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明日は我が身!?認知症を予防するには?

2020-03-11

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はじめに

近年男女ともに平均寿命が延び、高齢者が増加しています。
それに伴って増加しているのが、「認知症」を抱える高齢者です。
身体機能はまだまだ自立した生活を送ることができるレベルであるにもかかわらず、認知機能の低下によって大事な用事を記憶しておくことができなかったり、身の回りのことができなくなったりして生活に介護が必要になっている方がたくさんおられます。
そこで今回は、認知機能をできる限り高く保ち、自立した生活を長く続けられるようにするために認知症の種類や原因、そして効果のある予防法についてご紹介します。

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認知症とは?

「認知症」とはなんらかの原因によって脳の機能が低下し、日常生活に支障をきたす状態のことであり、そういった症状を持つ病気の総称です。
原因については後ほど詳しくご説明しますが、脳の細胞の一部が萎縮する「アルツハイマー型」や「レビー小体型」、脳梗塞や脳出血など脳血管障害が原因で認知障害を伴う「脳血管性型」、他にも脳腫瘍や正常圧水頭症などの脳疾患によっても認知症を発症することがあります。
主な症状はさっき起きた出来事が思い出せなかったり同じことを何度も聞き返す「記憶障害」、場所や時間、人がわからなくなる「見当識障害」、新しいことを説明されても理解困難である「理解力の低下」、もともとやっていたことのやり方や順序がわからなくなる「実行機能障害」などがあります。
また多弁・多動や暴言・暴力など人間性が変化してしまったり、幻覚や妄想、徘徊や異食などの異常行動が出現することもあります。
特に記憶力の低下については、老人性の物忘れと判別が困難ですが、老人性物忘れの場合は言われたら思い出せる、日常生活に支障をきたすほどの物忘れではないといった違いがあります。

認知症の種類と原因は?

認知症の主な種類と原因、症状の特徴をご紹介します。

■アルツハイマー型認知症
アルツハイマー型認知症は、脳内にアミロイドβというたんぱく質が溜まり正常な脳神経を壊してしまう病気です。
大脳辺縁系にある「海馬」という場所に障害がおよぶと短期記憶に障害をきたします。
進行すると失見当識障害や理解力の低下、妄想や徘徊を生じることもあります。
アルツハイマー型認知症は認知症の中で最も多く、男性よりも女性に多くみられます。

■レビー小体型認知症
レビー小体型認知症は、レビー小体というたんぱく質が思考の中心となる大脳皮質に集まることで神経伝達に異常をきたし、認知症状が出現する病気です。
レビー小体型認知症は初期から幻覚や妄想が現れることが最大の特徴で、いるはずのない人が見えたり物を盗まれるなどの被害妄想を抱いてしまうため、家族や周囲の人間が混乱してしまうこともしばしばあります。
また、レビー小体はパーキンソン病の方にも発生しているたんぱく質であるため、振戦や動作緩慢、身体のこわばりやバランス不良といったパーキンソン病と共通する症状も出現します。
アルツハイマー型と異なり、女性よりも男性に多いのがレビー小体型認知症の特徴でもあります。

■脳血管性型認知症
脳血管性型認知症は、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害によって脳のある部位の血流が悪くなることでその部位の機能が低下し、認知症状を生じる病気です。
脳血管障害の発症時に急激に症状が進行し、その後よくなったり悪くなったりを繰り返しますが、脳血管障害が再発するとまた一気に進行してしまいます。
脳血管性型認知症の症状の特徴は、分かることと分からないこと、できることとできないことが混在しており、症状がまだらに出現することです。
また、日や時間によっても症状に変化があり、できなかったことが他の日にはできたりすることもあります。
アルツハイマー型認知症に次いで多い認知症ですが、脳血管性型認知症の方の中にはアルツハイマー型と混在している方も多くおられます。
脳血管障害自体が男性に多いことから脳血管性型認知症も女性よりも男性に多い認知症です。

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認知症予防に効果的な方法は?

