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目指せすっきり快便!高齢者の便秘原因と解消法

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はじめに

便秘は老若男女問わず多くの方が経験したことのある症状です。
近年は、女性や成長期の子どもの便秘が多くなっていますが、それと同時に多いのが高齢者の便秘です。
腹筋などの筋力が弱くなっている高齢者が出にくくなった便を力んで出そうとするのは困難なうえに、痔の悪化や血圧上昇のリスクもあり大変危険なので、できれば苦しむことなく定期的に排便があることが理想的です。
そこで今回は、高齢者の便秘の原因とその対策についてご紹介します。

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高齢者の便秘とその原因は?

「便秘」とは、本来体外に排出されるべき便が十分かつ快適に排出できない状態をいいます。
個人によって便の量や質が異なるので、毎日排便がある方、3日に1回程度の排便で快適に過ごせる方など様々で便秘症と言えるかどうかは個人の主観による部分も多く曖昧です。
便意をもよおすのに排便に至らない、もよおしてトイレに座っても出るのに苦労する、便が出ても残便感がありすっきりしない、何日も排便がなく腹部膨満感(お腹のはり)があるといった不調が便秘症の症状と言えます。
原因は、腸をはじめ消化器に器質的な異常がある場合と、器質的な異常はないが、機能に問題がある場合に大別されます。

■器質的な異常がある場合
大腸がんやクローン病といった疾患は腸の内部が狭窄し、便が通過しにくくなって便秘になってしまうことがあります。
また直腸瘤や直腸重積など腸の形状や位置に異常をきたす疾患においても、排便しにくくなり、便秘になることがあります。

■機能に異常がある場合
腸の機能に異常がある便秘の中で最も多いものは、便を腸の中で運んでいくための蠕動運動が弱くなっているものです。
運動不足、水分や食物繊維の摂取不足、腹筋力の低下などが主な原因となるため、女性や高齢者に多く見られます。
逆に、ストレスや環境の変化などで腸が過緊張状態になり、うまく便を運ぶことができなくなることもあります。
また、肛門のすぐ手前にある直腸には便がたまると「排便反射」という反射が起きて排便されますが、高齢者で特に寝たきりの方は排便反射がうまく起こらず直腸に便がたまってしまいます。

このように機能的な異常による便秘は運動や食事などの生活習慣が大きく関わっているので、運動不足だったり食生活が若い頃のようにうまく進まない高齢者は若年層に比べて便秘になりやすいと言えます。

高齢者の便秘を解消するための対策は?

機能的な異常が便秘の原因になっている場合の対策をご紹介します。

■適度な運動習慣をもつ
ウォーキングや水泳などの全身運動を行うと、腹筋の動きに腸が刺激されたり、胃腸自体が揺れて動いたりすることによって腸の蠕動運動が活発になります。
全身運動は強度の高い運動を短時間行うよりも、ある程度の時間継続できるような強度の運動をゆったりとしたペースと気持ちで行うことがポイントです。
また上体起こしなど腹部の筋トレも腹筋の収縮、腹部の動きによって腸の動きを促すことができるので有効です。
排便時にある程度力めるようにするためにも腹筋の力は必要なので、無理のない範囲で是非とも鍛えてみましょう。

■水分をしっかり摂る
水分を十分に摂ると腸内の便も水分を十分に含むので、柔らかくバナナ状のよい便がスムーズに排出されます。
一方水分摂取量が少ない方は、便の中の水分も少なくなってしまうので塊になりにくく、ころころとした硬いうさぎの糞のような便になります。
このような便は排出されにくく、一度にすっきり出にくいので残便感が残りやすくなります。
一日のうち食事以外で摂取するとよい水分量の目安は1.5?とされています。
不足していると思われる方は、積極的にこまめな水分補給を心がけてみてください。

