨格の特徴であり、アーチが少ないことで衝撃吸収機能が低いという欠点がありますが、足の裏や趾の筋肉を鍛えることでアーチを高める機能を補うことができ、それによって偏平足特有の悩みや痛みを軽減することもできます。
このように足部の機能を改善することで疲れにくい足や痛みにくい足を作ることができますので、このあとの体操で具体的な方法をご紹介します。

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足首の痛みに効果的なおすすめの体操

足首の痛みが柔軟性や筋力など機能の問題である場合に効果のある具体的な体操をご紹介します。

■ふくらはぎのストレッチ
ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)をしっかりとストレッチすることで足首の柔軟性が高まり、疲れにくく効率よく歩ける足を作ることができます。

1.壁など体重を支えられるような場所に向かって立ち、両手を壁についたら両足を前後に軽く開きます。
2.後ろに引いた方の足のつま先が進行方向を向くようにまっすぐ置き、膝を伸ばしたままで踵が浮いてしまわないぎりぎりのところまで身体を前に倒します。
3.ふくらはぎの筋肉に伸張感を感じながら壁に付いた手に体重をかけて20〜30秒静止します。
4.片方の足のストレッチが終わったら、左右入れ替えて同じようにストレッチします。

■足の裏のマッサージ
足の裏を柔軟にすることで足部がしなり、衝撃を吸収しやすい足になります。
手の指で足の裏を押してほぐしてもよいですが、足の裏がしっかり地面につく椅子に腰かけ、ゴルフボールや硬めのボールを足の裏に敷いてごろごろと転がすと簡単にほぐすことができます。

■足趾のグーパー
足の裏をマッサージで柔らかくしたら、足の趾(ゆび)の動きをよくすることで、偏平足や足部の筋力不足を補うことができます。
足趾全てにしっかり力を入れてグーのように丸める動作と、全ての足趾の間を離すようにしっかり開くパーの動作を大きくゆっくり繰り返します。
うまく動かせない場合には、手の指で足の趾を動かすことを手伝いながら行うと徐々に動かせるようになってきます。
入浴中やテレビを見ながらなど思い出したときに頻繁に行ってみてください。

■タオルギャザー
基本的には足趾のグーパーで行ったグーと同じ筋肉を鍛えます。
足部のアーチを高めることにつながります。

1.フェイスタオルを濡らし、しっかり絞ります。
2.足の裏がしっかり地面につく高さの椅子に腰かけ、自分の足の前に縦向きになるようにタオルを置きます。
3.タオルの手前側の端に両足を置き、足趾をグーパーしながらタオルを手繰り寄せていきます。
4.タオルの反対側の端まで手繰り寄せることができたら再びタオルを広げ、5〜10回程度繰り返し行います。

足趾でタオルを手繰り寄せるとき、母趾側ばかりでなく5本の趾をしっかり動かすように意識してください。
タオルだけを足で引っ張ることが簡単にできるようになった方は、タオルの向こう端におもりを置いて引っ張るとさらに負荷が増してしっかりとトレーニングすることができます。

■踵上げ
ふくらはぎの筋肉を鍛えるトレーニングです。
ふくらはぎの筋肉を鍛えることで地面を蹴る力が増し、より推進力を得ることにつながるので、疲れにくく、効率よく歩いたり走ったりできるようになります。

1. 両足を骨盤の幅に開いて立ち、つま先がまっすぐ進行方向を向くようにそろえます。
2. ゆっくり踵を上げ、上げきったらゆっくりと下ろします。このとき、足趾は曲げないように注意してください。
3.10〜20回同じ動作を繰り返し、休憩をはさみながら2〜3セット行います。

両足の踵上げが楽にできる方は、片足ずつ行うと負荷が倍になります。

おわりに

今回は、足首の痛みについてその原因と対処法についてご紹介しました。
痛みを感じた時に、今回の内容を参考に痛みの原因や正しい対処法を考えていただければと思いますが、自己による対処を続けても改善しない場合、長期間放っておくと変形性足関節症に発展する恐れもあります。
そのときは、迷わず整形外科などを受診するようにしてください。

■プロフィール

監修:いきいき100歳応援中(理学療法士)
専門:整形外科疾患、介護予防分野

自己紹介
二児の母でもある理学療法士。整形外科疾患、介護予防分野を専門とし、病院勤務の傍ら健康や医療に関する記事を執筆している。

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