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人には言えない頻尿に!種類や原因と対策

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はじめに

中高年になると、やたらとトイレが近くなる「頻尿」に悩む方は多くなります。
特に女性は男性に比べて圧倒的に尿道が短いため失禁もしやすく、頻尿は大きな問題になります。
一般的には起きている間の一日の排尿回数は8回までが正常とされておりそれ以上になった場合、もしくはそれ以下であっても本人が以前と比べて排尿回数が明らかに多いと感じれば頻尿と言える場合もあります。
早めにトイレに行くことで対応でき、日常生活に支障のない場合は軽度ですが、外出先でもトイレのことばかり気になってしまい落ち着いて外出を楽しめない、夜中に何度も尿意で目が覚めてしまうので熟睡できず睡眠不足になってしまうというような症状がある場合は、なるべく早く専門的な治療が必要です。
そこで今回は、多くの中高年の悩みである頻尿について種類と原因、治療方法や自分でできる頻尿対策についてご紹介します。

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頻尿の種類と原因

頻尿の種類と原因についてご説明します。

■過活動膀胱による頻尿
過活動膀胱とは、尿が十分に溜まっていないにもかかわらず脳や膀胱から排尿したいという信号が過剰に送られてしまう状態です。
一度尿意を感じたら我慢ができず失禁してしまう「切迫性尿失禁」の症状を伴うことが多くあります。
脳梗塞やパーキンソン病など脳の疾患、脊髄損傷など神経の疾患の後遺症として脳と膀胱の間の信号伝達がうまくいかない場合、骨盤底筋という肛門、膣、尿道の周りを支える筋肉の機能が低下している場合など原因がある程度特定できる場合もありますが、加齢や精神的なストレスなど原因の特定が難しい場合も多々あります。

■何らかの疾患による頻尿
頻尿の中には器質的な原因がある場合もありますので、その場合はその根本となる疾患をきちんと治療することが最優先です。
腎臓から落ちてきた結石が膀胱にとどまる「膀胱結石」が刺激になって起こる頻尿、中高年の男性に多く尿道の周りにある前立腺が肥大することで尿道を圧迫する「前立腺肥大」では尿を出し切ったつもりでも膀胱内に残っている残尿が多く、結果的に頻尿を起こすこともあります。
また、尿道が男性に比べて短い女性では、外部から細菌やウイルスが入り炎症を起こす「膀胱炎」や「尿道炎」が見受けられます。

■尿量増加による頻尿
成人の一日の平均的な尿量は1〜1.5?とされていますが、3?を超えると明らかに多尿ということになります。
多尿になると通常よりも排尿回数が増えるので、どうしても頻尿になってしまいます。
尿量が増える原因としては、糖尿病で血糖コントロール不良の場合、尿に関係するホルモンの異常、利尿剤の服用、水分の摂りすぎなどがあります。

■心因性頻尿
心因性頻尿は、特に身体に器質的な異常がないにもかかわらず頻繁にトイレに行きたくなる状態です。
バスの中などトイレに行けない環境のときに限って余計に気になって行きたくなるといった特徴もあります。
逆にリラックスしているときや熟睡しているときは症状が軽減します。
トイレの失敗で怒られたり恥ずかしい思いをした幼い子どもや高齢者、緊張や不安な気持ちになりやすい性格の方に多く見受けられます。

頻尿の治療方法

頻尿を改善するためには原因をはっきりさせることが重要ですが、明らかな器質的異常を伴わない頻尿に対する治療法をご紹介します。

■薬物療法を行う
前立腺肥大や膀胱炎など頻尿の原因となる疾患がある場合は、その治療が最優先となり、それ以外の心因的な要素や加齢などが原因となっている頻尿で病院を受診した場合にも、薬物療法で経過を観察することが多く見受けられます。
その場合、副交感神経を抑制させることで排尿ではなく畜尿を促す抗コリン薬、膀胱の筋肉を緩めて膀胱の容量を大きくするβ3アドレナリン受容体作動薬などが使用されます。

■生活習慣を見直す
頻尿は、個人の生活習慣や環境、口にする飲食物、睡眠の質や量、ストレスの程度などに大きく左右されます。
長年の生活一つひとつの積み重ねが、症状に大きく関与していることがありますので、頻尿の原因となる生活習慣はないか、改善できるものがないか見直すことが重要です。

■膀胱周囲の機能を改善する
頻尿は中高年以上になると急激に増加することからも分かるように、加齢に伴う身体の変化が関与している場合が多くあります。
手足の筋肉を鍛えたり、脳トレをするのと同じように膀胱周囲の機能も適切な訓練を行えば改善することがあります。

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自宅でできるおすすめの頻尿対策

先ほどご紹介したように頻尿の改善には、病院で行われる薬物療法などの治療に加えて自分自身で行える対策も並行して行うことが有効です。
ここでは、自宅でできる頻尿対策をご紹介します。

