ゴルフ肘の方必見!上腕骨内側上顆炎の治し方

2020-04-09

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はじめに

ゴルフは走ったり跳んだりといった激しい動きを必要としないため、中高年にも親しまれているスポーツです。
ただし、長いクラブを振ってボールを遠くに飛ばすということで腰や肘、手首などにかかる負担はかなりのものがあります。
中でもゴルフで肘を傷める方は多く、「ゴルフ肘」とも呼ばれています。
今回は、ゴルフ肘についてその状態や原因、治し方についてご紹介します。

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ゴルフ肘とは?

ゴルフ肘は正式には「上腕骨内側上顆炎」といいます。
肘の内側に骨が隆起している部位を「上腕骨内側上顆」といい、そこに炎症や痛みを起こしている状態です。
上腕骨内側上顆は、上腕骨(肩と肘の間をつなぐ腕の骨)の遠位端(肘関節に近い側の端)の骨が隆起した部位で、そこには前腕屈筋群と呼ばれる筋肉の端が多数付着しています。
前腕屈筋群には、主に手首を曲げる筋肉、手の指を曲げる筋肉があり、調理や重作業、テニスやゴルフなどで指に力を入れることが多い方はそれらの筋肉が収縮するたびに筋肉の付着部すなわち上腕骨内側上顆に牽引力が働きます。
それが頻繁になることで上腕骨内側上顆の骨膜(骨を覆っている膜)や付着している前腕屈筋群の腱部に炎症を起こしてしまいます。
ゴルフの最中ではインパクトの瞬間(クラブにボールが当たって強い衝撃が加わる瞬間)に痛みを感じることが多く、特に打ち損ねて地面を打ってしまう「ダフった」ときなどはそのあとしばらく手に力が入れられないほどの痛みを伴うこともあります。
症状がひどくなると運動中以外にも物を持った時、さらには手首や肘を動かしただけでも痛みがでてくることがあり、そうなると炎症も強く、日常生活にかなり支障をきたしてしまいます。
ダフりなど一度の大きな負担で炎症を起こすこともありますが、練習のしすぎなどオーバーワークで症状がでることが多く、休養して症状が改善してはまた練習を始めて痛みが再発するという例が多いのがゴルフ肘の特徴です。
このような繰り返しにならないためにも、症状がでたときの正しい対処や日頃からの予防が大切です。

ゴルフ肘の原因は?

ゴルフ肘の主な原因をご紹介します。

■過負荷
上腕骨内側上顆炎の最も大きな原因は、過負荷(オーバーユース)と言えます。
筋肉や腱には弾力がありますが、同じ筋肉ばかりをずっと使っていると筋肉の端にある腱や腱が付着している骨の膜がその度に引っ張られて炎症を起こしてしまいます。
一日では肘の痛みまでは生じなかった場合も、筋肉の疲労を抱えたまま繰り返し何日も練習や同じ動作を行うことで疲労が蓄積して、上腕骨内側上顆炎を起こしやすくなっていきます。

■筋肉の伸張性低下
筋肉は力を入れると縮まり、引き伸ばされると伸張します。
筋肉の伸張性は個人によってさまざまですが、筋肉の伸張性が低く伸び縮みしにくい状態で筋肉を収縮させると腱や骨膜への牽引力も強くなってしまい、その繰り返しで上腕骨内側上顆炎を起こしてしまいます。
元々筋肉の伸張性が高く、柔軟性に自信のある方でもゴルフの練習や仕事などで繰り返し酷使されている筋肉は凝り固まって伸張性が低下している場合が多いので注意が必要です。

■筋力不十分
同じ強さの力が必要である場合、筋力が強い方と弱い方にとっては感じる負担の程度が異なり、筋力が強い方にとっては大したことのない負担でも、筋力が弱い方にとってはとても大きな負担になってしまいます。
ゴルフや重労働を行う際に、その負荷に対して筋力が不十分であると筋肉に過剰な負担をかけることになり、上腕骨内側上顆炎を起こしてしまいます。

■フォーム不良
ゴルフや野球などのスポーツではもちろん、重量物を持ち上げる作業などにおいても身体への負担を最小限にでき、効率よく目的とする動きを行うことができる理想のフォームがあります。
そのフォームとかけ離れてしまうと身体の一部に負担が大きくかかってしまったり、非効率な動作になって必要以上の力が必要になってしまいます。
例えば、ゴルフでは下半身の力をうまく上半身に伝えて打つことで効率よくボールを飛ばすことができますが、下半身と上半身の連動がうまくいっていないと、上半身だけの力で打つことになり、必要以上に腕に力が入ってしまいます。
こういった動作を続けるうちに、上腕骨内側上顆炎を引き起こしやすくなってしまいます。

■ミスショット
普段練習量をしっかりコントロールし、筋力や筋肉の柔軟性も申し分ない状態でゴルフを行っていても、先にも述べた「ダフり」と言われるミスショットをしてしまうと、やむを得ず筋肉や腱、骨膜に大きな負荷が一気にかかってしまい受傷してしまうことがあります。

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自宅でできるゴルフ肘の対処法は?