認知症はいつ誰に発症するかわからず、直接的な原因ははっきりしません。
ただし、日常生活内で気をつけることで認知症の予防に効果があるとされていることがありますのでここでご紹介します。

■規則正しい生活を心がける
高血圧、高脂血症、糖尿病、脳卒中などの病気は「生活習慣病」ともいわれ、日々の生活習慣が大きな原因となっています。
食生活の乱れやアルコールの多量摂取、喫煙、睡眠不足や昼夜逆転、運動不足といったことによって生活習慣病のリスクが大幅に上昇します。
そして、これらの生活習慣病は認知症にも関与しており、生活習慣病を有する方は認知症になりやすいというデータもでています。
規則正しい生活を心がけ、生活習慣病を予防することが認知症の予防にもつながります。
食事面でいうと具体的には、朝食を抜いたりせず三食きちんと同じ時間帯に食べることやバランスの取れた食事をとることが基本です。
そして認知症予防に効果のあるDHAやEPAを多く含む青魚や葉酸を多く含む緑黄色野菜、豆類、果実を十分に食べること、コーヒー、緑茶、赤ワインといった脳の活性化に役立つ要素を含む飲料を適量摂取することも効果的です。

■適度な運動を行う
私たちは立って歩くときに地面に足の裏をつけて体重をかけますが、足底からの感覚刺激が脳への刺激となることで認知症予防につながります。
積極的に散歩にでかけたり、車を使わず公共交通機関を使用したり歩いて行動することで歩行量を多くしたり屋内ではないような凹凸のある場所を歩くことができ、足底刺激につながります。
また、高齢者はなんらかの病気やケガで寝たきりになってしまうと数日で認知症状が出始める場合がありますが、一人で立つこと自体困難な場合でも歩行器や他者の介助を受けながら毎日少しの時間でも立って足底からの刺激を入れることで認知症を予防することにつながります。

■頻繁に外出し、他者と交流を持つ
一昔前までは、高齢者は子どもや孫世代の家族とともに生活している方が多く、家の中でも会話が多い状態にありました。
しかし現在は一人暮らしの高齢者が非常に多く、その中でもあまり外出しない方は他者との会話が非常に少ない状況になってしまいます。
他者との会話は、相手が投げかけた言葉に対して瞬時に適切な返事を考えるということを繰り返します。
また、相手の表情から相手の気持ちを読み取ったり、自分自身も一人でいるときよりも様々な喜怒哀楽が生じるので、脳の活動が非常に盛んになります。
一人暮らしの方もそうでない方もできる限り頻繁に外出し、他者と交流を持てるような場に参加することが認知症の予防につながります。

■生活に楽しみを持つ
私たちの脳は、楽しいことやうれしいこと、興味のあることを見たり聞いたりすると活性化します。
逆に、一日中新しいことや心を動かされるような出来事がないと脳が活性化しないままに一日を終えてしまい、その積み重ねが認知機能低下の原因ともなりかねません。
どんなに高齢になっても、家の内外問わず趣味や楽しみ、達成感を感じられる何かを持って生活できるよう心がけることで認知症の予防につながります。

おわりに

今回は、認知症についてその症状や種類と予防法についてご紹介しました。
一般的には高齢になればなるほどリスクが高まるのが認知症ですが、いつ誰が発症するかはわからず、今回ご紹介したような予防や生活習慣についてはいつから始めても早すぎるということはありません。
認知症を発症したからといって全ての方が生活に支障をきたしているわけではありませんので過度な心配は不要ですが、なるべく心身ともに健康な状態で長生きをするために是非今回の内容を頭の片隅に入れていただき、認知症のリスクを減らすことのできるような生活を送っていただきたいと思います。

■プロフィール

監修:いきいき100歳応援中(理学療法士)
専門:整形外科疾患、介護予防分野

自己紹介
二児の母でもある理学療法士。整形外科疾患、介護予防分野を専門とし、病院勤務の傍ら健康や医療に関する記事を執筆している。

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