■膀胱周囲を温める
膀胱周囲を温めることで膀胱の筋肉が緩み、尿をためやすくなります。
逆に、寒いところに行くと健康な方でも頻繁にトイレに行きたくなることは多くの方が経験していると思います。
スカートをやめてパンツスタイルにしたり、腹巻を巻いてお腹を温めるなどの工夫で頻尿の改善につながることがあります。

■水分摂取の習慣を見直す
尿は基本的に私たちが口から摂取した水分を元に作られます。
よって水分摂取量が多ければ尿量も増え、少なければ尿量が減るということになります。
健康な成人が一日に必要な水分摂取量は、約2.5?とされています。
そのうち約1?は食事から摂取できるので、残りの約1.5?を水やお茶で摂取するということになります。
頻尿を気にしすぎて水分摂取量が不足すると血液がどろどろになって脳卒中などのリスクを高めてしまったり、肌が乾燥するなど健康に害を及ぼしてしまうことがありますので控えすぎは厳禁ですが、一度ご自身の水分摂取量が多すぎないか確認してみるとよいかもしれません。
また、コーヒーや紅茶、緑茶に含まれるカフェインは利尿作用があります。
頻尿が気になる方は水や麦茶などカフェインの入っていない飲料や、カフェインレスになっているコーヒーや紅茶を使用することもおすすめです。
特に夜間の頻尿が気になる方は夕方以降にカフェインの含まれる飲料を控えたり、水分摂取自体を少な目にするなどの工夫も効果的です。

■膀胱訓練を行う
健康な方は尿意を感じてもしばらくの間排尿をしないようにコントロールすることができますが、過活動膀胱の方はちょっと尿意を感じるとすぐに我慢できなくなってしまう切迫性尿失禁がよく見られます。
また頻尿に悩む多くの方は、膀胱の筋肉が伸びて尿をしっかりためる力が落ちています。
そういった症状を改善し、排尿を自分でコントロールする力を鍛える訓練を「膀胱訓練」といいます。
具体的なやり方としては、尿意を感じてから5分程度我慢してからトイレに行くようにする。
それができるようになってきたらその時間を10分、15分と延ばしていくといった要領です。膀胱訓練とは、排尿を自分でコントロールする力を鍛える訓練です。
トイレに座ってからもすぐには排尿せず、一呼吸我慢してから排尿するようにします。
そうしているうちに、膀胱の容量が元に戻ってしっかり蓄尿できるようになったり、尿意を感じてからも自分の膀胱周囲の筋肉の力で我慢ができるようになってきます。
ただし注意しておくべき点として、膀胱訓練を行うことで過剰なストレスを感じないように無理なく行うことが大切です。
膀胱訓練を頑張りすぎるあまり、一日に何度もトイレを失敗してしまったり、訓練自体が苦痛になってしまうとストレスで症状が悪化してしまうことがありますので、注意しましょう。

■骨盤底筋訓練を行う
骨盤底筋とは尿道、膣、肛門の周りに張り巡らされている筋肉で、内臓を身体の下側から支えています。
手足の筋力が低下するように中高年になると骨盤底筋の機能も低下しやすく、内臓が下垂したり、尿意や便意を我慢しきれず失禁してしまうといった症状がでてきます。
特に出産を経験している女性の場合、出産時に骨盤底筋を損傷したり、妊娠時に緩んだ状態のままになってしまうなど機能が低下しやすい状態にありますので、骨盤底筋の訓練を行うことで頻尿の改善につながることがあります。

ここで骨盤底筋訓練のやり方をご紹介します。
1. 仰向けに寝て両膝を立て、身体の力を抜きます。
2. 息を吐きながら軽く肛門を(意識できる方は膣、尿道とそれぞれ分けながら)しめるように力を入れます。
3. 3秒程度しめた状態を続けたらゆっくり力を抜き、これを5〜10回程度繰り返します。

腹筋やお尻が硬くなっているときは力が入りすぎて余計な筋肉も収縮させてしまっているので、お腹やお尻が硬くならない程度に行って下さい。
仰向けでしめることができるようになってきたら、いす座位やあぐら、立った状態など様々な姿勢でしめられるように練習していきましょう。

おわりに

今回は、多くの中高年層の悩みである頻尿について種類や原因、治療法についてご紹介しました。
同じ頻尿症状でも原因によって治療法が異なりますので、症状が気になる方はきちんと泌尿器科を受診し、治療が必要な重大な疾患がないか確認しておきましょう。
そのうえで今回ご紹介したような自宅で行う頻尿対策を行う場合は、ゆったりした気持ちであまり神経質にならず、すぐに症状の改善が見られなくても焦ることなくじっくり取り組んでみてください。

■プロフィール

監修:いきいき100歳応援中(理学療法士)
専門:整形外科疾患、介護予防分野

自己紹介
二児の母でもある理学療法士。整形外科疾患、介護予防分野を専門とし、病院勤務の傍ら健康や医療に関する記事を執筆している。

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