長引くテニス肘に!上腕骨外側上顆炎の治し方

2020-04-10

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はじめに

テニスの練習をやりすぎた、試合で無理をした、久しぶりにテニスをした、などテニスをたしなむ方に多い肘の痛みを「テニス肘」と言います。
我慢できるからと無理をしてテニスを続けたり、大した痛みではないからとケアをせずにいると症状が長引き、楽しみのテニスができなくなってしまうどころか日常生活にも大きな支障をきたし始めることもあります。
そこで今回は、多くのテニス愛好家が抱える肘の痛み「テニス肘」について正しい対処法やケアの方法をご紹介します。

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テニス肘とは?

肘の外側にあり骨が隆起している部位に炎症や痛みを起こしている状態を「上腕骨外側上顆炎」といい、テニスをされる方が傷めやすいことから「テニス肘」ともいいます。
手首や肘を動かしたとき、ものを握った時に痛みを生じることが多く、テニスではバックハンドのインパクトの瞬間(ラケットにボールが当たって強い負荷がかかる瞬間)に最も痛みを感じます。

上腕骨外側上顆とは、上腕骨(肩と肘の間をつなぐ腕の骨)の遠位端(肘関節に近い側の端)の骨が隆起した部位のことで、そこには前腕伸筋群と呼ばれる筋肉の端が多数付着しています。
前腕伸筋群には、主に手首を反らす筋肉、手の指を伸ばす筋肉があり、調理や裁縫、書字、テニスやゴルフなどで指に力を入れることが多い方はそれらの筋肉が収縮するたびに筋肉の付着部すなわち上腕骨外側上顆に牽引力が働きます。
それが頻繁になることで上腕骨外側上顆の骨膜(骨を覆っている膜)や付着している前腕伸筋群の腱部に炎症を起こしてしまいます。

一度の大きな負担で炎症を起こすこともありますが、テニスのオーバーワークなど日々の積み重ねで症状がでることが多く、休養して症状が改善してはまた練習を始めて痛みが再発するという方が多いのもテニス肘の特徴です。
このような繰り返しにならないためにも、症状がでたときの正しい対処や日頃からの予防が大切です。

テニス肘の対処法は?

テニス肘の正しい対処法をご紹介します。

■消炎処置
痛みの元は患部の炎症なので、痛みを感じたらまずは消炎処置を行うことが大切です。
消炎処置は、「安静」、「冷却」が基本になります。
テニスや重たいものを持つなど痛みがでる動作は控えるようにすることはもちろん、肘や手首を動かすだけでも痛みがでるときは、出来る限りそれも控えておきましょう。
また、痛みを感じるようなことをしたあとや夜の入浴後などには氷嚢で患部を15〜20分程度しっかり冷やす「アイシング」を行います。
症状が出始めて数日以内や症状を悪化させてしまったときの急性期は、一日に複数回行うとなお効果的です。
症状が強いときは入浴中や運動中を除き消炎鎮痛剤を含む湿布を使用するのも効果的です。
ただし湿布を使用する場合も、患部を直接冷やすアイシングとは違いますので、アイシングもきちんと行いましょう。

■ストレッチ
テニスや調理、裁縫などで前腕伸筋群を使いすぎていると筋肉が硬くなってしまって本来の伸張性が低下してしまいます。
筋肉自体の伸張性が低下すると、上腕骨の付着部への牽引力が大きくなってしまい、炎症を起こしやすくなります。
炎症を早く軽減させるためにも筋肉の柔軟性を取り戻し、患部への負担を減らすことが大切です。
そこで筋肉の伸張性を改善するために有効なのがストレッチです。
ストレッチは筋肉をゆっくり伸張することで筋肉を柔軟にするため、症状がでているときの対処としても再発の予防のためにも大変有効です。
朝や晩、テニスなど運動をするときにはその前後に十分にストレッチを行いましょう。
ただし、炎症が強くこのストレッチの肢位をとっただけで患部の痛みを引き起こす場合は、控えておいてください。
具体的なストレッチの方法はこのあと詳しくご説明します。

