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エデンの園・アララト渓谷のコクリコの絨毯(アルメニア)

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ArmeniaPic@twitter.com

「Poppy fields growing in Armenias Ararat valley heaven on earth(一面にコクリコが生えるアルメニアのアララト渓谷の地上の楽園)」とコメントされた、海外からの、とあるツイートをご存じでしょうか。
雪を冠した富士山によく似た2つの山をバックに、アララト渓谷に一面の真っ赤なコクリコ(ポピー)が、絨毯のように広がるphotoが話題を呼んでいます。

ところでアルメニアってどこにあるのでしょうか?
国名はなんとなく知っていても、アルメニアについてあまり知見がない方もいらっしゃるかもしれません。
こちらの記事では、アルメニアについて歴史や文化遺産を交えてご紹介したいと思います。

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コクリコの絨毯を見られる時期は?

アルメニアへ赴き、画像のような一面のコクリコの絨毯を見たければ、5月ごろが適期です。
アルメニアの緯度は日本の秋田県と同じくらいで、四季があり、季節も同じくらいなので、日本でポピーが咲く時期にアルメニアでも咲いていると考えてよいでしょう。

アルメニアは大陸性気候の国で、夏の昼間は40℃ほどの猛暑、真冬は-15℃ほどにまで冷え込んで降雪もあるので、観光は気候のよい春と秋がベストです。春は5月下旬から6月下旬が観光に一番よい季節なのですが、それだとコクリコには少し遅いかもしれません。夜は日本より寒くなりますので、厚手の上着を持参したほうがよさそうです。

アルメニアってどんな国?

アルメニアは、トルコと隣接する内陸の国で、南コーカサス地方の共和制国家です。
一般的には東ヨーロッパといわれますが、西アジアとも、中東ともとれる位置にあります。首都エレバンには石造りの美しい円形のオペラハウスがあったり、共和国広場付近は噴水のライトアップショーが行われたりすることもあり、夜でも観光客でにぎわっています。また共和国広場の付近には和食レストランもあるそうですよ。

アルメニアは、世界で初めてキリスト教を国教にしたことでも知られており、キリスト教の色濃い国家といえます。後述しますが、なんと旧約聖書に出てくるアダムとイブの「エデンの園」はアルメニアにあったのだそうです。

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平地がほとんどない山国

アルメニアは、黒海とカスピ海の間に位置する「アルメニア高地」の最東端にある山岳地帯です。
3000m級の山が立ち並び、平地はほとんどありません。最大の平地は、首都エレバンのある「アララト平野」という盆地で、最低標高でも海抜380mなのだそうです。

アルメニアは「アラガツォトゥン地方」「アララト地方」「アルマヴィル地方」「ゲガルクニク地方」「コタイク地方」「ロリ地方」「シラク地方」「シュニク地方」「タヴシュ地方」「ヴァヨツ・ゾル地方」そして首都のある「エレバン」の計11の地方に分かれています。

アルメニア人の特徴

アルメニア人の特徴としてよく聞くのは「アルメニアは美人が多い」という噂です。道行く人みな美人なのだとか。
ヨーロッパでありながら顔は濃すぎず、ちょうど西洋人と東洋人のハーフのような顔立ちをしているようです。また欧米人は背が高い印象ですが、アルメニア人は比較的小柄で、日本人の平均身長と同じくらいなので、親しみが湧きやすいのかもしれません。

民族紛争のたびに移住し、世界中に散らばったため、国外で育ったアルメニア人はグローバルに活躍している印象がありますが、国内での失業率はひじょうに高く、世界のワースト10に入るほどです。

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悲しい民族紛争の歴史

アルメニアにはつらい過去があります。世界最古のメソポタミア文明発祥の地のひとつだったアルメニア王国は商業が栄えていたのだそうです。しかし戦争や紛争により国の構成は目まぐるしく変わります。

ロシア革命後は「アルメニア社会主義ソビエト共和国」いわゆるソ連として存在していましたが、1991年ソビエト連邦が崩壊したため、独立し「アルメニア共和国」となりました。独立後も、いまだ隣国のトルコや、アゼルバイジャンと領地をめぐる紛争が続いています。

アルメニア人ジェノサイド(虐殺)

アルメニア最大の悲劇は、オスマン帝国による「アルメニア人ジェノサイド」が上げられます。
1890年代と1915年の2度にわたる大虐殺と強制移住です。過酷な環境下を長時間歩かされたり、女性や子供に対する暴行などで、150万人の命が失われました。
毎年4月24日は犠牲者に祈りをささげる追悼記念の祭典が行われます。

その虐殺の認識をめぐり、100年以上たった今でもトルコとの衝突を繰り返し、その国境は閉ざされたままになっています。アルメニアのシンボルだったアララト山も奪われ、現在はトルコ領となってしまいました。

アルメニアの見どころ5選

アルメニアは、あまり治安が良いとはいえない印象があるためか、旅行先に選ぶ人は少ないかもしれません。
しかし、アルメニアには、誰もが知る有名な伝説の地がたくさん存在します。アルメニアの山国ならではの絶景や、古い石造りの建物が立ち並ぶ街並み、ミステリアスでエキゾチックな伝説の旅を楽しんでみるのもよいのではないでしょうか。この章ではアルメニアの見どころを5点選んでみます。