自分でできるゴルフ肘の対処法をご紹介します。

■十分な休養をとる
ゴルフ肘を早期に治すポイントは症状が軽いうちにきちんと休んで負担をかけないようにすることです。
ゴルフ肘かなと思ったら、まずは痛みのでる動作を控えるようにしましょう。
例えば、軽く打つことは痛みがでないけれど、思いっきり打つと痛いという場合には、最低限痛みのでない範囲でのスイングをするようにしましょう。
肘や手首の曲げ伸ばしだけでも痛みがある場合は、日常生活内でも必要以上に動かさないようにしましょう。
痛みがでるとわかっている動作を繰り返し行うことで徐々に炎症が悪化して症状がひどくなり、治るまでに要する時間も長くなってしまいます。

■アイシングをする
ゴルフ肘の痛みの原因は炎症なので、炎症を鎮静化させるためにアイシングを行います。
アイシングとは患部を冷やすことで、ビニール袋などに氷を入れて患部に直接あて、15〜20分程度しっかり冷やします。
受傷直後や症状を悪化させてしまった日などは一日に複数回繰り返し、受傷から1週間以上経ちひどい炎症が落ち着いてきたら一日に1回活動後や入浴後などに行うと効果的です。
活動前にアイシングを行うと、筋肉や腱が硬くなってしまい余計に痛みを感じやすくなるのでアイシングを行うタイミングには注意が必要です。
また、湿布がアイシングの代わりになると考えがちですが、湿布はあくまでも消炎鎮痛剤の成分が皮膚から浸透していく効果であり冷却の効果はほぼありません。
外出中やアイシングを行えないような活動中に湿布を使用し、一日の終わりには氷でアイシングを行いましょう。

■ストレッチをする
患部の炎症が落ち着いても直接関与する前腕屈筋群の柔軟性が低下していると患部への負担が軽減できず痛みを感じたり、炎症が再燃しやすくなってしまいます。
筋肉の柔軟性を改善するためにおすすめなのが、筋肉をゆっくりと伸張するストレッチです。
ここで、前腕屈筋群のストレッチのやり方をご紹介します。

1. 身体の正面、肩の高さでストレッチする側の手のひらを上にして肘を伸ばします。
2. 反対の手で手のひらを手前に押さえて手首を反らします。
3. 肘の内側から手のひらにかけて走行する筋肉に伸張感を感じたらそのまま20〜30秒静止します。

■筋トレをする
患部の炎症が落ち着いても元々負荷に耐えられるだけの筋力がないと、活動を再開して負荷をかけたら炎症が再燃するという悪循環に陥ってしまいます。
炎症が落ち着いてきたら少しずつ筋トレを開始しましょう。
ただし、一度に大きな負荷をかけるのは再受傷のリスクが高いので、少しずつ負荷をあげていくよう注意してください。
筋トレを行う際には前腕屈筋群だけでなく前腕屈筋群と反対の作用を持つ前腕伸筋群(手首を反らせたり手指を伸ばす筋肉)、さらには上腕(肘と肩の間)の筋肉もバランスよく鍛えることが大切ですが、ここでは前腕屈筋群の筋トレのやり方についてご紹介します。

1.台の上に肘から手首を乗せ、手のひらを上にしてダンベルを持ちます。
2.肘の動きや前腕の回内外(回転)が伴わないように気をつけながら手首を起こしては戻す動きを10〜20回繰り返します。

■テーピングやサポーターなどの補助具を使う
前腕屈筋群は、箸や鉛筆を使うなど日常的なちょっとしたものを持つときも使ってしまうので、炎症を軽減するためになるべく使わないようにしようとしても難しい部分があります。
気を付けているつもりでもちょっとしたものを持った時に痛みを感じてしまうこともあります。
そんなときに、患部の負担を減らし痛みを感じにくくする効果があるのがテーピングやサポーターなどの補助具です。
痛みで日常生活が不自由なとき、ゴルフや仕事などの予定でどうしても負荷を避けられないときにおすすめですが、着用していると痛みを感じにくいがために安静を保てず無理をしてしまいがちなので、そういった点には注意しながら上手く使用してください。

■フォームを修正する
ゴルフ肘の主な原因がフォーム不良にある場合、炎症が落ち着いたからといってまた再開すると必ず同じ症状に陥ってしまいます。
炎症が落ち着いては再燃する繰り返しをしていると慢性化して治りにくくなりますので、フォーム不良が考えられる場合は、なるべく早期にフォーム指導できる方に修正してもらい、肘に必要以上の負荷がかからない正しいフォームで行うようにしましょう。

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おわりに

今回はゴルフ肘について、その原因と自分でできる対処法をご紹介しました。
軽い痛みだからと対処せずに負荷をかけ続けて症状が慢性化したり悪化する方が非常に多いので、是非そのことを知っていただき、長くゴルフやその他活動を続けられるように普段からストレッチや筋トレなどのケア、早めの休養を心がけてください。

■プロフィール

監修:いきいき100歳応援中(理学療法士)
専門:整形外科疾患、介護予防分野

自己紹介
二児の母でもある理学療法士。整形外科疾患、介護予防分野を専門とし、病院勤務の傍ら健康や医療に関する記事を執筆している。

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