■規則正しい食生活を心がける
一日三食できるだけ規則正しい時間で食事をすることが便秘解消のポイントです。
朝起きて朝食をしっかりと摂ることで胃腸が目覚めて動き出し、排便が起こりやすくなります。
また食事の内容は、ご飯やパン、麺類などの炭水化物、肉や魚、豆類、卵などのたんぱく質、ビタミンやミネラル、食物繊維を豊富に含む野菜類やキノコ類をバランスよく食べましょう。
特に食物繊維を多く含む便は水分をしっかり含み便の体積を増やすので排便を促し、便秘解消に有効です。
食物繊維を多く含む食品には、さつまいも、バナナ、根菜類(ごぼう、にんじん、大根、れんこんなど)、キノコ類などがあります。

■過度にストレスをためない
スムーズに排便するためには、副交感神経が優位になりリラックスした状態でなければいけません。
ストレスがたまりすぎると自律神経のバランスが崩れ、副交感神経の働きが低下して便秘になりやすくなってしまいますので、ストレスはうまく発散し、ためこまないように気をつけましょう。

簡単にできるおすすめの便秘体操

自宅でも簡単にできる便秘改善のための体操やマッサージがありますのでご紹介します。

■お腹マッサージ
両膝を立てて仰向けに寝るか、椅子に座った状態でおへその周りを大きく時計回りにマッサージします。
最初は軽くなでるように、慣れてきたら痛みを伴わない程度に多少お腹を圧迫しながらマッサージを行っても構いません。
腸を皮膚の上からマッサージすることで蠕動運動を促します。

■腰捻り
腰やお腹を捻ることで腸を動かし、排便を促します。

1. 両膝を立てて仰向けに寝ます。
2. 膝を床に近づけるように両膝をゆっくりと左右交互に倒し、腰やお腹周りを捻ります。

もう少ししっかり捻りたい場合は、左足は伸ばしたまま右足が左足を乗り越えて左側にくるようにして腰を捻ります。左右を逆にして反対側にも捻ります。

■腹筋トレーニング
腹筋を収縮させることで腸の蠕動運動を促します。

1. 両膝を立てて仰向けに寝て、両手は胸の前や頭の後ろに組むか、太ももの上に置きます。
2.息を吐きながらおへそを覗き込むように頭、肩甲骨の順番にゆっくり上げます。
3.おろすときは反対に肩甲骨、頭の順番にゆっくりおろしていきます。この動きを繰り返し行います。

肩甲骨まで持ち上げるのが楽にできるようになった方はそのまま背中をあげていき、完全に起き上がるところまで行うと負荷が上がります。
いずれの場合も動作はゆっくり行うようにし、呼吸も止めないように注意しましょう。

■お尻上げ
腹部を動かすことで腸の動きを促します。

1. 両膝を立てて仰向けに寝ます。手はお腹の上に置くか身体の横におきます。
2. ゆっくりとお尻を浮かしていき、身体を横から見た際に肩から膝までが一直線になるところまでお尻が上がったら3秒止め、ゆっくりお尻を下ろす動作を繰り返し行います。

■スクワット
腹筋や背筋に力が入ることで腸の動きを促すとともに、スクワットの上下動によって腸自体も揺さぶり、排便を促します。

1.足は骨盤の幅に広げて立ち、両足を平行にしてつま先が進行方向を向くようにします。
2.重心が前後しないように注意しながらゆっくりと股関節、膝関節、足関節を曲げて重心を落とします。
3.膝が90度程度に曲がるところまで(ハーフスクワット)もしくは太ももと床が平行になるところまで(フルスクワット)重心が下がったら、ゆっくりと足を伸ばして最初の姿勢に戻る動作を繰り返し行います。

おわりに

今回は、高齢者の便秘についてその主な原因と対策、おすすめの便秘体操をご紹介しました。
すでに便秘に悩んでいる方はもちろん、今は快便でおられる方のこれからの予防のためにも今回ご紹介した生活習慣や便秘体操を是非取り入れていただきたいと思います。
また、ご紹介した様々な方法を試しても改善しない場合には、薬物療法などを取り入れた方がよい場合もありますので、かかりつけの医師に相談してみてください。

■プロフィール

監修:いきいき100歳応援中(理学療法士)
専門:整形外科疾患、介護予防分野

自己紹介
二児の母でもある理学療法士。整形外科疾患、介護予防分野を専門とし、病院勤務の傍ら健康や医療に関する記事を執筆している。

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