見どころ1エデンの園

0nigiri.joe@instagram.com

アダムとイブが暮らしたという言い伝えのある、あの有名な楽園「エデンの園」は、なんとアルメニアのアララト平野にあるのだそうです。

旧約聖書の一つ「創世記」に、エデンの地は「東方にある」と記されています。
この本がイスラエルから見て書かれたものだとすると、エデンはイスラエルの東方にある、西アジアのアルメニアの首都エレバンにあったと考えられるのだそうです。
神が、最初に人間を住まわせた、理想郷エデン。アダムとイブもここで真っ赤なコクリコの野原に立ち、「知恵の木」を眺めていたのかもしれませんね。

見どころ2ノアの方舟の残骸

「ノアの方舟(Noahs Ark)」の物語は誰もがご存じかと思います。
神は自分が創造した人間界に悪が蔓延したことを憂い、すべて消し去ろうと洪水を起こす計画を立てます。善人のノアにだけ、方舟を作って生き残るように命じ、ノアはあらゆる動物のつがいを方舟に乗せて全滅を免れました。その方舟のたどり着いた先がアララトの山頂だと、旧約聖書に書かれています。

なんと、その方舟の残骸が、2010年中国とトルコの探検家により、アララト山で発見されたのです。
年代を調べる炭素測定器で計ったところ、当時のものでほぼ間違いないと確認されました。このアララト山は、現在はトルコ領となっているのですが、アルメニアの世界文化遺産でもある「エチミアジン教会」に、ノアの方舟の木片が十字架とともに展示され、観光客も見ることができます。

見どころ3英国より古いストーンヘンジ

ストーンヘンジを言えば、イギリスのソールズベリーにある誰もが知るストーンサークル遺跡を思い浮かべますが、実はアルメニアにもストーンヘンジは存在します。しかもイギリスのストーンヘンジよりも4000年以上も古くからあるというから驚きです。

考古学者の間では「世界最古の天文観測所のようなものではないか」と研究されていますが、いまだはっきりしたことは分かっておらず、その目的は謎のままです。

見どころ4ホル・ヴィラップ修道院

首都エレバンから車で小一時間ほどのところにある「ホル・ヴィラップ修道院」は、ぜひ行ってみたいアルメニア随一の絶景ポイントです。小高い丘の上に立つ修道院から眺める壮大なアララト山は標高5137mの山で、日本の富士山(3776 m)より高く迫力満点です。

見どころ5魚の王子さま(イシュハン・ヅーク)

ゲガルクニク地方にある「セヴァン湖」は、標高1900mの高山の淡水湖です。
ここで捕れる魚は、鱗が星のように輝く美しい虹色をしていることから「魚の王子さま(イシュハン・ヅーク)」と呼ばれているそうです。
イシュハン・ヅークは淡水魚のニジマスの一種ですが、旧ソビエト時代に外来種を導入したことで、魚の王子さまは激減してしまったのだそうです。
機会があれば、ニジマス料理を食べてみてくださいね。

ロマンあふれる3つの世界遺産

※画像はエチミアジン大聖堂

アルメニアには、国教であるキリスト教の影響を受けた聖遺産が沢山存在しますが、中でもとりわけ見事なのが、玄武岩を使った石造りの歴史的な建築構造物の数々です。まるで神話や童話に出てくるような建物は見るものを圧倒させます。
ユネスコ世界遺産にも登録されている「3つの修道院」をご紹介しましょう。

1「ハフパット修道院」

ハフパットとは「堅強な壁」という意味の言葉で、強い玄武岩で造成された荘厳な修道院です。
かつては500名ほどの修道士が暮らしていたそうです。「ハチュカル」と呼ばれる十字架の石碑が複数立ち並び、聖堂などではアルメニアの伝統的な建築様式がみられ、まるで童話のような美しい世界遺産です。
ハフパット修道院は「サナイン修道院」とともに1996年世界文化遺産に登録されました。

2「ギガルド修道院」

ギガルド修道院が特異的なのは、中央聖堂の一部の岩盤が削られ洞窟の修道院となっている点です。
薄暗い天井から美しいレリーフで装飾されており、荘厳で神秘的です。「ギガルド」とは「槍」を意味する言葉で、イエスキリストのわき腹を刺したといわれる「ロンギヌスの槍」がここで発見されたことにちなんで名付けられました。
ギガルド修道院は「アザト川上流域」とともに2000年に世界文化遺産に登録されました。

3「エチミアジン大聖堂」

アルメニア正教の総本山である「エチミアジン大聖堂」は世界最古の教会で、アルメニアの代表的な観光地でもあります。
先に出てきた「ノアの方舟の木片」、キリストのわき腹を刺した「ロンギヌスの槍」、またイエス・キリストの「聖なる血がついた十字架」などが、ここに展示されています。伝説の真偽のほどは定かではありませんが、アルメニア人は信仰心が深く、あまたの貴重な聖遺産を秘蔵・展示しています。
エチミアジン大聖堂はズヴァルトノツ遺跡と合わせて2000年に世界文化遺産に登録されました。

まとめ

ツイッターで話題の「アララト渓谷のコクリコの野原」の写真から思いを馳せ、異国の地「アルメニア」についてまとめてみました。
数々の有名な伝説や遺跡を持つアルメニア人は、とても信心深く、言い伝えを信じやすいロマンチストなところがあるということが分かりましたね。
来年以降、ぜひ「コクリコのエデンの園」も旅行先の一つとして検討してみてくださいね。

監修:冥王堂あや
クリスマスローズ専門店「冥王堂」店長。交配、育種にも携わる。2014年「クリスマスローズの世界展」にて、新花コンテスト「特別賞」「ミヨシ賞」を受賞。
(公)日本園芸普及協会グリーンアドバイザー。

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