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寝たきりになる可能性も!ロコモティブシンドロームとは

2020-04-06

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日本は長寿国であることが知られています。高齢者が増えているので、なるべく健康で自立して生活できることが重要視されています。
最近、注目されているロコモティブシンドロームという言葉を聞いたことがあるでしょうか。
ロコモティブシンドロームは、介護が必要になったり、寝たきりになる危険がある状態をさします。

今回は知っておくべきロコモティブシンドロームの知識、予防法などをわかりやすくまとめます。

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誰にでも起きる可能性のあるロコモティブシンドロームとは

2018年のデータによると、日本人の平均寿命は男性が81.25歳、女性は87.32歳です。一方で、健康で自立して日常生活を送ることのできる期間は健康寿命とよばれており、平均寿命と健康寿命の差が注目されています。
平均寿命と健康寿命の差は、男性では約9年、女性では約12年です。これが何を意味するかというと、健康上に何か問題があり、約9-12年間は日常生活に制限があるということです。
日常生活に支障をきたす原因の1つとして、ロコモティブシンドロームという状態があります。「ロコモティブシンドローム」は、2007年に日本整形外科学会が提唱した言葉です。
ロコモティブシンドロームは、運動器症候群のことで「ロコモ」とよばれることもあります。
運動器とは、骨や筋肉、関節、神経などによって体を動かす仕組みのことです。ロコモティブシンドロームとは、筋力の低下や関節の病気などで足や腰が思うように動かず、立ったり歩いたりする能力が低下している状態のことをいいます。ロコモティブシンドロームは、定期的な運動によって予防できます。
しかし、エレベーターや車などを利用することの多い現代では足腰を使う機会が減っているので高齢者に限らず、誰でもロコモティブシンドロームになる可能性があるといわれています。
ロコモティブシンドロームが進むと日常生活に支障が出るだけでなく、将来的に支援や介護が必要になる可能性が高くなります。
実際に厚生労働省の報告を見てみると、要支援や要介護になる原因で最も多いものは運動器の障害であることがわかっています。
ただ長生きするのではなく、自分の足で歩いて、身の回りの世話を自分でできることが大切です。

やせすぎも肥満もロコモティブシンドロームのリスクになる

ロコモティブシンドロームの予防には、運動習慣が効果的であることがわかっています。
運動することによって、筋肉や骨、関節などに適度な負荷がかかり、健康な状態を維持できるからです。
ロコモティブシンドロームを予防するために気をつけなければいけないこととして、体重の増減も挙げられます。
過度なダイエットなどでやせすぎていると、筋力や骨密度が低下し、ロコモティブシンドロームが進行し、転倒や骨折のリスクが上がります。
一方で、肥満は足や腰に負担がかかり、運動能力の低下を招きます。標準的な体重の目安として、身長×身長×22で計算できるので参考にしてみるとよいでしょう。

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ロコモティブシンドロームかチェックしてみよう!

ロコモティブシンドロームは、筋力低下などにより足腰が弱っている状態です。
足腰が弱っている状態を放置していると、転倒、骨折、寝たきりなどを起こすリスクがあるので日頃からロコモティブシンドロームになっていないかどうかチェックするようにしましょう。

以下に挙げる症状に1つでも当てはまれば、ロコモティブシンドロームの可能性があるので要注意です。

・片脚立ちで靴下をはくことができない
・家の中でつまずいたり、滑ったりすることがある
・手すりにつかまらないと階段を上れない
・2kg程度の荷物を持ち帰るのが難しい
・15分以上続けて歩くことができない
・横断歩道を青信号で渡りきれない
・座っている状態から立ち上がることが難しいと感じる
もし1つでも当てはまるようであれば、改善するために無理のない運動を始めるようにしましょう。

ロコモティブシンドロームの予防法

ロコモティブシンドロームの予防法には、食事と運動があります。
食事に関しては、骨と筋肉を強くするためにカルシウムやビタミンD、ビタミンK、たんぱく質、炭水化物などを豊富に含む食材をバランスよく食べるように心がけるとよいです。カルシウムは乳製品や小魚に多く含まれていると思われていますが、緑黄色野菜や海草、大豆製品にも含まれています。
カルシウムの吸収をよくするビタミンDはサケやきのこに、骨の形成や維持にはたらくビタミンKは納豆や青菜に、たんぱく質は肉、魚、大豆、牛乳に含まれます。筋肉を動かすためのエネルギーとなる炭水化物は、米やパン、麺類などに多く含まれています。

運動はウォーキングやジョギングなど軽く息があがるようなものをできればよいですが、難しければ室内でも続けられる運動をしましょう。具体的に、片脚立ちとスクワットを紹介します。
片脚立ちは、転倒しないようにつかまりながらやるとよいです。左右交互に床につかない程度に片脚を上げるだけです。
左右1分ずつ、1日3回行うようにしましょう。スクワットでは、つま先を30度程度開き、肩幅より少し広めに足を広げて立ちます。次に、膝がつま先より前に出ないように、お尻を後ろに引くようにしてしゃがみます。膝が足の人差し指の方向に向くように注意してください。
運動は急に始めると足腰に負担がかかることがありますし、腰痛や関節痛がある場合にはかえって悪くしてしまうこともあります。不安がある時には医師に相談するようにしましょう。

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まとめ

ロコモティブシンドロームは、筋力低下や関節の病気などにより足腰が弱って、歩くことが難しいような状態をさします。
日常生活において、片足立ちが難しかったり、重い荷物を運ぶのがつらい場合にはロコモティブシンドロームかもしれません。
治療法には、食事と運動がありますが、急に運動を始めると逆に足腰に負担がかかることもあるので無理のない運動を毎日続けるようにしましょう。

監修:大塚真紀(医師・医学博士)
学歴:東京大学大学院医学系研究科卒。
専門:内科、腎臓、透析の専門医。

自己紹介
現在は育児の傍ら、医師という職業を生かし、医療系記事の執筆・監修、最新医学論文の翻訳、医療コラムの作成に従事。

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