■筋トレ
上腕骨外側上顆にかかわらず、筋力がある程度備わっていないと、ちょっとした負担ですぐに筋肉や腱、骨など身体のどこかに炎症を起こしてしまいます。
逆に筋力がしっかりしている方は、多少負担をかけても負担と感じないためあまり炎症を起こしません。
よって、自分が日頃していることに対して筋力が不足していると思われる場合は、消炎処置やストレッチを行ってある程度炎症が落ち着いたら、リハビリとして筋トレが必要になります。
ただし、筋トレ自体が症状の悪化につながることもありますので、決して無理はせず自分の筋力に合った負荷をかけて少しずつ筋力や筋持久力の改善を図ることが大切です。
具体的な筋トレの方法はこのあと詳しくご説明します。

■フォーム改善
主にテニスや野球などスポーツで受傷した場合になりますが、肘に負担のかかりやすいフォームで行っていることが原因で炎症を起こしやすくなっていることもあります。
その場合は、練習量の調整、ストレッチや筋トレなど必要なケアを行っても、いつまでも完治しませんので、フォーム改善が必要になります。
思い当たる方は専門家にフォームチェックを行ってもらいましょう。

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テニス肘におすすめのストレッチと筋トレ

テニス肘におすすめのストレッチと筋トレをご紹介します。

■前腕伸筋群ストレッチ
前腕伸筋群は、肘の外側から手の甲に向けて走行する筋肉です。
前腕伸筋群をストレッチして柔軟性を高めることで、上腕骨外側上顆にかかる牽引力が抑制され、炎症が軽減しやすくなります。
このストレッチ自体で痛みを伴わない方は、症状改善のためにも予防のためにも効果的ですので、症状の有無にかかわらず習慣的に行うようにしましょう。

1. 身体の正面、肩の高さでストレッチする側の手の甲を上にして肘を伸ばします。
2. 反対の手で手の甲を手前に押さえて手首を曲げます。
3. 肘の外側から手の甲にかけて走行する筋肉に伸張感を感じたらそのまま20〜30秒静止します。

■前腕屈筋群ストレッチ
前腕屈筋群は、肘の内側から手のひらに向けて走行する筋肉です。
テニス肘の症状とは直接関係ありませんが前腕伸筋群とともに前腕にある筋肉で、伸筋群と反対の作用を持つ筋肉なのでバランスよくともに柔軟性を高めておく必要があります。

1. 身体の正面、肩の高さでストレッチする側の手のひらを上にして肘を伸ばします。
2. 反対の手で手のひらを手前に押さえて手首を反らします。
3. 肘の内側から手のひらにかけて走行する筋肉に伸張感を感じたらそのまま20〜30秒静止します。

■前腕伸筋群トレーニング
前腕伸筋群を鍛えて、負荷に耐えられる筋肉をつくるためのトレーニングです。

1. 台の上に肘から手首を乗せ、手の甲を上にしてダンベルを持ちます。
2. 肘の動きや前腕の回内外(回転)が伴わないように気をつけながら手首を起こしては戻す動きを10〜20回繰り返します。

■前腕屈筋群トレーニング
前腕伸筋群と屈筋群は相反する作用があるので、伸筋群を鍛える場合はバランスよく屈筋群も鍛えておく必要があります。

1.台の上に肘から手首を乗せ、手のひらを上にしてダンベルを持ちます。
2.肘の動きや前腕の回内外(回転)が伴わないように気をつけながら手首を起こしては戻す動きを10〜20回繰り返します。

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おわりに

今回は、テニス肘「上腕骨外側上顆炎」についてその原因や対処法、おすすめのケアの方法を詳しくご説明しました。
日常生活にさほど支障を感じないと特に対処もせず、ケアを怠る方が大変多いですが、そのうち治るだろうと放っておいて長引くケースが多いケガの一つです。
日々ケアを続けるのは根気がいりますが、少しずつの積み重ねで起こるケガだからこそ日頃の地道なケアが大切になりますので、是非今回の内容を参考にしっかりとケアをして完治および予防をしていただきたいと思います。

■プロフィール

監修:いきいき100歳応援中(理学療法士)
専門:整形外科疾患、介護予防分野

自己紹介
二児の母でもある理学療法士。整形外科疾患、介護予防分野を専門とし、病院勤務の傍ら健康や医療に関する記事を執筆している。

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